ほぼほぼ店にこもりっきりで、愛してやまない野球遠征がまったくできなかったコロナ禍中の3年間(個人的に仙台は遠征に含まない)。
めでたく脱コロナを果たした今季。コロナ禍中に貯まりに貯まった『楽天スーパーポイント』を放出する時がついにやって来た!と鼻息も荒く『楽天トラベル』にがっつり突っ込んで、4年ぶりの遠征を企図。記念すべき一発目の目的地は、開幕前からここ!と決めていた、今季最大の球界トピックのひとつ。
その構想が正式決定した2018年からずっと憧れ続けてきた、北の大地の超巨大新築物件『エスコンフィールドHOKKAIDO』とついに念願の対面が叶った、交流戦ど真ん中の6月11日(日)に取らせていただいた臨時休場日の話をさせていただく。
なんせウッキウキのハイテンションで赴いた初北広島遠征ゆえ、備忘録も兼ねて道中から無駄にたっぷりやってゆきたいと思う。
なお、Fビレッジへは試合開催日の11日(日)、試合のない翌12日(月)の2日間で足を運んだので、写真はその両方が混在していることを最初にお伝えしておく。妙に人影が少ない写真はだいたいが2日目だ。
由宇練習場へと遠征した2018年以来5年ぶりで、もはや若干乗り方忘れてた飛行機に運んでもらって降り立った北の大地の玄関口、新千歳空港。
そこから札幌・小樽方面行きのJR快速エアポートでおよそ20分。直線距離で約24キロ、道路距離で約36キロの位置にある札幌市のお隣北広島市の、JR北広島駅が目指す巨大新築物件の(現時点での)最寄り駅。
もちろん生まれて初めて降り立ったわけだが、特徴的なアーチ型の屋根が洒落ている、なかなか立派な駅ではないか。
その改札前広場(『エルフィンパーク』という名だそうだ)には、セブンイレブンが1軒。
さすが最寄り駅のお膝元コンビニだけあって、ファイターズグッズを取り扱っている。球場でうっかり買い忘れても安心だ。
駅の出口は東西ふたつ。
バス乗りたい人は西口、歩いていく人は東口としっかり案内看板に表記されているのに加え、試合開催日は案内スタッフも複数立っているので、よほどの粗忽ものでないかぎり初めてでもまず迷う心配はない。
こちらはシャトルバスルートの人が案内される西口のロータリー。
行列に対応するためなのだろう。シャトルバスの乗車位置はロータリーから少し離れた場所、この写真のマンション建設現場の白い防壁を曲がった先に設置されている。
言わずもがなだが撮影は試合非開催日であり、ちょうどバスが出た直後だったため誰もいないが、試合開催日は大行列ができるという噂は聞き及んでいたので、到着当日のFビレッジへのルートは迷わず徒歩を選択。ゆえにその噂の大行列は目にしていない。
こちらが徒歩ルートの人が進む東口方面出口。自転車通行OKの東西自由通路も兼ねているので、緩いスロープになっている。
えふたんが案内してくれている所要時間が果たして実際はどうなのかの検証も、大事なミッションだ。
駅舎の外に出ると目の前に現れるのは、綺麗に整備された遊歩道。
駅前広場と同じ『エルフィンロード』という名が与えられたこの道は、歩行者と自転車専用なので車の心配はない。
道案内のスタッフも立っているが、言われなくてもしばらくは曲がり角などは見当たらず、線路沿いの道をひたすら北上するのみの、迷う余地のかけらもないシンプルなルートが続く。
まあどこの球場でも言えることだが、野球開催日であればそれっぽい人についていけば心配せずとも間違いなく着く。
歩き始めて5分ほどだろうか。駅付近から遠ざかり、マンションなどの高い建物もなくなって視界が開けてくると……
線路の向こうにほんのちょっとだけ見える、あの特徴的な屋根。
札幌方面から電車でやって来ると、北広島駅到着前に車窓から新球場を見られるが、新千歳空港から直でやって来た民は、ここで初めて生エスコン(のごくごく一部)を拝むことができるのだ。まだ道のりは序盤だが、がぜんテンションが上がる。
その屋根の先っぽが見えるあたりの線路と反対側、進行方向右手にあるいかにも築浅できれいな建物。
こちらは2017年に開庁した北広島市役所だそうだ。
北広島遠征に先立って読んだ、新球場移転先決定の舞台裏に迫った迫真のノンフィクション、鈴木忠平さんの『アンビシャス』の中の、終盤のクライマックスシーンで出てきたあの市役所がこれか……、とちょっと感激。予期せぬ「聖地巡礼」にまたまたテンションが上がる。
市役所を通過した先、歩き始めておよそ10分ほどで川を超える。
河川敷がきれいに整備されたこの川の名は「輪厚川(わっつがわ)」。いかにも北海道然とした耳慣れぬ響きに、旅情も大いにかきたれられるではないか。
その輪厚川を越える橋の名は「こすもすはし」。「ばし」と濁らないのは珍しい。
見てのとおりの豊かな自然で、きっと水も綺麗なのだろう。帰り道、すっかり日が落ちた時間にこの橋を通ったら、カエルの大合唱が響き渡っていた。
大半が「道なり」と言える全長およそ1.5キロの行程の中で、唯一のしっかりとした曲道は、歩き始めておよそ14分ほどの地点。
ずっと直進してきた『エルフィンロード』を進行方向左に折れて、線路をくぐることになる。
注意が必要な唯一の曲がり角とあってか、立っているスタッフもひときわ大きな声で案内していた。
線路をくぐった先は、少々のぼり勾配の曲がりくねった細い道が続くが、あくまで進路は道なりなので迷う余地はない。
北広島市総合体育館のわきを抜け、一気に視界が開けると……
ついにエスコンフィールドのご尊顔がこんにちは。
写真左の歩行者専用の橋こそが、Fビレッジのために掛けられ、今年3月1日に開通した……
ビッグボスブリッジである。
先代のメインマスコット『ブリスキー・ザ・ベアー』が通称『B・B』ならば、こちらは『B・B・B』と呼ばれるのだろうか?
その『B・B・B』を渡り、一旦下ってまた上るのがFビレッジへの最後の直線。
左手に見える緑の防球ネットはFビレッジのものではなく、真隣にある北広島高校のグラウンドのネット。
部活中のボールなどが通行人にぶつかったりする事故を防止するため、Fビレッジ開場前に高いネットを新設したらしい。
その北広島高校グラウンド脇を通り抜けた先、ようやくここからがFビレッジの敷地となる。
たしか駅で「徒歩19分」と言っていたえふたん。具体的に「Fビレッジのどこ」とは言っていなかったが、仮に敷地に入るまでとすれば、ここまでの所要時間を示していたことになる。
検証結果をお伝えするならば、わりと健脚(そしてせっかちなので歩くのが早い)な部類と自認する自分調べで20分。
道中の写真撮影のタイムロスはほとんどなく(せっかちなので)、2日目も同じルートを歩いてまるっきり同じ所要時間だったので、自分の持ちタイムは20分という結論になった。
というわけでえふたんよ、公称徒歩19分はちと過酷な要求ではなかろうか……? それともえふたんと地元の民しか知らぬショートカットルートでもあったのだろうか?
無駄に気合を入れて、いらん情報盛りだくさんで紹介してきた、北広島駅からFビレッジまでの公称19分(実際20分)、距離にして約1.5キロの道中。
そこそこの距離と時間を歩くことになるが、その道のりのすべてが歩行者(と自転車)専用道であり、信号も横断歩道もひとつもなく、車の往来を気にすることなくのんびり歩けるのは素晴らしい。多少のアップダウンはあるが、階段は1か所もないのでベビーカーでも問題ないだろう。
ちなみに道中にコンビニや飲食店の類は1軒もない。推奨ルートの『エルフィンロード』を離れることになるが、北広島市役所を通過した先の道路沿いに大きい回転寿司屋やコープなどが見えたので、あまりいないとは思うが「エスコンフィールドまで空腹が我慢できない!」という方は、一旦道を外れてそこいらでピットストップすれば餓死する心配もなかろう。
新緑が美しい季節の訪問だったのでまったく問題なかった、というよりむしろすこぶる気持ちがよかったのだが、すこし気になったのは線路沿いの土手や川沿いなど、道中のひたすらに多い緑。
決して緑が多いことに文句を言いたいわけではない。自分も東北の田舎育ちゆえに、真っ先に浮かんだのは「これだけ緑豊かだと、真夏の時期は虫はどうなのだろう……?」ということ。
北海道の夏の虫事情は東北のそれとは全然異なるのかもしれないが、どなたか真夏に足を運ぶことがあれば、ぜひ状況を教えていただきたい。
まだ球場に1ミリも入っていない、ただ「道を歩いた」というだけの段階ですでにだいぶ長くなったので、エスコンフィールドそのものの話などはまた次回以降に。
これから行く方も、もう行ったよという方も、北海道の真新しいボールパークへの遠征計画や土産話の開陳などは、神田の11年目のちっぽけなボールパークでどうぞ。
引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。