平成18年11月24日午前10時30分~
反対尋問は主尋問の後に行われます。
青字: 原告(加盟店) 代理人中村の発言
黒太字: 証人 被告会社,本部社員Hの発言
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そもそも,売上原価からロス原価を引いてしまうという方式は,一般とは違う計算方式であるというふうに証人は考えられますか。
いや,私はそのように考えておりません。
通常の小売業界で,ロスとか棚卸ロスでも廃棄ロスでも結構です,どういうふうに処理されてると証人はお考えですか。
売上げから原価を引いたものというふうな説明の仕方じゃないかと思います。
その場合の売上原価とは一般にはどういうふうにしてるというふうに証人は思ってますか。
一般には,期首在庫から当月仕入れ,当年仕入,期末在庫,こういうふうなことだろうと思いますけれども,セブン-イレブンの場合にはそうじゃない。セブン-イレブンの場合に,実際に売れた商品の原価を求めますから,商品と棚卸ロスは引きません。そういうふうに説明しています。(原文ママ)
セブン-イレブンの場合,特殊であるというふうには思っておられるんですか。
特殊とは思っておりません。それぞれのやり方だと思っております。
でも,通常の場合と違うということを意識してオーナーに説明しなければ,簿記会計の知識のないオーナー予定者は分からないんじゃないですか。
ですけども,それで,私どものやり方はこれですということは,紙芝居方式をやりながら説明しておりますので,理解をしていただいているというふうに思います。
通常,仕入価(原文ママ,正しくは仕入価格または仕入値)が70円で,売価が100円のものを10個仕入れましたと。10個売れた場合は,100×10で1000円売上げが立っている。仕入れが700円で,荒利,売上総利益300円ですよね。
はい。
7個しか売れずに3個廃棄になった場合,売上の100×7ですから700円,仕入れも700円ですから,一般にはお店のほう,オーナーからすると700円で仕入れて,700円しか売れてないんだから,手元はゼロだと,荒利はゼロだというふうに考えるのが一般的なような気がするんですけれども。
だから,そこのところを説明をして,仕入原価に売上げが立ってないものは,仕入れから省く,仕入れ原価のところ,そこのところは,仕入れから除きます,差し引きますという説明をしています。
差し引く実質的な理由は何ですか。
これは実際に売れた商品の荒利を出す,それを分配するという,そういうセブン-イレブンの方式です。
そういう方式を明確に明示してやりますというのはまだ分かるんですけども,それをする経済的意味はあるんですか。
経済的な意味というのは,不良品だとか棚卸ロス,ここのあたりのものの削減ですか,こういった意味ではあると思います。仕事によって。
売上原価に入れても削減するのは一緒でしょう。
ええ,削減するのは一緒ですけれども,ただそこらあたりを私ども単品管理というふうに言うんですけど,少しでもやっぱりそれを少なくするということであれば,経済的効果がありますから。
チャージを無視して考えたときに,不良品が売上原価に入っていようが,営業費に入れようが一緒でしょう。
そういうふうにはちょっと私も見られないです。
チャージを無視して考えてください。ロス原価に入れる場合と営業費に入れる場合。
チャージを無視するならば,そういうことで,どちらにしても。
一緒でしょう。
ええ。
証人の見解で結構なんですけども,廃棄ロスを出すことは売上げに貢献するというふうに,本部はむしろ積極的にオーナーに勧めてるんじゃないですか。
全く逆ですね。逆です。
品揃えを強化して売上高を獲得することに向けないと縮小均衡に陥るというふうに本部は指導してるんじゃないですか。
そのために私どもはポスシステムというのを導入して,少しでも削減,少なくしようという経営のアドバイス,指導をしております。
廃棄を出せと指導したことは一回もありませんか。
とんでもない。逆です。
被告の会長の鈴木さんが雑誌のインタービューに答えて,廃棄を怖がるなと,廃棄なんて家庭でも出るんだから,どんどん出すべきだという発言をされてませんか。
それはちょっと私は知りません。でも,考え方は,私が先程申し上げたとおりです。品揃えを充実するというのは,これはよく指導ありますけれども,廃棄を出せという指導は私も聞いたことはありません。
反対尋問-(下の続き①)へ