母と月と内なる構造 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

人間の脳はどんな環境にも適応できるように、まるでパソコンの初期状態のようなまっさらなまま誕生します。それゆえに育った環境・文化・風習・言語などによってOSともいうべき構造が自在に構築されるわけですね。

 

先日、妊娠期の状態がどのようにチャートに記されるのかというものを書いてみたのですが、その過程における妊娠後期、すなわち出産直前の2カ月~出産までの状態が12ハウスに示されます。

 

ここに冥王星が位置している人の中に、出産が危険かもしれない、緊急で帝王切開することになった、なかなか産まれてこないので麻酔が使われてリスクがあるとお医者さんに言われたという経験があったことを母親から聴いた方が何人もいました。

 

これは実際の程度というよりは、母親の心境ですね。どーんと構えている人は大丈夫と感じるでしょうし、些細なことでも緊張する人はするでしょう。

 

土星であれば緊迫した状態にあり、本当にやっていけるかどうか、ナーバスになっていたのかもしれないし、火星であれば多大なストレスや怒りを抱えていたのかもしれないですね。

 

もちろん、そこに本当はどんな体験があったのかは、実際のところ、母親に聴いてみないとわからないので、聴くことができる人は尋ねてみて、そこから状況や心境がどんな風に描かれているのかをチャートで読んでみるといいかもしれません。

 

というのも、胎児も8カ月を過ぎると、ほぼ臓器も完成形に近づきつつあり、心臓が整い、自律呼吸の準備が始まります。そしてこの頃から早くも、構造の構築が始まるのですね。この時期の母親の体験は子どもの無意識の領域…12ハウスに刻まれます。

 

どこか漠然とした、理由の思い当たらない不安や恐怖や抑圧された怒りといったものがあるとしたら、それは当時の母親の体験から写し出されたものかもしれません。奥深いところで漂い、浮かび上がってくるそれは、自分では出所がわからない、体験がないところからやってくるものです。

 

もうひとつ出所がわからないと­いう意味では、月も該当するでしょう。月は自身が育成された環境を表しますが、人生初期の0~3歳頃の母親がどのような状況にあって、どんな心境で子育てしていたのかという視点から考えてみることができます。特に出生直後から最初の半年ぐらいは重要で、ヒントとなるのは月のサイン・ハウス・アスペクトです。
 

前回、例として出したうちの息子のチャートでは、月は山羊座で6ハウスにあり、10ハウスの双子座金星とトライン、11ハウスの双子座木星と150度を作っています。

 

 

山羊座という社会性のサインが労働の6ハウスにあって、毎日勤勉に仕事している雰囲気ですが、本当にその通り、私は産休をほぼとっておらず(笑)、出産の前日まで仕事していて、出産の翌週からアパートに戻って仕事していました。

 

このあたり10-11ハウスの双子座の星との連携にも描かれているように、当時の仕事は占いコンテンツ制作で、ほぼ毎日ライティング。熱を入れていたのが「マーリの恋愛☆占い」「マーリのヴィーナス★フォーチュン」というiMODEやインターネット占いで、タイトルに金星が入っているあたりが、金星との連携かと思われます(笑)

 

双子座の木星とのアスペクトに描かれているように、ものすごく多忙で、複数のコンテンツを抱えていて、ほぼ毎日更新。台湾でも私の名を冠した占いサイトをオープンしてくれるというので、産後3か月で出張に出かけて、搾乳した母乳を冷蔵庫に保管して留守のあいだに飲ませてもらうような0歳期でした。彼の月の時期は産休なしのほぼハードワークです(笑)

 

この人生初期の母の状態が月に記憶されて構造の一部となり、それをたびたび無意識の内に自身で再現してしまうわけですね。好むと好まざると、月はパターンとなってしまうのです。

 

 

息子の中高生時代の周りの友人からのイメージは「何でも屋」で、とにかくあらゆる委員を引き受けて運動会や旅行、プロジェクトを同時並行でどんどんやる人。今は大学生ですがゼミのような先生の企画や校外でのイベント、個人的な遊びの企画、毎晩のメタバース活動と、とにかくいつ連絡しても「忙しいからあとで」なのですが、これはまさに私のひな型なんだろうなと思います…(笑)

 

ちなみに私も月の山羊座であり、火星-天王星とTスクエア……ということで、幼少期から母親がジッと家にいるところを見たことがなくて、いつも忙しく、時間と仕事に追われていたので、このひな型は継承されたものでもありますね。

 

こういう視点から自身の月を読むのはとても興味深く、いろいろな発見があるかと思います。ぜひ、お試しください。