今回はACATが働く代謝を扱います

 

①メバロン酸経路

その1ではすでに存在するコレステロールの代謝を書きました。下図はコレステロールが出来るまでの代謝です。コレステロール生合成に関わる代謝をメバロン酸経路といいいます。定義は正確じゃないかもしれませんがまあいいです。

アセチルCoAが最後コレステロールに代謝されます。その工程で最初のアセチルCoA→アセトアセチルCoAの過程でACATが働きます

 

②β酸化

「脂肪を燃やしてダイエット!」のベータ酸化。脂肪酸からエネルギーを得る代謝です。アセチルCoAとFADH2/NADH2が生成されます

脂肪酸にCoA(補酵素A)が結合しアシルCoAとなります。CoAが付くとエネルギーが高い状態となり次の反応へ進むことが出来ます。

 

アセチルCoAが出来る過程でチオラーゼが働きます。ACATはチオラーゼの1種です。

 

その2でも触れていますが、ACATの働きが落ちるとアセチルCoAとエネルギーが低下します。それらの代謝を紹介しました。今回は以上です

 

次回へ続く

今回もACATです。以前の記事読み直しましたが何も覚えておらず勉強し直しです。実生活で活用していかないと学んだことはどんどん忘れます。ACATはメチレーションへの影響が広範囲に及ぶため、まとめるのも大変ですね

 

ACATは腸の問題とも関連します。ACAT以外では以下の酵素も関連します

・AHCY

・SHMT

この辺、また勉強したら記事にしたいと思います

 

図はコレストロール低下による影響です。当時緑の本などで習った関係図はもっとややこしいのですがそこから抜粋です

①コレステロールを材料とする胆汁酸ですが、コレステロールの低下にともなって低下します。

 

②胆汁酸が減ると腸のpHが下がります。これの意味ですが、「胆汁酸」を含む「胆汁」は、アルカリ性です。胃から出てきた胃酸はそのままだとマズイので胆汁で中和しています。胆汁が減れば中和が足りなくなるので酸性に傾くことになると思います。結果、腸のpHが下がります。この辺は習ってないですが私なりの理解です

 

③腸pHが下がると酸性を好む悪性菌が増えます

 

④腸内環境の悪化で、腸内細菌が作るビタミンKが減ります

 

⑤ビタミンK低下によりグルタミン酸からGABAへ変換する酵素GADが低下します

 

⑥胆汁酸はそのままでは海面活性作用により体を傷つける可能性があり、通常タウリンやグリシンと結合(抱合)していますが、胆汁酸が減った結果、タウリンが余ることになり上昇します

 

尿アミノ酸検査でタウリンが高い場合はCBSの問題の可能性もありますが、結合する胆汁酸欠乏を表している可能性もあります

 

ビタミンKについては過去に記事にしていますが、すっかり忘れたのでもう一度書きます

・体内に貯蔵できない

・胎盤を通過しない

・カルシウム代謝、血液凝固、血糖調節に関与

・グルタミン酸を抑制し骨/歯に正しくカルシウムを運搬する

・VK2は組織内でのカルシウム蓄積防止

・胆汁不足で吸収低下

・膵臓に最も多い

・グルタミン酸をGABAへ変換する酵素の共同因子

・不足により神経炎症に繋がる

 

まとめると胆汁の減少がビタミンK欠乏やグルタミン酸蓄積を招く可能性があります

 

次回に続く

かなり間が空いてしまいましたが前回からのACAT続きです

 

前記事と内容重複しますがCBSとの関連を見ていきます

①CBS+の場合、タウリンが増えてグルタチオンが減る

②ACAT+の場合、コレステロールや胆汁が減る

③胆汁が減るとタウリンが増える

④ACAT+の場合、MATが落ちる

⑤MATの働きが落ちると、メチオニンが増えてSAMeが減る

⑥メチレーションが低下

 

①の内容はCBSの記事で取り扱ってます

 

③はコレステロール不足により胆汁が減る。胆汁は通常はタウリンと結合してい胆嚢に貯蔵されているが、胆汁減ることによりタウリンが余る。結果、タウリンが上昇する、という意味

 

⑤はMATの働き低下でメチオニン回路が滞りメチオニン↑、SAMe↓になります

 

尿アミノ酸検査でタウリンが高い場合、この図から分かるようにCBSの問題だけでなくACATの問題の可能性があります。

MATのサポートとしてはcholacol(胆汁サプリ)、グルタチオン、CoQ10があります

 

次回へ続く

久しぶりの更新です。なかなかブログに手が付けられないですね。前回に続きACATを引き続きやっていきます

 

ACATの問題は以下のようなものがあります

 

・MAT低下

メチオニンがSAMeへ代謝する際に使われる酵素。イラスト図の右上の方にあるのがそれです

MAT酵素活性が低下するとメチオニンが増える/メチレーション低下に繋がります。尿アミノ酸検査でメチオニン、タウリン、アンモニアが高いとACATへのサポートが優先する可能性があります

 

 

・エネルギー低下

アセチルCoA産生が落ちてクエン酸回路が滞ります。脂肪酸のβ酸化やたんぱく質代謝にも影響します。またクエン酸回路の働きが落ちると体内のシュウ酸が上昇します。この辺の機序は今後取り上げたいですね

 

・コレステロール/胆汁酸低下

コレステロールが減ると胆汁酸が減ります。それにより腸内pHが下がり悪性菌が上昇します。胆汁酸低下はタウリン上昇、それに伴うグルタチオン低下、体温低下、GABA低下に繋がります

 

ボリューム少ないですが今回は以上です

 

次回に続く