【北の大地の新築物件探訪⑥ 内部潜入編 ~桃色行脚'23~】 | 監督のささやき戦術

 なんせうなるほどにネタが豊富だったがために、いつ果てるともなく延々続けている6月の北広島遠征記。

 試合のない日に訪れた遠征2日目の後半戦。出来立てほやほやのエスコンフィールドの内部奥深くに潜入してきた話をさせていただく。

 

 ↓ここまでのあらすじ

 ①道中編

 ②コンコース編

 ③スタンド編

 ④観戦編

 ⑤試合のない日編

 

 

 潜入といっても、ルパンやキャッツアイ的な非合法な手段などではもちろんない。

 球場オフィシャルの『スタジアムツアー』に参加したのである。

 

 試合のない日に1日だいたい12回程度開催されているエスコンフィールドの『スタジアムツアー』は、一般向けの『プレミアムツアー(大人平日3500円・土日祝4500円)』『ベーシックツアー(同1800円・2300円)』、そして修学旅行や遠足向けの『学生団体ツアー(1000円)』の3種類が用意されている。

 今回申し込んだのはもちろん上位ランクの『プレミアムツアー』の、14時からの回。

 行ってみたら月曜というのに全開催に「×」がついていた人気っぷり。早めに予約しておいてよかった。

 

 集合場所は三塁側の入場ゲート『3rd BASE GATE』(の内側)。

 奥が『ベーシックツアー』、手前が『プレミアムツアー』の参加者。

 球場HPの記載によると、1回あたりの定員は『ベーシック』が約50名、『プレミアム』は約20名とのこと。「約」の部分が何によって変動するのかは不明だが、試しに数えてみたこの回の『プレミアムツアー』の参加者は24名だった。

 

 この『スタジアムツアー』の大きな特色のひとつは、ツアーガイドさん。

 なんとファイターズガールのお姉さまが案内してくれるのだ

 参加した回の担当は竹市琴美さん。今年加入した新メンバーだそうだ。

 

 いつものチアモードではない衣装のファイターズガールに率いられ、いざエスコンフィールドの深部へ。

 

 

 最初に向かったのはバックネット裏エリア。

 試合開催日はネット裏のラグジュアリーなシーズンシートを持つ者だけが入場を許される『ダイヤモンドクラブラウンジ』

 

 こちらがお値段1席922,900円~の『ダイヤモンドクラブシート』エリアからの眺め。

 階段で地下1階に降りるとそこには……

 まるで高級レストランと見まがうような豪華絢爛な専用ラウンジが。

 売りは目の前で調理してくれる「ライブキッチン」方式のビュッフェだそうだ。

 

 ピッカピカの金属で装飾されている入口壁面は……

 ピッカピカすぎて撮影者もばっちり映り込む。

 

 ゴージャスな『ダイヤモンドクラブラウンジ』から一転、まるでどこかの駐車場のような武骨な地下1階の関係者専用通路を移動すると……

 突如現れるレンガ調のお洒落な一角。

 次なる見学地は、普段は選手や関係者のみしか立ち入ることができないホームチームエリアだ。

 ここから先は大半が撮影禁止ゾーンとなるので、許可された一部のゾーンのみご紹介。

 

 このエリアの大きな見どころのひとつが、ホーム、つまりファイターズの選手たちが使っているロッカールーム

 シーズン中はずっとファイターズの選手の道具などが置きっぱなしになっているわけで、普通に考えれば見学させるのはカードごとに空になるビジターのロッカールームだろう。大昔に参加したことがある『甲子園歴史館』のスタジアムツアーもそうだった。

 なぜエスコンフィールドではホームのロッカーを一般に見せられるのかというと……

 選手ひとりひとりの区画ごとに重厚感のある扉がついており、撮影OKだったこの見本ブース以外は全部きっちり閉まっていたからだ

 おそらく「道具や私物は全部しまって扉を閉めて帰宅すること」というのがロッカールームのルールとして厳格に定められているのだろう。

 一般人は撮影不可だった、選手のモチベーションも大いに上がるだろうかっちょよすぎるロッカールームの全貌は、ググれば球団公式やメディアに公開されたものが出てくるので、ぜひ調べてご覧いただければ。マジで度肝を抜かれたので。

 

 トレーニングルームやミーティングルーム、新庄監督の強い意向でわざわざ公開しているという監督室など、どこもここも驚くべき設備の連続。そういえば郡司選手が移籍会見で語った「スタバ飲放題」の提供場所も見たので、その後話題になった時にちょっと嬉しかった。

 ただ新しいだけでなく、これまでの球団の歴史への敬意や新球場での決意などがデザインや設計の端々にちりばめられている、というとても興味深い話を伺いながら見て歩いた撮影不可ゾーンは、かなりエキサイティングだった。

 

 久々に地上に戻ってきたと思ったら、そこはダグアウト

 新庄監督の要望に沿って作られたという特別な椅子に、大はしゃぎで一番乗りに座る桃色野郎の図。

 

 文字通りグラウンドレベルの間近で、真新しい天然芝を眺める。

 センター後方に目をやると、バックスクリーンも兼ねている、ついさっきまで飲んだくれていた『そらとしば by よなよなエール』の姿が。

 なるほど、選手からだとこんな風に見えるのか……。

 

 真下から眺める、収納された大屋根の威容。

 鉄骨マニアにはたまらない光景だ。

 

 ダグアウトのあとは、一旦内部に戻って数少ない撮影OKゾーンのインタビューエリアを見学。

 壁面には球団史にその名を刻むふたりの11番と、今も1番を背負う現監督の若かりし日の大きな写真が飾られていた。

 

 そして再びフィールドへ。

 他球場に比べてかなりワイドに取られているウォーニングトラックを通って、ライトからレフトへと移動。

 

 円弧を描かない特徴的なフェンスに沿った、直線的な芝生の境目が見ていて楽しい。

 さすがは新築物件。外野フェンスもまだダメージ感が少なくきれいなものだった。

 

 レフトにあるビジター側のブルペン見学で、『プレミアムツアー』は全行程を終了。

 個人的な感想としては、これでもかと波状攻撃で圧倒してくる新球場の設備たちを前に、およそ60分の所要時間はあっという間であり、まあまあいいお値段のツアー料金3500円に対しては何の文句もない、満足度の高い素晴らしいツアーであった。これから行く方には全力でお勧めしたい。

 

 学校の授業などは後ろの方で目立たぬようにこそこそしていたものだが、この手の興味マックスのモノはかぶりつきで話を聞きたい!とがっつく性質ゆえ、ツアー道中ほぼずっと先頭を歩いていた桃色野郎。

 結果、先頭にブルーの衣装のファイターズガール、その次に不審なピンクユニフォームの中年、という謎の構図をずっと見ることになった同じ回の参加者の皆様には申し訳なかったが、こちらが繰り出すこまごまとした質問に(内心は「なんだこいつ……」と思っただろうが高いプロ意識でおくびにも出さず)笑顔で親切に応えてくれた案内役のファイターズガール竹市琴美さんのおかげで、より密度の濃い充実したツアーになった。

 こちとらちょろいおじさんゆえ……

 わずか1時間足らずのあいだに、すっかりファンになってしまった

 ただ、若い女性の顔の見分けがいまいちつかないおじさんでもあるので、次にスタンドから見た時に判別できる自信はない。

 

 

 ツアー終了後は、前日は人が多くて回避した球場周辺を散策。

 緑と水と風がとにかく気持ちがいい。

 あの良さげなプライベートヴィラに宿泊するのも、山ほどある「エスコンフィールドでいつか」リストのひとつ

 

 3500万~1.5億円というお値段にもかかわらず、平均で10倍、最大20倍という倍率となり、全118戸があっという間に完売した球場横の新築マンション『レ・ジェイド北海道ボールパーク』をしげしげと眺めてみる。

 その抽選に当たってたら今頃あそこの最上階に住んでたのに……(嘘)。

 

 

 球場内外を散策したり、さらにビールを飲み続けたりして日が傾くころまでのんびりと過ごした北広島遠征第2日。

 初日の行き帰りと2日目の行きは徒歩ルートを選択したが、最後は……

 ガラガラだったのでせっかかくだから乗ってみようとシャトルバスを選択し、2日合計で15時間ばかりを過ごしたエスコンフィールドHOKKAIDOをあとにしたのだった。

 

 

 ここまで全6回にわたって不必要なまでに長々と語ってきたことがすべてなので、ここでまた殊更にグダグダ言うのは控えるが、端的に言ってとにかく素晴らしく魅力的な球場だったエスコンフィールドHOKKAIDO。

 ウキウキでうろつきまくった結果、スマホの歩数計によるこの2日間の総歩行距離は35キロに達しており、わりと健脚を自認する方だがさすがに翌日は少々筋肉痛だった。

 グルメとか温泉とか、まだまだやり残したことが山のようにあるし、まだ端緒についたばかりの球場を中心としたボールパーク作りの2年目、3年目の成長を見守らねばならぬという勝手な思いもあるので、そう遠くない将来にまた再訪することだろう。

 会うたびにまた違った姿、新しい魅力を見せつけてくれることを大いに期待している。

 

 

 1年目の新球場で受けた数々の刺激を、さまざまな形で自軍本拠地に還元してゆきたいと考える11年目の当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。