2021年の箱根駅伝は駒澤大学が逆転で13年ぶり7回目の総合優勝をして幕を閉じた。
テレビで応援していたけど、今年ほど見ていて勇気づけられたことはなかったように思う。
三浦しをんさん原作の漫画が映画化された「風が強く吹いている」が好きで、よく見るんだけど、
陸上競技とは縁がなかった僕でも箱根駅伝は、甲子園と並んで、別格でカッコ良いなぁと思う。
最も感動したのは、総合2位になった「創価大学」の皆さんの走りかな。
まさに、リアルで「ハイジとカケルのダブルエースがいる寛政大学陸上部」のように思えた。
往路を圧倒的強さで優勝されたから、寛政大学よりも強くて、更に感動を覚えたかもしれない。
病気を乗り越えて走った2人のランナーの走りは、今の僕の心に強く響き、記憶に残ったと思う。
4区を走って、創価大を今大会初のトップに押し上げ、往路優勝に貢献した嶋津雄大さん。
8区で首位をキープし続けた永井大育さん。ともに「網膜色素変性症」を抱えながらの走りだった。
網膜に異常が起こり、光を感知しづらくなる進行性の病気らしく、失明する可能性もあるらしい。
根本的な治療法はまだ見つかっていないとも言われている。
それでも逆境を乗り越えて結果を出した。これほど素晴らしいと思えることはなく心が熱くなった。
暗い場所では周囲がよく見えないから、朝の練習時の2人は本隊から離れて別で練習していたらしい。
朝はLED照明を完備した練習場で走り、夜は体育館のなかで走ったという。
新聞記事に書いてあったけれど、2人が創価大に入学した理由は、受験時にお互いのことを知って、
「同じ病気を抱えた仲間と走りたい」と思ったことも大きな理由だったらしい。
「一緒に箱根駅伝を走る」のが入学以来、共通の夢だった2人は、切磋琢磨して見事に夢を叶えた。
目の病気というハンディを抱えながら、もともと備わった才能を確実に活かすべく、知らないところで、
血の滲むような努力をされたんだろうなぁ・・・と思うと、ジーンっと感動を覚える。
僕も左目に「中心性網膜症」があって、日々気を付けながら生活しているけど、彼ら2人の活躍は
勇気をもらえるものだった。
そして、最終10区を走り切った小野寺勇樹さん。きっと今・・・誰よりも悔しい想いをされてると思う。
ツイッターに投稿されたメッセージを見て、思わず応援メッセージを送ってしまった。
来年は最後の箱根駅伝になるだろうけど、こういう経験をされた方は絶対に強くなると思うから。
メディアの方々が取り上げてたくさん記事を目にするけど、来年のリベンジに燃えているのかな。
2022年の箱根駅伝は、ご自身が心から満足できるレースになると良いなと思うので、応援したいね。
「風が強く吹いている」の映画の中でハイジがこんなセリフを言う。
「およそ長距離ほど“才能”と“努力”の天秤が努力の方に傾いている競技はない。
才能の面で劣っていても努力を継続することで箱根に出るという夢を叶えることが出来るんだ」と。
選ばれた学校しか出場できない箱根駅伝に出場されているのだから、才能のある方々なんだけど、
走る才能以上に、努力を継続できる才能が備わってて、大舞台で結果を出せる強い心臓があって、
本当に凄いなぁ!と思った。
僕の母校は予選会さえ出られていないからその大変さは何となくだけど分かっているつもり。
創価大はこれから黄金期が来るかもしれないね。
今年の目標は3位以内だったと聴いて、2位で見事に達成されているし、それだけじゃなくて、
チームとして悔しい…という経験をされて、達成感と屈辱感の両方を一気に経験されたと思うから。
2日間の走りを見ていて感じたけど、誰1人として浮ついているランナーがいなかった。
ひたむきに自分と走ることと向き合って来たんだろうなぁ・・・と思いながらテレビで見ていたよ。
少ないけど、僕自身の今までの経験上、こういうチームは一度成功するとずっと勝ち続けられる。
来年は真の実力で総合優勝するんじゃないかな。
自分より10個以上も年下の彼らに負けないよう、僕が闘っているフィールドで僕も頑張ろう!と思う。
なんか「まだまだやれるな!」と僕自身が勇気づけられたような気がする。