『2年生存率0%を生き抜いて』

 

28歳で腎臓の希少がんに罹患。

22年前の発病当時、

一番の希望は生の体験談でしたキラキラ

 

発病からの生還記録を綴っています。

少しでも生きる力となりますように。

 

現在の写真です


前回はこちら

 

 

 

 

 

 

 

【お前は馬車道のようだな・・・】

 

  

 

2000年1月10日、
退院から約2週間後、
抗がん剤治療の副作用が残る中、


病院以外でできることを探す目的で、
福島県の歯科医を訪ねるため、
杖を持ち、一人新幹線に乗り込みました。



新幹線の座席で、
「本当は休みたかったんだ」と気づき、
涙があふれました。



23歳で就職して以来、
ぼくは、わき目も振らずに勉強し、
人のため、会社のためにと、
あらゆることを犠牲にして必死にがんばってきました。


家族、友だち、恋愛・・・は二の次。
決して会社に強制されたわけではありません。

自分が選んだ生き方でしたし、
そうすることで周りが幸せになると思っていました。


上司にはこう言われていました。

「お前は馬車馬のようだなあ」


認められ、評価されているようで嬉しかった・・・。



風邪を引いて熱が40度近くになっても、
仕事を休むことはありません。



一日でも休んでしまったら、
会社の中の競争に負けてしまう、
自分だけ取り残されてしまうと思っていたのです。


そして、毎日滋養強壮ドリンクを飲み、
どんな体がだるくても、それはみんな同じだと、
体にムチ打って会社に行く。



体からのサインはことごとく無視し続けました。



苦しみ抜いた末に幸せがある。

今を犠牲にしてこそ、
輝かしい未来がある。


こんな思いを持ちながら、
努力しないと奈落の底に落ちるという

“危機感”に追い立てられ、
自分の信じたレールの上を疾走していました。


 
そして見事に・・・レールから落ちたのです。


「ああ、やっと休める」


新幹線の座席に体を横たえ、
ぼくは深い“安堵”に包まれていました。

 




さらに思考を進めます。


病気になる前の28年間、
ぼくはずっと自分から逃げ続けていました。

「このままじゃいけない」
「本当の自分を生きていない」


という思いがときおり

湧き上がってくるのですが、

 


すぐに蓋をし、

自分と向き合うことから逃げ続けました。



体がどんなに辛くても、
心にどんな違和感がやってきても、
「この道しかないんだ」と自分に言い聞かせ、

 


本当の自分からの声に耳を塞ぎ、
目の前の道を逃げるように走り続けました。


しかし、

逃げ切れるはずはなく、

つかまりました。

 


いや、

つかまりたくて

がんになったのかもしれません。


最後は心身が極限に疲労し、辛すぎて、


「病気して入院でもしないと休めない。
このサイクルから抜け出せないな」



とも思っていました。



そしてそれが本当に現実となります。


がんは本当の自分からの命懸けの最後通告、
レッドカードだったのだと思います。



「もっと体を大事にしろ!

  もっと自分をと向き合え!」

 


苦しみながら、

生きるために、

ぼくは生まれ変わろうとしていました。

 

つづく

 

 

抗がん剤治療の副作用で髪が抜け落ち、

まだ生えてきていないとき。

 

当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。

 

 

続きはこちら

 

 

 

 

生還記録・最初はこちら

今の視点からの考察

 

精神科医エリック・バーン氏の交流分析によると、

生きづらさの要因として、5つの拮抗禁止令(ドライバー)というものがあります。

「完璧であれ」

「強くあれ」

「努力せよ」

「喜ばせよ」

「急げ」


これらが過剰に強いと、
生きづらさを抱えることになります。

自分は「いい子でいようとした」「親の期待に応えようと頑張った」と書きました。

「喜ばせよ」

これが強すぎて、
うまく喜ばせられない自己を否定し、

体を酷使することに繋がったと思います。

拮抗禁止令について分析したブログ

 

 

 


 

 

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