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Lithium Star

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去年後半からEMGがマイブーム中のハンダオタクです。

 

こんにちは。

 


EMGはアクティブくさいとか散々言われてそれならば!と、

よりパッシブっぽいXシリーズを発売したらどうにも人気が伸び悩んでいるような。


 

81と81Xを弾き比べたら81の方がよかったとか。

 

85と85Xでは圧倒的に85の方がメタル向きだとか。

 

音圧や迫力が重要なメタルギターならナチュラルさよりも

適度なコンプ感が必要だとユーザーが気付いた結果かもしれません。

 

他のジャンルの反応はよく知りません。


 

ところでEMGを調べ直していて自分が知らなかったことは

Xシリーズの存在だけではありません。

 

EMGはそのままではタップ不可能だということ。

それ専用のTWシリーズというのがあること。

そしてそのタップ方法も普通に配線をいくつかアースに落とすだけでは

実現できないことなどです。


 

現在のEMGがハンダ不要のソケット式でポットやスイッチまで専用品が

用意されているのはこのためでもあるでしょう。

 

具体的にいうとタップ可能な末尾にTWが付くモデルは、

ハムのコイル2つに加えてシングル時にスタック状に

ノイズ減少とサウンドデザインのための3つめのコイルがあり、

その入力と出力を同時に切り替える方式なので

基板付きの専用スイッチポットが必要なのです。

 


また件のXシリーズはトーンがアクティブのため

これも専用設計の基板付きポットを必要とします。


 

実際にこれらの複雑なワイヤリングを一切意識することなく、

パーツさえ用意すればソケットでカチカチ組み立てられるシステムは

とても優秀なデザインだと思います。


 

しかし何ということでしょう!
 

これだと誰もが同じ音になってしまう!


(注:それが素晴らしいのです)

 


年末からあーでもないこーでもないと回路図とにらめっこしていたら

やっと頭の中に理想のEMGのワイヤリングが浮かび上がって来ました。

 


デフォルトでいい音ですよ⁉︎

 

わざわざ面倒なことをやる必要性はないんですよ⁉︎

 

でもネットの海をさまよってみた結果

おそらく誰もこの辺は深く掘り進めていなそうなので、

ちょっとこの沼に深入りしてみようと思いますw

 

イヒヒヒヒwww

 

 

 

 

 

とりあえず長い旅の始まりに、


ハゲちょろけな上に1弦ミュートするのに邪魔な位置にある

ボリュームノブを4mm低いものに替えました。


 

うむ。おかげでちょっと弾きやすくなりました♪

みんな大好きEMG、いや好きな人は好きなEMG。

アクティブはノイズが少ないとかエフェクターのりがいいとか

アクティブくさいのが嫌いとか電池めんどくさいとか

まあどちらの意見も一理ありますw

しかし本当の利点はプリアンプで増幅するために

ピックアップ本体の磁力を弱くすることが可能で

それゆえにサステインを犠牲にせずに弦に近づけられて

効率よく音を拾える点だと思います。

それと現在では配線が全てソケット式なのでハンダ付けなしに

カチカチと配線を完成させられるのも大きな利点でしょう。




さて、それに真っ向から反旗を翻すハンダクロース。

もう12月27日じゃんとかはさておき。

縁あってうちにやってきたIbanez RGIR27Eちゃんで

いかにEMGを攻略するかカスタムメニューを紹介します。

2024年にはこうなっているよというお話です。



まずハンダごてを出す前にラクできるところは済ませましょう。

ピックアップの選別とブースターのテストです。

やりたいのはEMGの7弦用全ピックアップから一番好きな物を選ぶ。

そして内臓式のブースター、AFTER BURNERを試す、です。

どちらもソケットで脱着なのでじつに簡単。

いま搭載されているのはフロント、リア共に707。

7弦用に開発されたモデルですね。

そして現在ラインナップされている7弦用ピックアップは

・81-7

・85-7

・60-7

・57-7

・66-7

・707TW

・707TW-R

81と85はど定番の人気機種。ザック・ワイルド御用達。

60、57、66はビンテージ系でパワーがない分明るい音。

707のTWはタップ可能でシングルコイルが使用できるモデル。

それのR付きは通常ブリッジ側コイルが鳴るところを

ネック側コイルが鳴る仕様のモデル。


来年夏までに全機種入手した上で選ぶつもりですが

いま考えているのは707のサウンドがかなり使いやすいので

フロントに707TW-Rで24Fながらなるべく22F機に近いタップ音。

リアはふつうの707TWにしようかと考えています。

ストラトなのでやはりシングルコイルの音も欲しい気持ちw





そしてここで出てくるのがEMG純正ブースターです。

オンオフタイプとレベルつまみタイプがありますが

どちらにしろキャビティー内に内臓してしまって

シングル時にレベル補正するためだけに使おうかと思っています。


ソケット式のまま遊ぶのはここまで。


ここからいよいよハンダ接続のターンです。

数年前にフェンダーのクラプトンモデルをチューンしました。

アクティブサーキット内臓で基板と配線ぎっしりなのですが

これをいじってみるとハンダとワイヤー交換の効果が

とても大きくて、かなり驚いた経験があります。

つまりアクティブでもやり方によってはハンダクロースの出番。

 



それでまずやりたいのは9/18/27Vのテスト。

じつはこれ少し実験済みで、電圧が上がるとヘッドルームが

拡大してコンプ感が減り歪みにくくなります。

これを良しとするかはかなり人によって分かれるところ。

純粋なメタラーならコンプ感の強い9Vが最高でしょうし

クリーンも使うし右手で強弱付けるジャズっぽいのまで

やりたいならよりナチュラルな電圧高めがいいでしょう。

ピックアップのところで省略しましたが、Xシリーズという

まさに昇圧したような音のモデルも用意されているので

安く手に入ったら一度試してみるつもりです。






次はスイッチ。

数年前まで英国ベアナックルでしか見なかった

Freewayスイッチというものがサウンドハウスで買えます。

これは3ポジションを2レーンにして6ポジションにできる

ちょっと面白いアイデアパーツです。(バリエーションあり)

これかスーパースイッチ辺りを使えば2ハムのタップ付きで

シングルコイルにはブーストアップという仕様も可能かと。

下の図はIbanezの2ハムでオルタ―スイッチと呼ばれる

ミニスイッチでパターンを切り替える配線方式の図です。






そしてアクティブといえばバッテリー。

いま人気急上昇中のFishmanから面白い製品が出ています。

リアパネルタイプの充電バッテリー。

USBで充電して9Vを供給するので006P電池が不要です。

空いたスペースにブースターを入れたり自由度が広がります。

緊急時用にここだけソケットで予備バッテリーでもいいかも。

 



そしてジャックですが純正はバレル(内臓)タイプ。

Ibanez純正よりもESP製の方がカチっとハマるので

現場での抜けトラブルを減らすならおすすめです。

ただここもじつはアイデアがあって、

みなさん最近のBOSSのワイヤレスは試されましたか?

これがとても優秀で本体が軽量コンパクトで音質も素晴らしい。

なのでいっそのこと分解して内臓しちゃってもいいかなと(笑)。

かなり妄想に近いですがやったら相当楽しそう。

 



で、全ての電装系パーツが決まったところで

ハンダとワイヤーで一つの有機体にまとめ上げるわけです。

ピックアップ裏の端子は溶かさないように手早く。

7弦ならではの低域まで伸びたレンジを大切に。

メタルが主戦場なのでセラミックのコンデンサーを挟んで

敢えてギスギスしたサウンドで攻撃力を上げて。

タップ時のシングルは中域重視でクリーンのアルペジオや

ちょっとしたカッティングで埋もれないように。

基板付きの純正ポットからアクティブ用CTS25KAポットで

出力のロスを極力減らして。

フロイドローズで少し軽くなった重心を低く下げるように

最後はできれば5弦6弦のパンチが効くハンダでまとめる。


以上がRGちゃんの電装系カスタム計画のほぼ全容です。




実はこのギターはちょっとした運命で仲間のところに

やってきたギターで今回それをしばらくレンタルさせてもらい

7弦のリファレンスとして気に入り、譲ってもらいました。


その仲間のところに来た時点ではかなり操作面で難があり

ここに来るまでに土台からかなり手が入っている状態でした。

元々のオーナー氏の気持ちと、それを引き継いで

問題なく弾けるまでに基礎工事をやった仲間の気持ち。

それを受け継いで来年以降このギターには活躍してもらいます。
 


そんなに定価が高くないモデルですけど、

Loweちゃんシグネイチャーとしてハードケースも用意したい。




Ibanez MR500Cが余ってるからあげるよって人。

もしいたら声かけてください。

オリジナルエフェクターのプロトタイプ(歪み)と交換しましょ♪

SNSの普及により10年前と比べて個人の発言が

簡単にネット上に公開されるようになりました。


ハンダで音が変わるなんてオカルトだ。

ケーブルで音が変わるというのは業者の宣伝文句だ。

カタログ数値を持ち出したり動画でそう断言する人もいます。


たぶんそれは事実なのだと思います。

その人にとっては。


音の感じ方というのは耳の性能と経験値によって変わります。

楽器を弾かない人にとってはストラトもレスポールも

どちらもエレキギターの音にしか聴こえません。

でもどちらがより高域がはっきりしていて音の輪郭がシャープに

聴こえるかと訊けばこっち(ストラトの方)と答える人も出るでしょう。

どこで違いを判別するか分かったからです。


シールドの違いなんて無視できるレベルだという人がいました。

訊くと家の小型トランジスタアンプでしか弾いたことがなく

リハスタにも行ったことがない若いギタリストでした。

スタジオに連れて行き、Marshall JCM900で弾かせて

さらにFender Twinで弾かせてシールドテストを行ったところ

興奮してその差を実感してもらえました。


つまり音の違いを実感するにはそれを感じられるある程度の環境と

どこに着目してチェックするべきかを知っていることが必要です。


ハンダの違いはさらに微妙な差なのでより繊細なテスト環境、

たとえばハンダをとっかえひっかえできる端子を用意して

より違いがわかりやすいようにCD音源のようにフルレンジで

テストできれば誰でもわかるテストが可能です。

オシロスコープで電流や電圧を測っても数値はほぼ同じです。

でもスペアナでは一目瞭然の周波数特性の違いが現れます。

人間の手がコンマ数ミリのネックシェイプの違いを感じるように

人間の耳もほんの少し好奇心を優先してそれに気付きさえすれば

かなり微妙な違いも聴き分けることが可能です。





自分はハンダは接続するためだけの物でケーブルは伝達する物

という人に会っても口でそれを否定しようとはしません。

「いひひひ。そ~お?ホントに?じゃあこれちょっと使ってみる?w」

と実際に体験してもらってからその先に進みます。


これまでに何人もシールドやハンダ製品やテストボックスを

レンタルしてきましたが、その上でさらに否定した人はまだいません。

最近で特に驚かれたのが断線修理のついでに低域が出るハンダで

ベースラインが強化されたヘッドホンのSONY MDR-CD900ST。

標準機のモニターとしては使用できなくなりますが、

リスニング専用で耳コピなどに使うにはうってつけです。

ノーマルと聴き比べたらイヤでもハンダの違いを理解せざるを得ません。


そんなわけでここまでが長い前フリでして(笑)。

クリスマスも明けた12月26日の深夜に

とあるギターのカスタム予定について記事を上げます。


おヒマな方はどうかお楽しみにー♪