ロスチャージ事件 本部社員Hへの反対尋問-(下の続き①) | ファイティング リティ Ver.4.0

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セブン-イレブン・ジャパンの不正会計事件。最高裁判決(2008年7月4日)後の差戻し高裁判決(2009年8月25日)では、まだまだ解決できません。これからも闘いが続きます。

平成18年11月24日午前10時30分~

反対尋問は主尋問の後に行われます。

主尋問の様子は(上)(下) をお読みください。


      青字: 原告(加盟店) 代理人中村の発言

      黒太字: 証人 被告会社,本部社員Hの発言

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生鮮品の見切り処分のため,値引きをするということはあり得ますよね。


ええ。


値引き自体は特に問題ないですよね。


ないと思いますね。


生鮮品では原価を割って値引きするということがありますよね。


あるかもしれません。ちょっと私も,あんまりそういう意味で詳しくは。


原価を割って値引きするということについて,証人は問題になるということは何か考えられますか。


そこは私はよく分からないんで,ちょっと答えようがありません。


ロスの処理について,加盟店の会計では原価から引くというのは分かったんですけれども,直営店ではどういうふうに処理してるんですか。


直営店も同じです。


同じというのは。


同じように,実際に売れた商品の原価を出すというのはこれ,同じだと思います。


本当ですか。


ええ,ちょっと私も,ここは,直営店の部分はあまり詳しくはないんですが。


甲第26号証(有価証券報告書総覧)を示す


ここのマーカーの部分がありますよね。


はい。


この部分はいわゆる直営店の勘定だということは分かりますか。


そうだと思います,はい。


原価の処理をどういうふうにしてますか。


原価,売上原価と,それから売上総利益を求めて,こういう方式になってますね。


加盟店で計算している方式と違うんじゃないですか。


ちょっとそれは私は,ここから先はちょっと分からないですね。


見たら分かるでしょう。「Ⅲ売上原価」で「1たな卸高」と「2仕入高」を合計してますね。


はい。


「3.商品期末たな卸高」 これを引いて売上原価を出しているんじゃないですか。


売上原価というのはどういった意味か,ちょっと私は分かりません,これ。売上原価が純売上原価ということなのか,それは分からないです。


我々が言ってる税務会計で言う売上原価と同じかどうか,あなたには分かりますか。


これはちょっと私はあんまり詳しくないんで,分からないです。


ご自身の会社の決算状況とかあまり気になさらないですか。


いや,気にはなりますけれども,実際に帳票ということになりますと,専門分野ではありませんので。


甲第1号証の1(加盟店基本契約書)を示す


24ページ,41条,先程の帳簿ですよね。


はい。


売上総利益,売上高,売上商品原価を出してきた。


はい。


何も先入観がない普通のオーナー予定者がこの内容を読んだら,売上高から,通常の税務会計に言う売上原価を引いてるというふうに理解するように私には思うんですが,証人の意見はどうですか。


ここには文言として売上商品原価と売上日というのが入ってるのと,それと私どもはこれだけじゃなくて,先程のフリップⅠ,フリップⅡ,そういったところで十分に売上げの原価というものがどういったものを指すかというのを説明していますので,ここの説明のときに間違うというのはないと思います。


この契約書に売上商品原価というものの定義って載ってますか。


定義は載ってないかと思いますけど。


なかったら,じゃああれどうだったかなと,オーナーが読んでもそういうふうに理解できないんじゃないですか。


ですから,そのために私どもは事前にこの契約書の説明だけじゃなくて,フリップという形で説明をさせていただいてます。


フリップチャートで理解できなかったら,一生理解できないということになるんじゃないですか。


ええ,でも基本的に私どもは理解いただいてる,いただいてるから捺印をいただくと,そういう前提で考えております。


昭和54年4月入社ということですから,原告の契約書の前の契約書の内容もご存知ですよね。


いや,前の契約書自体知りません。


54年4月当時で使われてたと思うんですけど。


入社が54年であって,私がこの仕事を始めたのは55年以降ですから。


私がこの仕事というのは。


このリクルートという説明の仕事ですね。


54年4月当時はどういう契約条項かというのは,社員は全く知らなかったですか。


知らなかったです。


その当時の旧契約条項には,一応売上原価とは何かという定義規定があったようなんですが,ご存知ですか。


それも知りません。


契約書を切り替えたのはこの年でしょう。


それも分からないです。55年ですから,私は55年以降の契約書を使っておりましたんで,その前にあったかどうか,それは知りません。


社員に対してこういうふうに契約を切り替えますよというアナウンスもないんですか。


その当時はどうか知りませんけど,私は少なくともそれは知らなかったです。


証人の見解で結構なんですけども,売れるか売れないかはともかくとして仕入原価全体を営業費として考えることはあり得ますか。売れたもの売れてないものを一緒くたにして。会計上の話です。


無意味な仕入れをすれば売りが立たないということなんでしょうけど,全部・・・・。


私が聞きたいのは売上原価じゃなくて,そもそも営業費として考えるということがあり得るんですか。


ちょっと私,意味が分からないですね。ちょっとご質問の意味が分からないです。


俗に営業費といっても,結局,オーナー予定者とすると,売上げがあって,仕入れがあって,チャージをとられて,その他経費がとられるという漠然と加盟店の負担だという広い意味での営業費としてとらえる可能性があるんじゃないですか。


ちょっとそこのところが先程のフリップⅠだとかでオーナーさんの営業費になりますよという説明をさせていただいてますよね,私どもは。ですから,それもご理解をいただいてるというふうに思います。


営業費とは何かということがそもそも分かってないと,あるいはもう少し広くとらえる,厳密に考えてないという可能性はないですか。


そこまでのちょっと憶測は,私はしておりません。


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