『2年生存率０％を生き抜いて』
28歳で腎臓の希少がんに罹患。
22年前の発病当時、
一番の希望は生の体験談でした
発病からの生還記録を綴っています。
少しでも生きる力となりますように。
抗がん剤治療の副作用で髪が抜け落ち、
まだ生えてきていないとき。
当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。
1999年10月14日、28歳の時に、
左腎摘出手術。
2クールの化学療法を経て、
12月24日退院。経過観察に入る。
詳しい診断名は、
腎臓の未分化原始神経外胚葉性腫瘍、
現在はユーイング肉腫ファミリー腫瘍。
当時、２年後生存率0%。
養生しながら
国内外を放浪。
2002年12月、
宮崎へ移住し、
2005年1月、
がん患者を応援するマガジン
『Messenger』創刊。
1999年の治療時に
描いていた夢。
「ホノルルマラソンを完走し、
ゴールに婚約者が待っていて、
次の日、結婚式を挙げる」
夢を描いていた様子はこちらのブログ↓
スイッチ入る
2005年、
結婚相手はいなかったものの、
ついにホノルルマラソンにエントリー。
6月、ジョギングを始めるものの、
たった１キロでダウン。
あまりの体力低下に、
ジョギングが継続される
ことはありませんでした。
その様子は前回↓↓↓
2005年９月、
ホノルルマラソンに
誘ってくれたNさんが体調を崩します。
激しい腹痛で
食事が喉を通らなくなり、
2週間以上ほとんど食べていないという。
体重はかなり落ちている様子。
お見舞いにいくと、
ベッドに体を横たえて、
かなり衰弱したNさんがいました。
スキルス性胃がんが進行しているようです。
とても不謹慎ながら、
これでホノルルマラソンは
キャンセルできると思いました。
「ホノルルマラソン、
今年は行きませんよね？
無理しないほうがいいと思います。
もう３か月しかありませんし、
体を第一にしましょう」
するとNさんは、
寝たままの姿勢でそれを一蹴。
「何言ってんの！
行くに決まってるでしょ！
まだ3か月もあるのよ！」
（なんという人だ！）
Nさんの信じられない言葉に、
ぼくは目を覚ましました。
この人はちゃんと
ゴールを見据えている。
頭の中で、
未来の元気になった自分を
ありありとイメージしているんだ。
これこそ、
乳がん、
スキルス性胃がんを
生き抜いてきた彼女が、
今ここにいる理由なのだと思いました。
ぼくは誓いました。
「Nさんのためにも走ろう！
Nさんをホノルルに連れていこう」
もう、
できない理由ばかりを並べて、
言い訳をするのはやめよう。
ホノルルに行かなくても
何も変わりはしません。
それなりに
楽しい日々が待っているでしょう。
そして多分、
この慢性的な倦怠感や
疲れやすさも変わらないでしょう。
でも、もしホノルルに行ったら･･･
ゴールの先に、
より元気になっている
自分がいるかもしれない。
ぼくも、
未来の元気な自分を、
心に強く描いてみました。
走るぞ！
ホノルルマラソンへの道のりの歌
がんサバイバーホノルルマラソン参加はこちら！
つづく。
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