『2年生存率0%を生き抜いて』

 

28歳で腎臓の希少がんに罹患。

22年前の発病当時、

一番の希望は生の体験談でしたキラキラ

 

発病からの生還記録を綴っています。

少しでも生きる力となりますように。

 

こちらは現在の写真

 

前回はこちら

 

 

 

 

 

【退院は嬉しかったけど・・・】

 

  

 

 

入院中、
過酷な治療をチャレンジと捉え、
そんな中でも
楽しむことを見出してきました。  



退院後もチャレンジは続きます。



退院して以来、
このままでいいのか…
という不安にときおり襲われました。


入院中は手術、 

抗がん剤治療を経ていく中、

がんを治すために

着実に前進している実感があったからです。



しかし退院して家に帰ると、

何もすることがなく、

何をどうしていいかわからず、

 

ただ医師に処方された

経口抗がん剤を飲み、  

知人に紹介された健康食品

大量に摂取するだけでした。

 

 


家でただボーッとしていても、

心が落ち着くことはありません。

 

 


このままでいいのか・・・

 

 

がんを治すために

何かすべきことがあるのでは? 

 

定期的な検査を受けているだけで 

本当にいいのだろうか?

 


抗がん剤の攻撃をかわし、

しぶとく生き抜いたがん細胞が

体のどこかに隠れているかもしれない。

 

 

今この瞬間にも、 

抗がん剤により

一度はダメージを負ったがん細胞が、  

再び増殖を始めたかもしれない。

 


このままではまずい。

 

 

このまま再発を待つのは嫌だ!

早く手を打たないと!

 

 

ぼくはインターネットで情報を集め始めました。

 

 

がん」「克服」「代替療法」   

 

などの言葉をひたすら打ち込み、 

ネットサーフィンを繰り返しました。

 

(当時、こんなPCでした)

 


あふれる情報の中、

目に留まったのが、

福島県の歯科医のS先生。

 

 

自らの医院で、 

がん患者の相談に乗り、 

西洋医学以外の療法、 

代替療法や漢方などを紹介されていました。

 

 


今行くしかない! 

今動くしかない! 

 

 

元気は待っていてもやってこない。    

 

 

そうだ、会いにいこう!

 

 


両親に話すと、

当然、反対されました。

 

 

「何も今じゃなくてもいいんじゃない?

 元気なってからでも遅くないでしょ?」 

 


「『元気になってから』って、

そんな元気になる保証なんてないもん。

『いつか』行こうと思っていたら、

その『いつか』は永遠にやってこないかもしれないよ」

 

 

「今しかないんだ。『行ける』から、今行くんだ。治す方法を見つけて、必ず、元気になるから。お願いだから行かせて!」

 


弱々しく揺れる小さな命の炎。

 

風が吹けば間単に消えてしまいそうな、風前の灯

 

 

しかし、

生きることへの情熱が、

未来への希望が、

その命の炎を

メラメラと燃え上がらせていました。

 

 


2000年1月10日、

退院から約2週間後、

ぼくは動きました。

 

 

例のごとく

母親の化粧道具で眉毛とびんを描き、

今度はナイキのニット帽をかぶりました。

ふらふらするので杖を使って歩きます。

 


三河安城駅の新幹線の改札口。

 

 

心配そうな表情を浮かべ、

どこか力なく手を振る両親に、

 

「もう大丈夫だから!」

 

と精一杯の力を込めて伝えました。



手術と2度の抗がん剤治療で、

ぼくの体力はすっかり落ち、

体重は10kg減、

毛という毛はほとんど抜け落ちていました。

 

 

重い荷物を背負い、

杖をついて歩きます。

 

 

大きく肩で息をしながら、

苦しくなると、

座り込んで休憩。

 

 

貧血でめまいを起こしているのか、

ただ足腰が弱りきっているのか、

杖を使って歩いても揺れる、つまずく。

 

 

老人はこんな感覚なんだろうなと思いました。

 


エスカレーターの前に来ると、

センサーが反応し、

音を立てて階段が動き出す。

 

 

ま、待ってくれ~~。


エスカレーターに乗るのも一苦労。

 


それでも、心は前を向いていました。

 

 

よろめきながら、

ふらつきながらも、

背筋を伸ばし、

明るい未来へ向けて踏み出したのです。

 


きっと何かをつかんで帰ってきてやる!


見送ってくれた両親のためにも

 

元気になってやるぞー!
 

 

抗がん剤治療の副作用で髪が抜け落ち、

まだ生えてきていないとき。

 

当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。

 

つづく

 

『桜』

散りゆく花びらではなく、何百年と生き抜いたその生命力を自分に重ねたい。(杉浦貴之)

 

 

 

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