『2年生存率0%を生き抜いて』

 

28歳で希少がんに罹患。

22年前の発病当時、

一番の希望は生の体験談でした。

 

発病からの生還記録を綴っています。

少しでも生きる力となりますように。

 

前回はこちら

 

 

 

 

 
 

当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。

 

 

 

 手術は無事に成功

 

 

1999年10月14日、手術は無事に成功。

左腎臓全摘、リンパ節郭清手術でした。

 



手術で麻酔が効いたまま逝けたら・・・


見守る両親を前に、
そう一瞬でも考えてしまった自分を恥じました。


しかし、

「痛い~!!」



ナースコールのボタンを

ゲーム機のように連打し、
麻酔の注射を懇願する。

これも生きている証かぁ…。

 

 

 

  病床で描き続けた夢

 

 


手術中、看護実習生は、
ぼくが託したお守りを握りしめながら、
ずっと泣いていたといいます。


「そんなじゃだめじゃん」

「かわいそうではなくて、
がんばっている杉浦さんに感動したんです」



いつものように

マックでハンバーガーを買い、
実習生と院内の公園に行ったとき、


彼女がぼくの運命を変える

質問をしてくれました。



「杉浦さんの

 夢って何ですか?」



ゆ、ゆめ?????

今、「夢」って言った??



こんな状況で 

どうやって夢なんて持てばいいんだ・・・

 

 


「冗談じゃない!」

 

と、言おうとして止まりました。


いや、

 

待てよ。


がん患者は 

夢を持ってはいけないと誰が決めた?


自分に未来がないと誰が決めた?

 


あれ、

まぎれもなく、

 

自分じゃないか!?



自分で自分の限界を決めてしまうなんて、
あまりにもかわいそうじゃないか?

 



そうか、

夢を見ていいのかもしれない。



未来は誰も見ていないんだよ。

これから作っていけばいいじゃないか。

 


ぼくは恐る恐る

心の奥の扉を開けてみました。



「治ったら何がしたい?」



自分自身に問いかけてみました。


数秒の自問自答の後、
ふと口から出てきた言葉。


「もう一回

ホノルルマラソンに出たいなー!」

 



自分で「未来はない。無理だ」

決めつけていたら、
きっと出てこなかった言葉でしょう。



22歳のときに走ったホノルルマラソン。

 

 

そのイメージが思い浮べると、
何だかワクワクしてきました。


以来、

ぼくはホノルルマラソンの夢を、

毎日、毎日、描き続けました。

 

 

 

就寝前のルーティーンです。


夢をただ思い浮かべるのではありません。


ありありと 

病室の天井に描いたのです。


今でこそ、

“予祝”とか、

“引き寄せの法則”とか、

“思考は現実化する”

 

という言葉をいろんな本で目にしますが、



このときのぼくは

誰に教えられるわけでもなく、
この“未来の現実”を 

リアルに妄想していました。

そして、成りきりました。

 


スタート地点でもはや涙が止まらない。

「よくここまで来た! 

よくがんばってここまで来たんだね!!」

 


花火とともに 

スタートの号砲が鳴らされます。

 




街を抜けると、 

夜が明け始め、

ワイキキビーチが見えきます。

 


ダイアモンドヘッドを登り、

下るところでは朝陽が昇ってきます。



 



ありがとう! 

ありがとう!

 

ぼくはこうして生きている!
 


このあたりでは支えてくれる両親、
家族、友人の顔が浮かんできて、



現実にはベッドの上で大号泣



ハイウェイに入ると、
沿道の応援が勢いを増し、
たくさんのサポーターたちと

ハイタッチをしながら、
笑顔で走り抜けます。



見ず知らずの人々からの

温かい応援に、また涙、涙・・・。

 


おっと、

ここで美女が目の前に現れます。


何?何?足が痛いんですか?

じゃあ、肩につかまって!

一緒に走りましょうか~!



長い長いハイウェイを走り切り、
最後のダイアモンドヘッドの登りは
さすがに苦しかったけど、


一歩一歩足を進め、ついにゴール!


「よっしゃー! 

 ついに夢が叶った!」



ベッドの上で本当に

雄叫びを上げていました。



 




こんな夢ばかり描いていると、
そのときは

自分が病気であることも忘れて、
もう心が弾んでしまって、
なかなか眠りにつけなませんでした。



でも、

もっともっとハッピーな夢がいい!



そうだ、結婚しよう!



結婚できないって 

誰が決めたんだ!? 



がんだからって

諦める必要はないでしょ!


いつの日からかぼくは、
ゴールに結婚相手待っている

というストーリーを描き始めました。


ホノルルマラソンのゴールに
結婚するパートナーが待っていて、
ゴールで思いっきり、抱き合って喜ぶ。




そして、次の日は、

ホノルルの教会で 

結婚式を挙げるとう夢。
 



牧師さん、新婦の役も自分がやりました。



「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも・・・その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか~?」



「誓います(泣)」

「誓います(号泣)」


そして、

結婚式での新郎挨拶の原稿を
病院のベッドの上で書き、
それを読んではまた号泣していました。

 


 

    

「○年前のあの日々から、
この日が来ることを信じて
歩いてきました。
 

生きることを諦めなくて

本当によかったです。 
 

妻と幸せな人生を築いていきます。

 

ぼくをここまで支えてくれた

両親、家族、親戚、たくさんの仲間たち、

本当にありがとうございました!

 




看護実習生の問いかけのおかげで、
夢を描くことを自分に

許可することができました。



治すために生きるのではなく、

生きるために治そう。

夢を叶えるために治そう。

 

大きなスイッチが入りました。

 

 

 

つづく

 

 

 

ルンルンルンルンルンルン

 

 

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