港北昔ばなし紙芝居の会「たまてばこ」お城EXPOにて全国デビュー | 図書館利用促進プロジェクト横浜・鎌倉版

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近年、著しく変貌を遂げています。
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それが「図書館利用促進プロジェクト」の狙いです。

2016年12月23日~25日、パシフィコ横浜会議センターにて「お城EXPO2016」が初開催され、横浜市のブースでは港北昔ばなし紙芝居の上演などが行われました。

 

クリスマスムードいっぱいのみなとみらいで、「城の美学に触れる3日間」とのキャッチコピーどおり、全国のお城にまつわるさまざまな展示や販売、ワークショップが行われ、3日間で1万9千人ものお城ファンが集結した一大イベントとなりました。

  

 

横浜市ブース「横浜の中世城郭」では、港北区の小机城、篠原城、都筑区の茅ヶ崎城の各資料の展示が、会場内では城郭復元マイスター二宮博志氏(港北区日吉、㈱パートナー産業代表)のワークショップ、お城ジオラマ復元堂によって初めて復元された小机城ジオラマの初公開等がありました。

お手製の本格的な甲冑姿で案内役に立つ港北区役所の梯弘人(かけはしひろと)さん。写真撮影に引っ張りだこでした。

 

 

 

本邦初公開の小机城復元ジオラマ展示ブースは終日賑わっていました。

 

 

横浜市ブース内では、港北昔ばなし紙芝居の会「たまてばこ」が、各日2回紙芝居の上演を行いました。

  藤岡トミ子さんの拍子木の音に集まってきた子どもたち。じっとマイクなしの熱演に聞き入っていました。

 

港北昔ばなし紙芝居の活動は、2015年秋に「マイクロライブラリー・アワード」を受賞、また今年11月に開催された「図書館総合展2016」においては「横浜港北の昔ばなし紙芝居で地域の元気づくり・地域文化の継承」の取り組みとして港北図書館、港北区役所、大倉精神文化研究所が地方創生レファレンス大賞審査会特別賞を受賞し、現在、全国的に注目を集めています。

(活動、受賞の詳細については→http://ameblo.jp/library-use2/entry-12217863784.html

 

小机城にまつわる歴史と今の港北区の姿を融合させたオリジナル紙芝居を上演する藤岡慶さん。絵はご主人作、3年で3作品完成し上演。「小机城と日産スタジアム」は続編も構想中とのこと。

 

2016年1月に港北図書館での戦国の城ジオラマ企画展、合わせて城郭復元マイスター二宮博志氏(㈱パートナー産業代表)の講演会を行ったことをきっかけに、初の小机城ジオラマ復元など横浜市港北区はちょっとしたお城ブームが到来中。(1月のジオラマ展示会、講演会の様子については→http://ameblo.jp/library-use2/entry-12184380715.html

 

そんな中、自分の暮らす地域の歴史資料をひもとき、紙芝居を制作し区内各所で上演してきた「たまてばこ」が、お城EXPOという大きなイベントで上演するに至ったということは、この一年の目覚ましい活躍を物語っています。

それと同時に地域住民の活動を図書館や区役所、大倉精神文化研究所、地区センター、そして区内の企業が協力し資料面、上演の練習面等で支えてきたことが、こうした成果、いわば全国デビューへとつながったともいえるのではないでしょうか。

 

雰囲気のあるコスチュームで上演する紙芝居作家の和田郁美さん。子どもたちにわかりやすく楽しく麹の魅力を伝えるべく工夫したという演出が光ります。港北区の紙芝居サークル「紙芝居クリニック」で練習も。

 

 

会場では城めぐり観光情報ブースや名城の写真展示のほか、お城のジオラマ模型展、現存十二天守模型展などが展示され、ファンにとっては一日中、いえ三日いても飽きない内容となっていました。

  

左:日本100名城写真展  右:港北区小机城と篠原城の展示

 

 

最後に・・・

展示会場入り口そばに熊本城復興支援コーナーが大きく設けられていました。再現された熊本城の模型や被災の様子などが展示され、途切れることなく見入っている人がいました。

熊本市経済観光局観光交流部の方によると、今回の展示は主催者側からの声掛けだったとか。「本当にありがたいことです」とのこと。天守閣は3年での復興を目指しているという熊本城。これからもその修復を見守り応援していきたいものです。

 

 

お城には城下町があり、人々の暮らしの跡があります。

歴史とは人々の営みの記憶…。

港北昔ばなし紙芝居の会「たまてばこ」の活動もまちの歴史があってこそ。

そしてこの活動もまた歴史を作っているのかもしれません。

今年初めて開催されたお城EXPO。全国のお城の魅力のみならず、身近なまちの取り組みの華々しい活躍にも触れることのできた感慨深いイベントとなりました。

来年の開催も大いに期待したいですね。

 

取材_安木由美子