風が強く吹いている。 | ★One Chance★

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死にぞこないの、人生ボロボロだった男が前向きに生きている。
思ったことを書き連ねていこうと思う。良いことも悪いことも。

僕は困難や壁にぶつかって、自分に負けそうになる時、必ず観る映画がある

三浦しをんさんが書かれた「風が強く吹いている」という映画。

スカパーで定期的に放送されることもあってか、マンガ版の方が知名度が高いが、

僕が見るのはドラマ版の映画かな。

 

寄せ集め集団とも言える寛政大学の陸上競技部(長距離)のメンバーが

怪我で挫折したエースと高校で問題を起こして走る場を失ったエースの

2人のエースに導かれ、選ばれた大学しか出場することが出来ないお正月の

「箱根駅伝」の本選出場を目指し、奇跡の初出場から更にシード権を獲得するという物語。

 

ストーリーは多少無理があるが、本当に感動するポイントは別にあると思う。

箱根駅伝に出場してシード権を獲得するストーリーは、

才能やセンスがなくても、自分の気持ちさえ諦めずにやり続ければ、

どんな壁も乗り越えられて「夢」は叶うんだ!と、僕にも本気で思わせてくれるんだけど、

僕自身が感動するのは、清瀬灰二(怪我で挫折したエース)の本当の狙いが分かった時。

 

怪我をして思うように走れなくなり、逆に無性に走ることについて知りたくなったハイジ。

彼は自身のマラソン人生最後のレースとして、寛政大学の仲間と走る箱根駅伝の本戦を選ぶ。

1年弱の厳しい練習を経て出場した箱根駅伝の最終10区アンカーという立場。

右膝はまともに走れないボロボロの状態になっていたが、最後の舞台を思い切り楽しむ。

シード権獲得まで、1分2秒差を逆転しなければならないことを知ったハイジ。

無理をしたら恐らくゴールまで足が持たないことは分かっていたと思うけど、全力で走る

残り1キロを過ぎた時点でハイジの右膝はついに悲鳴を上げて、剥離骨折を起こしてしまう。

足を引き摺って歩くこともままならない状態になってしまうが、根性で這い蹲ってゴールする。

最後は2秒差で逆転し、シード権を獲得してチームの夢と個人の夢の両方を叶えるのだ。

 

自分も決して上手な選手ではなかったけれど、小学校からサッカーをやり続けてきた。

格好つけるわけではないが、僕の右足首もボロボロでいつ壊れてもおかしくない状態だ。

それでもサッカーが好きという気持ち1つだけで、ここまでずっとやってきた。

良い思いをしたこともあるけど、悔しい思いをした方が圧倒的に多かったサッカー人生。

何度も悔しい涙を流した気がする。「もう辞めよう」って何度も思った気がする。

それでも結局続けてこられたのは、ただ「好き」という感情を忘れることはなかったから。

一途にサッカーと向き合ってきた自負がある。

 

すごく寂しい気持ちになるのだが、年齢を重ねて自分の身体と向き合った時に気付いた現実。

これ以上、自分の足首を騙しながら続けることは出来ないということ。

この間、母校のグラウンドでサッカーをした時、ボールを蹴るのが怖いと感じてしまった。

小学校1年生から続けてきて、初めて感じた感覚と恐怖心だった。

その試合で怪我をして2日間、松葉杖をついて生活をした時、僕は色んなことを考えていた。

そして・・・・決断を下した。

今年は新型コロナウイルス問題があって、サッカーをする機会が大幅に減ってしまった。

これを良い機会と捉え、自分の足首をしっかりケアして労わっておく。

来夏まで残り1年、1試合でも多くサッカーが出来るように、1点でも多くゴールが取れるように。

 

2021年6月で僕はサッカーをプレーするのを辞める。もう二度とボールは蹴らない。

それからは観る専門になる。やっぱり浦和レッズが好きだしね。

 

とっても悔しいし残念な気持ちが強いが、僕の右足首の状態を考えると、仕方がない。

先の人生を考えた時、足が不自由になるわけにはいかないから。

清瀬灰二じゃないけれど、自分のサッカーをどのように締めくくるのか。今から考えていく。

箱根駅伝のような大きな大会に出られる選手じゃないけど、個人的な満足感は求めていく。

近未来の小さな「夢」が1つ出来たね。

 

Test the limits and break through.

All it takes is faith and trust.

The flower that blooms in adversity is the rarest and most beautiful of all.