今回はkia***さんが初めてトランクスを着用したときの感想や効果についてです。ブリーフ(slip)派がトランクスやボクサーを苦手とする理由が明快に説明されています。私自身も大いに納得でした。

 
と同時に、「思いがけないトランクスの効果」が指摘されています。これはもう一つの重要ポイントと思います。私も小6でトランクスを期間限定で試しましたが、当時、そのような効用については意識外でした。今改めて思い返すと、「確かに!」です。      ――――――――――――――――――――――――――――
  
7.自分自身への効果と感想-3:トランクス

8月に入ってから「風通し抜群」とされるトランクスを試しました。一見した印象は、外見はボクサーと似ている一方で裾口には弾力がなくてオープン、また生地自体もSlip、ブリーフ、ボクサーのニット編みとは違ってサラッとしていることでした。
 
7-1.初トランクスの印象 
 
穿いてみると「足口をオープンにして、生地の弾力性とフィット性、肌への柔らかい感触、股間部の保持性を全面的に取り去ったボクサーブリーフ」といった感じでした。確かに、腰部と太股の上部が「支えのない開放感」で覆われ、「風通し抜群」が実感できました。これで高温・高湿度下での汗ばみとボクサーへの不適応性は回避できそうでした。それに、短パン(short shorts, kurze Hosen )に似ているので、着替えでパン一になっても気恥ずかしさが減りそうなのもメリットです。

7-2.高温・高湿度下での穿き心地:ズボン着用で蒸れと肌密着      

 

しかし、トランクスの上にスラックス(制服や外出着の長ズボン)やジーンズを穿いて外出すると、そう甘くはありませんでした。トランクスに覆われている太股と腰部が汗ばんで、それを吸って湿った生地が股間・ヒップ~太股の付け根の下にわたって肌に密着してくるので、ボクサーのときととほとんど同じ感じになりました。図9のブリーフとの重ね合わせ比較から、トランクスとボクサーとがズボンの中では同じような状況になってしまうことが直感的にも分かると思います。
ブリ・トラボクサー比較
       B-T              B-B 

図9 腰部~太股の被覆状態比較:B-T(ブリーフとトランクス)およびB-B(ブリーフとボクサー). 

また、トランクスを穿いて汗ばむと股間物が左右どちらかの太股に張り付く感じになるのも厭でした。「これはどうも・・・」ということで、ボクサーのときと同様に、裾が短くて穿き上げの効くミッドライズのトランクスを試しました。しかし、裾の短いボクサーの場合とほとんど同じことが起こりました。

というのは、腰部~太股の上部が汗ばんでくると、裾の短さが仇となって、裾の生地がまくれ上がって股間部に重なってきたのです。そのときのトランクスの外形は丁度ブリーフと同じような形になっていました。つまり、「まくれ上がってくる生地(ブリーフには最初からない部分)は余計物」ということを実証してしまっているのが皮肉です(笑)。さらに極端にまくれ上がったときは、伝統的なお祭りやTV相撲などで見るフンドシみたいになって食い込んできたのには参りました。
    
7-3.裾長下着での熱気・湿気蒸れの理由と必然性の考察

こうしたことを図9の重ね合わせ比較で考えると、ズボンを穿いてしまえばトランクスでもボクサーと同じく熱気と湿気が籠もってしまう理由が分かってきます。トランクスが肌を覆っている領域(図9左)はブリーフに比べて遥かに広く、ボクサー(図9右)とほとんど変わらないのです。パン一のときに幾ら風通しが良くても、ズボンを穿いてしまえば足腰の全体がズボン生地で覆われてしまいます。ズボンの中での熱籠もり状況がトランクスとボクサーとでほぼ同じになるのは当然でしょう。 


以上の観点から、図9を見直してみるとトランクスとボクサーは図10のようになります

熱こもり
 
図10 トランクスやボクサーの上にズボンを穿いたときの熱気・湿気籠もりの要因。


橙色の太線で囲った領域は、ブリーフの場合には無い肌身の被覆域で、股間下部から太股付け根のかなり下側にまで及んでいます。つまりこの領域は、ブリーフの場合と違って、①ズボン生地+下着(トランクスやボクサー)生地の二重構造になっています。とくに②股間~股下では両足を揃えると、「ブリーフではあり得ない生地の四重重ね状態(下着-ズボン-ズボン-下着)」で肌身が被覆されることになります。しかもこの領域は、③ズボンの裾(開口部=換気口)から最も奥まっていて換気性が極少です。さらに重要なことは、④この中の股間~股下部は発汗が活発な領域と重なっていることです。
 

以上の①~④の要因から、ズボンを穿いてしまえばトランクスとボクサーとで大きな差はなく、どちらの場合も腰部~太股上部が「熱気籠もり・高湿度ゾーン」となってしまうことが納得できると思います。

 

これに比べてブリーフは、始めから股下被覆がないため、つまり熱気・湿気こもりの要因①②がありません。またそのことが③と④の悪影響を軽減する方向に働くため、必然的に高温・高湿度への対応性が優れていると言えるでしょう。

   

当時はここまで詳細に考えた訳ではないのですが、体感を通じて「やはり自分にはブリーフの方が良い」との結論に至りました。そうして、覚悟して「ブリーフ利用の”隠れslip派”」に戻ることにしました(以後の詳細は次回)。

 

7-4.他のタイプにはない「トランクスの効果」

 
以上に述べたことからすると、私にとってトランクスはあまり取り柄がなかったと思われでしょう。しかし、トランクスには他のタイプにはない一大長所があることを実体験しました。それはトランクスを穿くと、小用後の処理レベルが各段に向上することです(!)。

コットン製ニット生地のslipやブリーフ(とボクサー)は吸水性が高いので、小用後の残尿があってもそれを速やかに吸収してしまい、局所周囲の股間部は残尿濡れ・滲みをほとんど感じないで済んでしまいます。このため、幼少期からslip(ブリーフ)だけを穿いていると、用足し後の処理(チン振り())がイイ加減と言うか不十分になり勝ちとなってしまい、下着に残尿を吸収させてシミ作りをしてしまいます。

 

一方のトランクスは吸水性が低く体にフィットもしていないので、slipやブリーフの時のようなチン振り処理だと、残尿濡れ・滲みや残尿の太股伝い垂れの不快感を存分に味わわされます。このため、イヤでも小用後のチン振り処理に気を付けるようになります。そうしてこれが習慣化すると、slipやブリーフそれにボクサーを穿いたときの残尿シミ作りは目に見えて各段に改善されます。私自身も、この点でトランクスには感謝しています(マジに)。  

  

kia***さんのケースについての続きです。今回は、ブリーフさらにはボクサーブリーフを着用したときのご自身への効果と感想を書いていただきました。

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これまでの要約:帰国後に一年生で入学した中学では、私の欧州型ブリーフ=slipビキニブリーフやサポーターに勘違いされてしまいました。そこで親と相談して、体育、検診、宿泊行事などの際にはジュニア用ブリーフに穿き換えて行き、帰宅後slipに穿き戻すようにしました。しかしブリーフ着用者自体がそもそも少数派という状態でした。そこで、同世代の多くが着用しているボクサーブリーフ、さらには風通しが良いと教えられたトランクスも試みました。     

今回はこうした対応について視点を変えて、否応なく気付かされ考えさせられたことを述べようと思います。ただし、あくまでも国内事情に慣れていなかった私個人の感想や考えです。もし秋~冬に「隠れ対策」を始めていたら、感想やその後の経緯も多少違っていたかもしれません   


5.自分にとっての効果と感想-1:ブリーフ 


4月下旬から、slipとの穿き換え用に図5のようなジュニアブリーフを買ってもらいました。自分にとっては初めてで、ブリーフ(B1B2)もslipS1S2)と同じく前二重なのですが、裾がローレグ・カット股間幅が広く、和服の前合わせような前開きが付いているのが印象的でした。また、表示サイズが同等でも、ブリーフはslipに比べて全体に大きく、生地が厚目と感じました。
slip-ブリ履き替え    
図5 slipと「隠れslip対応」に使ったブリーフ
S1S2B1は実家保存の新品を発掘(笑)したもの。 
S1B1は綿100%S2は綿95-スパンデックス5%B2 
ブリーフの中では気に入っていたもの(今も現行品)。

ともかくブリーフを穿いてみると、腰部の前後、股、股の付け根より下側までがしっかり被覆されている感じでした。slipとは穿き心地に違う点がありましたが、その時点で嫌ということはありませんでした。特に図5のB2は形がslipに近いしスポーティなので、慣れれば「これでok!」になると感じました.
そうして4月下旬~5月初旬を「表向きブリーフ着用の隠れslip派」として過ごしていると、課題発生でした。それは、入学時点でも少数派だった(表立っての?)ブリーフ着用者がさらに減って行き、わずかに残った継続着用者は「ブリーフ派」として分類されたことでした。
今から思えば、少年期にありがちなちょっとした好奇心の対象にされた程度で、どうということはなかったのですが、状況自体は入学当初のときと同じです。これではわざわざブリーフを穿いて「隠れslip派」になる意味がないと思えました。そのため、まだブリーフには十分慣れていなかったのですが、ボクサーを試すようになりました。   
6.自分にとっての効果と感想-2:ボクサーブリーフ
先ず5月の連休明けから、同級生と上級生の89割方が着用のボクサーブリーフを試しました。対象は図6のような前開き型と前閉じ型の2タイプでした。
ボクサー2種小
 図6 試したボクサーブリーフ:国内購入の前開き型(O)
と海外ブランドの前閉じ型(C). 

まずは国内で一般的な図6(O)のような前開き型を試しました。腰部の前後と股間がブリーフと同じようにしっかり覆われるとともに、足の付け根よりもはるか下方までがピッタリ被覆されます。

ボクサーは「ブリーフとトランクスの良いところ取りをした下着」とのことですが、初めての自分にとっては「へえ~っ、こんなのか!?」という感じでした。穿いた感想を一言で表すと厳重被覆感となるでしょうか・・・。でもこれでともかく着替えのある登校時や行事では周囲の注目や好奇心からフリーになれるし、帰宅後はslipに戻せば良いのだから、多少のことは我慢して慣れれば決着okと思いました。

しかし6月に入ると問題発生でした。原因は欧州型気候に順応していた者が初めて直面する梅雨時の高湿度でした。運動や何気ない動作の連続で汗ばむと、ボクサーに覆われた腰部が汗ばんでしっとり湿り、それがなかなか引かないで延々と持続・・・。ぴったり被覆のボクサーがますます密着してくるのが「何だかイヤだなぁ」と感じました。

でもそれは序の口で、梅雨が明けると初めて経験する「高温+高湿度」の蒸し暑さがやって来ました。ジッと静かにしていても、この気候に不慣れな私の身体は体温上昇を防ごうとして盛んに発汗しました。衣類-特に下着-はジットリ湿り、それが長時間続くのです。図7の比較のように、ボクサーブリーフはブリーフやslipに比べて腰部から太股下方までを厳重に包み込んでいるため、間断なく滲む汗を吸って「手で絞った洗濯物」のようになりました。
ブリ-ボクO型比較小
 
   図7 前あき型ボクサー(図5O)と
ブリーフ(図B2)との重ね合わせ比較.

これが特にひどかったのは股間部でした。同部は汗腺の密度が高い上に、両股表面が接近し、下着とズボンの布地が「太股表面-ボクサー生地-ズボン生地-ズボン生地-ボクサー生地-太股表面」と折り重なってしまいます。そうして鼠蹊部のかなり下まである裾(足口)は太股にベッタリ張り付いて“超”厳重被覆パンツとなっているのですから、熱と湿度がこもるのは必然でしょう。帰宅後、シャワーを浴びてslipに穿き戻すと「身も心もほっとして救われる」感じでした。

そうして「これはどうも自分には合わない」ということで、次は裾がもっと短い前閉じタイプ(図6のC)を試しました。元々、前閉じslipに慣れているし、ボクサーも前閉じ型の方が裾は短めだからです。こうして裾が短くて全体に軽快な感じのボクサーを探して購入してもらいました。

実際に穿いてみると確かに、裾長タイプ(図6のO)に比べて耐高温・高湿度への適応性は良く、パンツ全体が「手で絞った洗濯物」のようにはなりませんでした。しかし図8のように、やはり裾が股の付け根より下まで来る「厳重被覆型パンツ」であることに変わりはありません。   
ブリ-ボクC型比較小

図8 前閉じ型ボクサー(図6のC)と
ブリーフ(図5のB2)との重ね合わせ比較.

このため、布地と皮膚が重なる股間部は汗ばみ、生地で覆われている太股の付け根も汗でうっすら被覆状態となりました。そこで活発に動くと、裾の短さが仇となって、裾生地が太股をせり上がってきて、股間部周辺に布地が一層寄り集まってくるようなことが発生しました。

「これではもう堪らない!」ということで、次は風通し良好とされるトランクスを試すことになりました。
 

kia***さんのケースについての続きです。


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前回の要約

 

欧州から中一相当(12才)のときに帰国して入った中学では、着替えや検診の際に、私が穿き慣れslipビキニブリーフやサポーターと勘違いされてビックリでした。「これ、普通のパンツだよ」と返事しても、質問やコメントがなかなか収まりませんでした。こんなことで周囲の余計な関心を引くのは問題だろうし自分にとっても“ウザい”ので、要対策と感じました。

    

3.対応策:隠れslip

 

親と相談の結果、着替えのあるケース(体育、身体計測、泊まり込み行事など)は、下着を周囲に合わせることにしました。その対象に選んだのはslipと同類のブリーフで、国内ブランドのジュニア用でした。

   

 しかし、常時かつ直接触れる下着だけに、「いきなり不慣れな物に全面替えするのは大変だし、そこまでしなくても良いだろう」ということで、図3のような態勢を採ることにしました。学校で着替えのある時や宿泊行事の際は、slipからブリーフに穿き換えて出掛けて、帰宅後にslipに戻すようにしました。また、着替え等がないときや家庭内にいるときは従来と同じく普段のslipのまま過ごすことにしました。

使い分けステージ-1
 
図3.対応の第1ステージ;着替え用にはブリーフで「隠れslip派」に。S1(綿100%)やS2(綿95%-スパンデックス5%)の欧州ヨーロッパ型ブリーフ=slipと国内ブリーフB(綿100%)との穿き分け。いずれも実家に新品のまま保存してあった発掘品。同一縮尺の画像で、S1とS2は164サイズ、Bは160サイズですが、見た目サイズが逆転しています(日本のBは”巨大”)。各タイプの詳細は前回の全体版-1をご参照下さい。https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12704667816.html


これと同じように、ブリーフと他のタイプを穿き分けるのを「隠れブリーフ派」と言うそうですが、私の場合は「隠れslip」となるのでしょう(笑)。また、後述のように、こうした「穿き換え・穿き戻し」の繰り返しが、私が「確信的slip派」になる原因の一つになりました。
  
4.周囲への効果:今度は「ブリーフ派」へ
   

こうした対応で、「あれ、外国のはやめたの?」とは言われましたが、ビキニがどうこうといったコメントは収まりました。しかし、「変えてもやっぱりブリーフ派なんだね」といったコメントを貰いました。これで初めて「ブリーフ派」という用語と「そのブリーフ派は国内では少数派」ということを認識しました。確かにブリーフ常用者は同学年で10%前後位だったと思います。

   

学校と地域柄からか、「ブリーフ派」と言われる程度で今からすればどうと言うことはなかったのですが、当時の私としては、こういった状況は初体験で、「人のパンツの種類について、いやー、ウルサイなあ」という感じでした。

    

そこで対応の第2ステージとして図4のような方策に進みました。つまり、ブリーフ派の子が他にも複数いるケースは図の「ブリーフ」ですが、自分を含めて12名になりそうな場合を考慮して、ボクサーを(初めて)穿くようにしました。さらに、後に述べる事情から、風通しが良いと言われたトランクスも試みました。そうして図4の右側のどの場合も、帰宅後はシャワーを浴びてSlipに穿き戻すようにしました。

使い分けステージ-2
 
図4 対応の第2ステージ;着替え時用に綿100のボクサーブリーフさらにトランクスを加えた三種態勢。

 

以上の図3や4は周囲環境(国内全体の風潮?)に対して採った対応ですが、それが自分自身にとってはどうであったか、また何故そうだったのかが肝心です。それらを次回以降に述べていこうと思います


  

はじめに



ブリーフの日米型と欧州型の区別が国内では一般的ではないことから、前回は今回の予告も兼ねた要約版をkia***さんに作成して頂きました。


 

 https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12701654353.html  

(ヨーロッパ型ブリーフ(Slip)派を自覚した経緯概要)


今回からこのテーマの継続として、詳細な経緯と関連の諸事項を含む本編版を掲載いたします。kia***さんのケースを初めて読む方は、前回の要約版に目を通して頂くと分かり易いと思います。

なお以後の記事には、前置きや本体記述に要約版と一部重複する部分がありますが、各所のポイントと全体の流れに一貫性を持たせるためですのでご了解下さい。



解題:kia***さんのケースの意味


kia***さんは幼児期からボクサーやトランクスなどに移行したことはなく、このような他タイプは一時的に着用したことがある程度とのことです。国内で時々聞く、私やatp***さんのような「出戻りケース(下記記事)」とは少し意味合いが違っています。


https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12684828771.html

(ブリーフ派への経緯:私の場合)

(ブリーフ派への経緯:atp***さんの場合-1)
  ブリーフ派への経緯:atp***さんの場合-2)

彼のケースを本ブログの英文標題“Research on Men's Briefs and Slips”(注1)に沿って言うなら、「kia***さんが”slip派”になった経緯」となります。しかしbriefsslipもカタカナ英語に訳してしまえば「ブリーフ」なので「一体何のこと?」となって判じ物になってしまいます。


そこでポイントとなるのが「日米型のブリーフ・briefs」と「欧州型ブリーフ=スリップ(slip、Slip、σλιπslipy 等(注2)」との違いです。そうしてkia***さんが「自分には”slip”がいい」と意識して確信した時から「slip派になった」と言うわけです。
   

以下の記事と説明からは、国内で一般的に言う「ブリーフ」や「ブリーフ派」とは違った視点や観点を知ることができると思います。

    

(注1) 実際の経緯は逆で、以前kia***さんから頂いた説明に基づいてブログの標題を”・・・Briefs and Slips”としています。



(注2) kia***さんによれば、欧州隣接のトルコや南米大陸のスペイン語およびポルトガル語圏でもslip型が一般的とのことです。



以下Kia***さんの本文

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前回の概要:在欧の幼少年時代は「大陸側の欧州で普通の下着パンツ=slip」を特に意識することもなく着用して過ごしていました。しかし帰国して一年生として入学した中学で、周囲の状況との相異に気付かされました。国内ではそもそもブリーフ着用率が低かった上に、当のブリーフ自体の形も違っていました。  


このため、着替えのある登校時などに限って「国内で普通のブリーフ」をメインに穿いて、ボクサーやトランクスも試しました。しかし、「やはり自分には合わない」と確信するようになり、それを意識した上で自宅外でもslipをそのまま着用する「slip派」になりました。


前回の1.概要に続いて今後は、その経緯と内容の詳細について、2.帰国前の状況と帰国後の周囲状況、3.対応策と周囲への効果、4.自身への効果、5.確信的なslip派化、6.関連事項の順に述べて行こうと思います。また最後に、国内的にはslipと競合的に見える「ビキニ型ブリーフ」について私見をメモします。  
 

今回は下記の2-1項について述べます。


2.周囲反応への対策とその限界
2-1.slip(欧州型ブリーフ)に対する周囲反応


 
(1)帰国前の状況
 
私は物心がついて以降ずっと居住していたEU域(大陸側)ではごく一般的な下着のパンツ=slip(スリップ)をとくに何も意識することなく穿いていました。以前の記事にも掲載の図1に沿って言うと、ノーマル・カットでミッド・ライズ、前二重、前閉じ」の欧州ではごく普通のタイプです。 
カット全容      

図1.ブリーフ(slip)の穿きこみ深さとカット。詳細は以下の記の記事をご覧下さい:

ブリーフの形と種類(タイプ)-2:図解と実例

https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12697798181.html の図1と2

ブリーフの形と種類(タイプ)-1:ヨーロッパ型 vs. 米日型の視点から

https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12690997292.html の図2のS  

スリップブリーフ(Slip Briefs)とはどんなブリーフ?・・ヨーロッパがタブリーフ

https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12797566387.html  の図1と2



(2)帰国後の周囲コメント:「それってビキニ?」
 

帰国して中学に入ると、体育の着替えや検診のときに、周囲の子達から下着パンツのタイプというか形が「国内の”普通”」とは違っていると気付かされました。国内ではブリーフが少数派の上に、そのブリーフ自体の形が違っている、ということだったのでしょう。

 

図2は、幸いにも(?)実家に保存してあった中学生当時の私のブリーフを比較したものです。Bは国内で購入してもらった「普通のジュニアブリーフ」、S1とS2は「欧州で普通のジュニアslip(ブリーフ)」です。BとS1の本体は100%綿、S2は5%スパンデックスの混紡タイプです。確かに、国内型(日米型)と欧州型とでは形と全体的なサイズがかなり違っていることが一目瞭然です。

   
日独伊実際比較-2

  図2 ジュニアブリーフの日欧比較。B:160サイズの国内型ブリーフ、S1とS2:164サイズの欧州型Slip(ブリーフ)。後者の2枚は、私がslip派を意識するようになった後、親が仕事で渡欧したときに他の衣料とともに現地購入・発送してくれた”幼なじみ”のシリーズ製品。日本で言えばグンゼやBVDのジュニア用相当で、S1は92~188サイズ、S2は92~176サイズをカバーしていました。
 

 そのため、体育や身体計測などの着替えの際に、「・・君が穿いてるのってビキニ?」とか「ビキニ穿いてるの?」と聞かれました。また部活の着替えでは「サポーター着けて来たの?」といった質問もされました。


在欧当時は「ビキニブリーフという語(今も男子用下着で一般的な用語ではありません)」自体を知らず、聞いたこともありませんでした。これはサポーターについても同じで、在欧時代の同学年前後の子達はもちろん、街のスポーツクラブで一緒のハイティーンの人達の中でも着用者はまず見掛けませんでした。


従って、「ビキニやサポーターがどうこう」というのはどれも私にとっては思いも掛けない質問なので、「何それ!?」とビックリでした。そうして「これ普通のパンツだよ」と返事するしかありませんでした。しかし、この返事ではどうも納得して貰えなかったようです(しばらく経つ内にその理由というか、国内での背景が分かってきましたが・・・)。

問題は、国内ではブリーフ自体がそもそも少数派である上に、そのブリーフ自体の形が相当に違っているということでした。こうして上記のような質問や感想・コメントがなかなか止まないため、「何らかの対策が必要」と思うようになりました。


(以下、次回に続きます)

ブリーフの種類・形や前開きについて明快に解説して頂いたkia***さんのケースを紹介します。ただし以前掲載の私やatp***さんのような国内で一般的なケースとは意味合いが少し違います。
 
つまり、ブログの英文標題“Research on Men’s Briefs and Slipsで言えば、”slipとなります。briefsslipも日本語訳は「ブリーフ」なので、何やら判じ物ですが、要するに日米型ブリーフ派ではなくて欧州ヨーロッパ型ブリーフ=スリップ派ということです。
 
このような日米型と欧州型の区別は国内で一般的ではないので、相談の上、まずは要約版の方が良いのではとなりました。


今回の記事は以下の記事と密接に関係しています。

https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12690997292.html


なおブログの主旨に合致したご質問等があれば可能な範囲で回答します。またkia***さんほかの方達に取り次ぎます。

以下Kia***さんの本文

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1.Slip(欧州型ブリーフ)派を自覚するまでの経緯の概要


要約版:幼少年時代は「大陸側の欧州で普通の下着パンツ=slip」を特に意識することもなく着用していました。しかし、帰国して一年生として入学した中学で周囲状況との相異に気付かされました。国内ではブリーフ着用者がそもそも少数派の上に、そのブリーフ自体の形が違っているということでした。

    

図1がその比較です。Bは国内で普通のジュニアブリーフですが、ミッドライズで日本国内のものとしてはかなりスポーティな部類と言えるでしょう。一方のSは欧州で普通のジュニアブリーフ(slip)で、以前掲載頂いた記事に沿って言えばミッドライズ、ノーマルカット、前二重の前閉じ型です。(前面形状の違いについてはhttps://ameblo.jp/lin-baelder/image-12750319274-15138484997.html をご参照下さい)


一目見ても、人に与える印象がかなり違っていそうです。

 

S-B比較-X
 

ジュニア比較B

 図1 ジュニアブリーフの比較: B:国内型briefsとS:欧州型slip   

上の図は平置き、下の図は着用例。



そうして実際に、「ビキニ穿いているの?」と幾度も聞かれたり、多少の冷やかしもありました。このため対処策を親子で相談して、着替えのある登校時や泊まり込み行事の際は国内購入のジュニアブリーフを基本に穿いて、多数派が着用しているボクサー、さらに無難気なトランクスも試していきました。  
  

朝はブリーフやボクサーあるいはトランクスに穿き換えて登校や外出し、帰宅後にすぐslip(図1のSタイプ)に穿き換えていました。これを繰り返している内に、以前は意識しなかったslipが自分には(絶対)一番合っていると確信するようになりました。そうして、国内生活や会話対応にも慣れた後は、自宅外でもほとんどの場合slipを自分の意志でそのまま着用する=「slip派」になりました。