『2年生存率0%を生き抜いて』
28歳で希少がんに罹患。
22年前の発病当時、
一番の希望は生の体験談でした
発病からの生還記録を綴っています。
少しでも生きる力となりますように。
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・・・・・抗がん剤は甘くはなかったです。
逆境をチャレンジと捉え、
抗がん剤治療も、
「絶対に吐かない!」
「吐きそうになっても飲み込んでやる!」
と決意したものの、
あっけなく、4日目に吐いてしまいました。
落ち込んではいられません。
次のチャレンジが決まりました。
「絶対に脱毛しない!」
根拠なんて全くありませんでしたが、
ぼくは自分を信じてあげようと思いました。
想いとイメージの力は大きいはずだと。
毎日唱えました。
「毛根よ、がんばれ! オレの毛根は普通じゃない! だから負けるなよ! どんなことがあっても、頭にしがみついていてくれ!」
しかし、そんなに抗がん剤は甘くはなかった・・・。
抗がん剤治療開始から3週間後のある日、
シャワー室で頭を洗っていると、
髪の毛がザクッと束になって抜け落ちたのです。
またもや敗北感に覆われました。
シャワー室に座り込み、
排水口に吸い込まれていく髪の毛を眺めながら、
しばらくショックで立ち上がることができませんでした。
また、負けたのか~。
これからどうなっていくんだろう・・・。
あれ?
排水口をよく見ると、
縮れた毛が混じっているではありませんか。
そうか、陰毛くん、お前もか。
毛という毛はすべて抜けていくんだな・・・。
しばらくシャワールームでうなだれていました。
ふとそのとき視線の先にあったのは、
毛が抜けてハゲワシのような我が息子くん。
ちょっと話しかけてみたくなりました。
「気持ち悪くて吐いたし、毛根もやられているようだけど、お前は元気か?」
「父ちゃん、何弱気になってんだよ。まだ負けを認めるには早すぎるよ。ぼくはまだまだピンピン、ビンビンだよ」
「ぼくはまだやられてはいないよ!」
「おっ、そうか、そうか~。お前が元気なら、オレも元気出していくしかないな。元気もらったよ! ありがとう!」
息子に励まされるとは・・・。
最初の抗がん剤投与から1か月後、
2クール目の治療が開始されました。
1回目の治療で、
体重も減り、
身体も弱っていたため、
その辛さは1回目の比ではありません。
見舞いに来てくれた両親にも口を開けないほどでした。
しかし、
それでもぼくは次のチャレンジを探しました。
抗がん剤治療の副作用で髪が抜け落ち、
まだ生えてきていないとき。
当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。
つづく
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