【杜の都のデラックス ~桃色席種レビュー'17~】 | 監督のささやき戦術

 とうの昔に東京を通り過ぎて行った桜前線を追いかけるかのごとく、東日本を北上してきた先日の休場日の日帰り遠征の話をさせて頂く。

 

 

 やって来たのはこの球場。

 不気味な巨大ボブルヘッドがお出迎えしてくれる今季初のご贔屓イーグルス本拠地、Koboパーク宮城である。

 

 「ZOZO」や「メットライフ」ほどのインパクトがないせいかあまり語られないが、地味に13シーズン目で4つ目の名前に改名したこの球場。なかなか「コボパー」と口をついて出ないが、そのうち慣れるだろうか?

 

 

 昨季は天然芝やビジョン、観覧車など、目に見える劇的な変化があったこの球場。今季はそこまで大きな変更点はないが、細かいところに新要素が。

 スコアボードに時計が表示されてないな…、と思ってきょろきょろしたら、スコアボードとKoboビジョンの間に巨大なアナログ時計が新たに設置されていた。

 

 

 ライト外野の「スマイルグリコパーク」に足を向けると、「RAKUTEN.FM TOHOKU」の試合生中継が公開録音になっていた。

 12日のライオンズ戦で始球式のマウンドに上がったお笑い芸人で、文春オンラインの「文春野球コラムペナントレース」でイーグルスを担当しているかみじょうたけしさんと、OBの永井怜さんが軽妙な掛け合いを繰り広げていた。

 

 

 個人的に楽しみにしていた今季の新要素がこれ。

 宮城、福島、岩手のブルワリーと共同開発した球団オリジナルビール、「イーグルスビール」。さっそく「ゴールデンラガー」と「ゴールデンエール」を試してみたが、個人的には「エール」の方が好みであった。

 今のところ販売しているのが球場内外3か所しかないのが玉に瑕なのだが、ハマスタのように売り子も出動させて欲しいところである。

 

 

 毎度お馴染みの球場徘徊を済ませたところで、球場内へ。席種の宝庫であるこのKoboパーク宮城。今季一発目の観戦も、まだ見ぬ未踏の席種を選んでみた。それがここ。

 一塁側内野スタンドの一番外野寄りの端に存在している、「内野一塁側ペアシートDX」

 ご覧の通り、2席1組が6組の12席しかないエリアの最前列が確保できたので、今回選んでみたという次第である。

 お値段は1席6500円となかなかギョッとするご立派なものだが、これはイーグルスが今季から採用した「変動価格制」の中、この試合はユニ配布の日曜日で高値設定であったためである(参考:内野B指定6000円)。

 余談だが、もっとずっとバックネット寄りの方に「内野一塁側ペアシート」という極めて似た名の席種があるのだが、こちらは1席7000円で、デラックスでない方が高いという不思議な現象が起きているのである。

 

 

 こちらがそのペアシート。

 高い背もたれも座面もクッション張りで、なかなか座り心地が良い。

 

 2席1組の中央には、ちょっとしたテーブルが備え付けられている。

 弁当をふたつ広げるにはやや手狭だが、ちょっとした「野球観戦手帳」の書き付けなどには十分便利で、カップホルダーもあるので風の強い日なども安心である。

 

 

 居住環境に関してはなかなかよろしいのだが、コストパフォーマンスとコンセプトいう観点から見るといささか疑問なこのエリア。

 先程「内野スタンドの一番端」といったが、どのくらい端かと言うと…

 こちらが「内野一塁側ペアシートDX」エリアを背後から見た視点

 目の前にライトポールが屹立しているところからお分かりのように、位置的にはほとんど外野なのである。

 

 ご覧の通りダイヤモンドが遠く視点も決して高くはないので見やすいわけではなく、かと言って食べたり飲んだりを楽しみながらのんびり観戦しようにも、飛んでくるとしたら割とえげつないボール(しかもホームランではなくファウル)が飛び込んでくる位置であり、なかなか気も抜けない。

 「ライトが推しの選手!」という方にはいいかもしれないが、正直に言ってどのような観戦スタイルの観客を想定しているのかが分からない席種であったここ。「変動価格制」の中の最安値2200円であれば十分ありかとは思うが、正直「また選ぼう」という気にはならなかった。

 席種のアイデアを次々に繰り出してくるイーグルスには、もっと違った面白い提案を期待したいと思う。

 

 

 と、何やら文句めいた席種の紹介となってしまったが、そこから見届けた素晴らしかった黒鷲の戦いっぷりに関しては、また次回に。

 

 

 5シーズン目の今季も、あちこちの球場の様々な席種に突入を続けたいと目論んでいる当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。