【北の大地の新築物件探訪⑤ 試合のない日編 ~桃色行脚'23~】 | 監督のささやき戦術

 6月中旬に敢行した北広島の新球場、エスコンフィールドHOKKAIDOへの初遠征。

 見どころ満載の球場そのものをじっくりと見物するためには、試合のある日とない日の両方で行くべきだろうと、3連戦最終日の日曜と移動日で試合なしの月曜の2日間で組んだ遠征の、2日目6月12日(月)の話をさせていただく。

 

↓ここまでのあらすじ

 ①道中編

 ②コンコース編

 ③スタンド編

 ④観戦編

 

 

 初日は当日移動で新千歳空港から直行だったが、2日目は宿泊地札幌から電車でエスコンフィールドへ。

 その道中の北広島駅到着直前、進行方向右手の車窓から見えた新球場に車中で大興奮(しすぎて写真撮り忘れる)。

 なぜならばその姿が、ぜひとも生で拝んでみたいと熱望していた……

 ルーフオープンモードだったからだ

 

 憧れが膨らみすぎて、行くまでにファンクラブもらったレプリカで何度も何度も検証して夢想していた……

 これが……

 これしてる姿を生で拝めたのだから、興奮を抑えられるはずもない。

 

 天然芝にお日様の光を浴びせてすくすくと生育させるために、試合がなく天気がいい日の日中に自慢の可動式屋根を全開にするというこの球場。

 「せっかく行ったのに雨天につき閉めっぱなし」という遠征前の不安をスカッと吹き飛ばすような、素晴らしい青空の下にそびえ立つ屋根全開の新球場の姿は、今までのどの球場のファーストコンタクトよりも心が震えた

 

 ちなみに屋根を全開にする所要時間は約25分で、それに要する電気代は2~3万円だそうだ。「3万払うから今すぐ屋根動かして!」とお願いしても聞いてはくれないだろうから、次は開でも閉でもその時間を狙って再訪してみたいものだ。

 

 

 『Fビレッジ』という広大なボールパーク内の1施設という扱いのこの球場の他にない大きな特色は、試合非開催日でもチケット不要の入場無料で場内に入れて、物販や飲食も楽しむことができること。もちろんそれ目当てにやって来たので、鼻息も荒く場内へ。

 試合のない日に入場可能なエリアは『FIELD LEVEL(1階)』の外野側の部分がほぼ大半(『七つ星横丁』営業時は『MAIN LEVEL(2階)』も開放されるようだが、試合非開催日の営業は土日のみとのことでこの日は行けず残念)。

 入場ゲートはライトの『リポビタンゲート』と左中間の『TOWER11ゲート』の2か所のみとなる。

 

 つい前日に訪れた際にわりと隅から隅まで歩き回って観察したので、なんとなく勝手も分かったような気になっていたが、屋根が全開のエスコンフィールドは「え?どちらさま……?」と聞きたくなるくらいに、前日とは別人のような顔になっていた

 全長136メートルがこんなにコンパクトに……、と驚かずにはいられないバックネット側に収納された大屋根は、まるで甲子園球場の大銀傘のような威容だ。

 比較用に撮っておいた、前日の屋内球場モードの時の同じ場所からの眺めはこう。

 昨日と今日とで同じ球場を見ているとは信じられないほどに、印象がまるっきり違う。

 

 それは外野側でも顕著で……

 ルーフクローズ時はすみっこの上の方に申し訳程度に付け足されたような印象だった、レフトスタンド最上段の台形のエリアなどは……

 ルーフがオープンするや、空に近くて気持ちよさそうな開放感ある席に早変わり

 

 同一球場での「屋根あり→屋根なし」による雰囲気、印象の激変という事例は、考えてみれば逆バージョンを25年ほど前に西武球場で生で体験しているはずなのだが、向こうは「屋根なし→半屋根→屋根完成」に足掛け3年かかっているし、そもそも大昔のことでいまいち覚えていないので、「昨日屋根あり→今日屋根なし」という同一球場の劇的早変わりの衝撃は、人生初といっていいレベルであった。

 つい先日、7月2日にルーフオープン状態で初めて試合が開催されたが、想像するにとんでもなく気持ちよかったことだろう。次回訪問時はぜひ観客として味わいたいものだ。

 

 

 前述のとおり試合非開催日でもいくつかの飲食店が営業している中で、選んだの開場前から大注目していたここ。

 世界初の「球場内ビール醸造所兼ビアレストラン」として話題の、『そらとしば by よなよなエール』である。

 

 なんせ話題&注目の施設ゆえ、試合があった(そして3万人超も来場者数があった)前日はというと……

 常時こんなありさまで、指をくわえて遠巻きに眺めるのみ。その時心に誓った翌日のリベンジを、無事に果たすことに成功。

 

 試合がない日の野球場と考えれば十分に多い人出だが、前日に比べたらスッカスカで快適な人口密度。

 全然待たずに入れたし、席も余裕があった。

 ちなみに『そらとしば by よなよなエール』の客席は、1階醸造所の隣の店内スペースとこのルーフトップスペースの2か所に設けられているが、やはり人気は屋上の方。言うまでもなく自分もまっしぐらにここに向かった。

 

 ビールは1階、屋上の両方で販売されているので、いちいち階段を昇り降りする必要がない吞兵衛にやさしい仕様。

 北の大地の気持ちのよい空の下、美しく魅力的な新球場で、仕事が休みの日の真っ昼間から飲む、その場で醸造された出来立てのビール

 こんな好条件ばかりがみっちり詰まった極楽のような美味い酒は、そうそうありつけるものではない。

 

 ルーフトップエリアの最前面のカウンターから望む、美しい天然芝のフィールド。

 眼下では、前日までの6連戦の疲れをいたわるかのごとく、ゆっくりとしたスピードでトラクターが芝生を手入れ中。

 ダイヤモンドの方に目をやると……

 スプリンクラーによる自動散水の放物線が美しい。

 こんなのどかで美しい景色を眺めながら飲むビールの美味いこと美味いこと……。

 そんな素晴らしい環境にも酔わされて浮かされて、思わず売っていた全銘柄のビールの制覇してしまった

 

 もちろん開いているのは一部飲食店だけではない。

 営業している飲食店のテイクアウト系のメニューなどは……

 レフト、ライトの『FIELD LEVEL(1階)』外野席が開放されているので、そこで自由に座って楽しむことができる。

 チケットチェックも手荷物検査もない入場無料日ゆえにちょっと気になったのだが、試合開催日は禁止されている「飲食物の持ち込み」は、試合非開催日はどうなのだろうか?

 見回した限り手作り弁当持参みたいな人がいなかったので、真相は不明。

 

 

 ここまでのエスコン遠征第2日目の見聞録は、主に「全開の屋根に大興奮してがぶがぶビールをあおった」という話のみをしてきたが、実はこの時点で時刻はまだ正午ちょいすぎくらい。

 午後の部にも貪欲に予定を詰め込んでいるので、飽きもせずにしつこくまだ北広島遠征話を続けさせていただく。

 

 

 屋外球場が気持ちよい時期から少々しんどい時期へと変わって来た7月。

 暑い中で汗をだらだらかきながらの観戦もそれはそれで楽しいが、涼しく快適に観戦したい際などはぜひ空調完備で全天候型の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。