ご訪問くださいまして、有り難うございます。

 

過去、3回にわたって、

キャリア教育本のベストセラー、

「なぜ僕らは働くのか」 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

(監修・池上彰さん)

を紹介しています。

 

小学校高学年から高校生がメインターゲットですが、

大人にも多く読まれている本です。

 

今回は4回目になりますが、

「大人も知らない未来の“働く”」

の章を中心に紹介します。

 

 

「時代も変わると仕事も変わる」

ということで、

小学生の「なりたい職業」も、変化しています。

 

よくいわれるのが、

「ユーチューバー」ですよね。

(2018年日本FP協会ランキング小学生男子6位)

 

また、最近では、

「AIに仕事が奪われる職業、奪われない職業」

がよく話題になったりします。

 

本にも紹介されていますが、

野村総研(2015年)によると、

将来、自動化の可能性が高いとされた職業は、

 

・電車運転士

・経理事務員

・検針員

・一般事務員

・包装作業員

・路線バス運転者

・積卸作業員

・梱包工

・レジ係

・製本作業員

 

すでに、セルフレジは普及しはじめていますね。

 

要は、AIやロボットでもできる仕事は、

なくなっていくということでしょうか。

 

逆に、

自動化の可能性が低いとされた職業は、

 

・精神科医

・国際協力専門家

・作業療法士

・言語聴覚士

・産業カウンセラー

・外科医

・はり師、きゅう師

・特別支援学校教員

・メイクアップアーティスト

・小児科医

 

お読みになっている皆さまは、

けっこう、これらの職業の方、

もしくは近い職業の方が、

多いのではないでしょうかヽ(^o^)丿

 

要は、人間にしかできない、

 

・コミュニケーション力

・共感力

・創造性

・感性

・答えのない問いに向かう力

 

が必要とされる職業ですね。

 

ちなみに、

(産業)カウンセラーも入っています(^^)

 

私の師匠である、野口嘉則先生も、

「これからの時代は、もっとカウンセリングが必要とされる!」

とおっしゃっています(^^;

 

抵抗なく、もっと気軽に、

カウンセリングが受けられる世の中になっていくといいですね。

 

 

世の中は急激に変化しています。

 

多くの企業が、

「SDGs」(エスディージーズ)

すなわち、持続可能な開発目標

に本気で取り組み始めています。

(最近、SDGsの丸い大きなバッチを付けている人が

増えてきていますよね)

 

「SDGs」とは、

世界193か国が合意した、

「2030年までに、世の中をより良く変えていこう」

という行動指針で、

「誰一人取り残さない」

という理念を掲げています。

 

「自分の会社だけよければいい」

という考えでは、

少なくとも長期的には、

繁栄することはできない時代になってきました。

 

今の子どもたちは、

学校でSDGsを学んでから、社会に出るようになります。

 

今は、新型コロナの影響で、

世の中は「不安」が蔓延していますが、

長期的にみれば、今は過渡期だと思います。

 

私は、将来、今の子どもたちにとって、

すばらしい未来が待っているような予感がします(^^)

 

 

この本には、

「人生100年時代の生き抜き方」

も紹介されています。

 

人生を豊かにするための1つの方法は、

自分が所属するコミュニティー(集団・場所)

を複数持つことです。

 

(中略)

 

人生100年時代では、

働くようになってからも、

新しいことにチャレンジしたり、

新しいことを学び続けたりする姿勢が大切です。

そうわかっていても、

行動に移すのは難しいもの。

人間はたとえ良い変化であろうと、

変化を起こすことに抵抗があります。

日々忙しい中で新しいことをやるのは面倒くさく、

いまのままで過ごしたほうがラクだと感じてしまうからです。

 

しかし、

一歩踏み出してみると、

そこには新しい世界、新しい仲間がいて、

あなたの人生がもっと楽しくなるかもしれません。

一歩踏み出す、

少しでもいいから一日一日に変化を起こしてみる。

これから先、

長く続く人生では、

ぜひそれを意識していってほしいと思います。

そうすれば、

あなたの人生はきっと充実したものになるはずです。

今、引用文を書いていて、

まさに、このブログを書いていること自体が、

それだ!

と思いました。

 

読んでくださる皆さまに、感謝です!

 

また、

私が、皆さまのブログを拝見して、

世界を広げることができることにも、

感謝です!

 

今回もお読みくださいまして、

有り難うございました。

 

次回に続きます(^^;

 

ご訪問くださいまして、有り難うございます。

 

前回、前々回から、

今、旬のベストセラー、

「なぜ僕らは働くのか」 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

(監修・池上彰さん)

を紹介しています。

 

今回は、

「幸せに働くってどういうこと?」

の章を中心に紹介します。

 

まず、このような問いかけから始まります。

「お金があれば幸せ?」

 

人は、お金がたくさんあれば、

それに応じて幸せの度合いが高くなるわけではないようです。

「人々の幸福感と所得について」

という内閣府の調査(2014年)によると、

年収が400万円の人と800万円の人の幸福感には

ほとんど差がないという結果が出ました。

 

たしかに、

日々の暮らしに困るほど収入が少ない場合は、

幸福を感じにくいと思います。

 

収入が多ければ、心に余裕が持てますし、

できることの選択肢も増えますので、

お金はあるに越したことはないと思います。

 

しかし、それがそのまま、

幸福度には比例しないのですね。

 

宝くじが当たって大金持ちになった人が、

実際、不幸になることも多いといいます。

 

う~ん、考えさせられますね。

 

 

「レンガ積み職人」の話が紹介されています。

(この寓話、私、好きです)

 

建築現場で

レンガ積みの仕事をしている人が3人います。

右から一人ずつ

「何をしているのですか」

と聞いてみると、

最初の人は

「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだよ」

といいました。

次の人は、

「レンガを積んでお金を稼いでいるんだ」

と答えました。

そして最後の人は

「レンガを積んで多くの人が喜んでくれる教会を造っているんだ」

と話してくれました。

仕事の幸福感とは、

「目的を意識していること」

「貢献感を感じていること」

なのかもしれませんね。

 

仕事を通じて、成長するためには、

多少のガマン(忍耐力)が必要ですが、

この本のいいところは、

「良いガマン」と「悪いガマン」があるよ。

と教えているところです。

 

その仕事の面白さや、やりがいを経験するために、

最低限しなければならないガマンは

「良いガマン」です。

~中略~

しかし、する必要のない

「悪いガマン」もあります。

長年働いても自分にとってやりがいを見つけられない場合や、

自分の考えや価値観と合わない人が

まわりに多くいて、つらい場合などは、

無理にそこに居続ける必要はありません。

また、労働時間が長かったり

労働環境が悪かったりして、

心身がつらい場合には、

すぐにそこから逃げることを選びましょう。

真面目な人ほど

「悪いガマン」をして体調を崩してしまう傾向があります。

同意します。

「良いガマン」と「悪いガマン」

を見極めることはとても大切だと思います!

 

ニーバーの祈りのような、

「~識別する知恵」です。

 

考えてみると、

「いじめ」もそうですよね。

 

この本を読む子どもたちには、

この知恵をずっと覚えていてほしいです。

 

 

「仕事がうまくいく人の行動の特徴」

も紹介されています。

人生というのは偶然の連続によって変化します。

何年も先を想像したキャリアプランを

その通りに実現できる人はあまりいません。

たしかに、これが現実ですよね(^^;

 

もちろん、夢や目標は大事ですが、

あまりガチガチにキャリアプランを組んでしまうと、

その通りにならない時、苦しくなります。

 

スタンフォード大学教授の、

ジョン・D・クランボルツの

「計画された偶発性理論」が紹介されています。

 

仕事がうまくいく人は、

「いい偶然を自分の力でつかめる」

ということです。

 

そのために大事な行動の要素が、

5つあるといいます。

1、好奇心

2、持続性

3、柔軟性

4、楽観性

5、冒険心

 

なるほど~。

 

ある程度、自己受容ができていて、

オープンマインドだと、

いい偶然をゲットできそうですね(^^)

 

 

有名な、

スティーブ・ジョブズのスピーチも紹介されています。

 

私は毎朝、

鏡に映る自分に問いかけるようにしています。

「もし今日が最期の日だとしても、

きょうやろうとしていることをするだろうか」と。

「違う」という答えが何日も続くなら、

ちょっと生き方を見直せということです。」

う~ん、考えされられますね。

 

私はまだ、

「もし今日が最期の日」

だという覚悟は、なかなかできませんが・・・

 

このブログを、今、書いていて、

改めて、自分自身を見つめなおすきっかけになっています。

 

お読みになって、

皆さまはいかがでしょうか。

 

この本、

メインは、小学校高学年から高校生向けということですが、

ホント本質を突いています。

大人に売れているのも、うなずけますね。

 

今回もお読みくださって、

有り難うございました。

 

次回に続きます。

 

ご訪問くださいまして、有り難うございます。

 

前回から、今、とても売れている本、

「なぜ僕らは働くのか」 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

(監修・池上彰さん)

を紹介しています。

 

この本のメインターゲットは、

小学校高学年から高校生向けですが、

多くの大人にも読まれています。

 

今回は、

「好きを仕事に?仕事を好きに?」

という章を中心に紹介します。

 

将来、自分はどのような仕事をしたいのか。

若いうちから考えておくことは重要です。

やりたい仕事を見つけるために、

まず、自分が何を好きかを考えるところから始めましょう。

「好き」から仕事を見つけることは、王道ですね。

ただ、この本では、

「好き」を活かせる仕事は一つだけではないといいます。

 

たとえば男子のなりたい職業2位である

サッカー選手は、

「サッカーが好き」

という気持ちが表れていると思いますが、

その気持ちを活かせる職業は

サッカー選手だけではありません。

サッカーのチームでは、

選手だけでなく、

監督やコーチ、

選手の健康を管理するトレーナー、

クラブチームの経営や広報を担当する人など

たくさんの人が働いています。

チーム関係者以外にも、

試合を撮る写真家、

記事を書く取材記者、

スパイクを開発するシューズメーカーの人など、

いろいろな仕事があります。

まんが家しかり、宇宙飛行士しかり・・・

ですね。

この本、バランス感覚がいいです。

 

「得意」なことから仕事を見つけるということも、

紹介されています。

 

自分が得意なことを活かして人の役に立つ、

自分の性格的に向いていることを活かして社会に貢献する、

それが仕事の本質なのです。

自分には得意なことや長所なんて何もない

と思っている人は、

「得意」や「長所」というハードルを

上げ過ぎなのかもしれません。

まずは、

「自分の中で他のことよりも少し上手にできること」

を得意なこと、

「こんなところが自分のいいところなのではないか」

と思うところを長所として、

とらえてみましょう。

自分のことを必要以上に低く評価したり、

人と比べてダメだと思ったりしてはいけません。

いいこといいますね(^^)

 

誰かが自分の長所を教えてくれることも、

あるといいます。

 

人前であなたが何かを発表したときに、

「すごくわかりやすかったよ!」

と友達に言われたとか、

先生から、

「いつも掃除をていねいにしてるね」

とほめられたとか、

高評価を受けた記憶を思い出してみてください。

発表がうまいということは、

実は話すことが上手だったり、

わかりやすく伝えるための話の構成を考えることが

得意だったりするのかもしれません。

掃除をていねいにできるということは、

単にきれい好きというだけでなく、

物事をキッチリとやり通すことができる力が

あるのかもしれません。

「いつもきれいな声だけど、歌を歌うとすごく上手だね」

「声優とかナレーター?ミュージカル俳優?」

 

「いつも弟のことを気遣っていて、面倒見がいいね」

「保育士とか看護の仕事とかが向いている?」

 

「このあいだの国語の作文すごくうまかったね!」

「ものを書く仕事が向いているのかな?」

人との関わり合いの中で見つけてもらった自分の長所は、

これから世の中に出て多くの人と関わるときにも

発揮されるはずです。

 

私事ですが、

小学校高学年の時、

担任の先生が、学級新聞で、

「れっつごうくんは、物知り博士ですね!」

と書いてくれました。

 

たしか、調べ学習のような課題が出て、

ただ、百科事典を丸写しして提出しただけだったのですが・・・

それでも、嬉しかったです(^^)

 

今の仕事(というかこのブログ?)に生かされてますかね(^^;

 

「豚もおだてりゃ木に登る」

は重要だと思います。

子育てでも、部下育成でも。

 

でも、なかなか長所が見つからない場合は?

自分の短所は長所に変えられることもあると、

述べられています。

 

長所を伸ばすことの大切さはよくわかると思いますが、

短所についてはどうでしょうか?

短所は良くないもの、

直すべきものだと思っている人も多いでしょうが、

実は長所と短所は表裏一体の関係です。

たとえば

「落ち着きがない」

という短所のある人は、

「好奇心が旺盛で、

いろんなことに興味を持てる」

という長所があるといえます。

 

親やきょうだい、学校の先生など、

身近な人に叱られるとき、

「あなたは××なところがあるよ」

と短所を指摘されることもあるでしょう。

反省は必要ですが、

短所だって自分を特徴づける性格です。

少し工夫して活用したり、

見方を変えたりすることで、

短所が長所へと変化して、

すぐれた個性になることもあります。

ほんとそうですね。

この本の編集者の愛を感じます(^^)

 

以下、短所が長所になるケースです。

短所→長所

 

わがままで自分勝手→リーダーシップがある

 

人の意見に流されやすい→協調性がある

 

とても神経質→よく気が付く

 

あきらめが悪い→忍耐力がある

 

おせっかい→気が利く

 

リフレーミングですね。

 

多くの子どもたちが、

(大人たちもですね)

自分自身を、このような視点で見るようになってほしいなあ、

と思います。

 

次回に続きます。

今回もお読みくださいまして、

有り難うございました。

 

ご訪問くださいまして、有り難うございます。

 

ここのところ、

ロングセラーの名著をご紹介してきましたが、

今回は、

今、話題の「旬」の本を紹介します!

 

「なぜ僕らは働くのか」 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

(監修・池上彰さん)

です。

 

お子さんや、後輩から、

「なぜ働かなくてはいけないの?」

と問われたら、答えられますか?

(難しいですよね・・・)

 

この本のメインターゲットは、

小学校高学年から高校生向けですが、

けっこう大人も読んでいるようです。

 

なんと発売3か月で、

早くも20万部を突破しています!

 

コロナ禍で、

自分の将来を見つめ直す人も、

増えているのかもしれません。

 

本の内容は、

直球のタイトルの通りで、

「なぜ働くのか」

をいろいろな角度から解説しているのですが、

マンガのストーリ仕立てで、

感情移入しやすいですし、

図解も多く、とても分かりやすい構成です。

 

オビに、

「この本は一生に何度でも読み返す大切な一冊になる」

 

とありますが、あながち誇張ではないと思います。

それくらい、すばらしい一冊です!

 

主人公は中学2年生の男の子。

進学校に進むが、不登校になり、

2学期から母親の実家である広島に引っ越しました。

 

そこで、主人公のおばである、

本のデザイナーから、

ある本のゲラを、順次、渡されます。

 

それを主人公と一緒に読みながら、

「なぜ働くのか」を考えていくというストーリーです。

 

まず、

「仕事ってなんだ?」

という問いかけから始まります。

 

その答えのひとつは、

「仕事は誰かの役に立つこと」

です。

 

「私たちは誰かの仕事に助けられて生きている」

私たちが生活をするとき、

そこには必ず人と人とのつながり合い、

助け合いがあるということです。

 

たとえば、

自分が住んでいる家について。

家を自分の力で建てたという人は少ないのではないでしょうか?

「自分の力で建てた」というのは、

自分で材料を手に入れ、

自分でそれらを組み立てて工事をし、

家を造ったということです。

また、普段の食事についても考えてみましょう。

家で料理をする人はいるかもしれませんが、

食材をすべて自分で育てて

収穫をしているという人は少ないでしょう。

何かやりたいことや困ったことがあったときに、

自分ではできないこと、

労力や時間を割けないことを、

他の人がする“仕事”に助けてもらう。

こうした、仕事による助け合いのネットワークの中で、

私たちは生きているのです。

たしかに、

普段当たり前になっていて、

なかなか感じませんが、

私たちは、誰かの仕事に助けられて生きているんですね。

 

いろいろな仕事の共通点はなんだろう

という視点で世の中を見てみると、

「どんな仕事も誰かの役に立っている」

「誰かにとって必要なもの・ことが、社会の中で仕事として存在している」

ということがわかります。

私たちは一人で生きていくことができない、

だから生きていくうえで必要な手助けが

“仕事”として存在している、

そう考えると世の中ってシンプルだと思いませんか?

 

なぜ僕らは働くのか、

その答えの一つは、

助け合いでつくられるこの社会の一員になるためです。

社会の中で助けられるだけでなく、

自分も自分ができることをして誰かの役に立つ、

社会に貢献する、

それが私たち一人ひとりのすべきことなのです。

「自分なんて誰の役にも立てないのでは・・・」

などと、不安に思う必要はありません。

しっかりと自分の将来を考えて生きていれば、

必要とされる場所は誰だって必ず見つけられます。

無駄な仕事はないんですね。

励まされます(^^)

 

と、こんな感じで、

本質的な内容が、とてもわかりやすく解説されています。

 

次回に続きます。

今回もお読みくださいまして、

有り難うございました。

 

ご訪問くださいまして、有り難うございます。

 

前回から、カウンセリング関係の本、

傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術

を紹介しています。

 

前回、お題(ケース事例)を出しておいて、

応答例を書かないまま、力尽きてしまいました(^^;

 

前回のお題とは、

 

***************************************

 

「ここで何を話せばいいですか」

と尋ねる男性会社員(42歳)のケース

 

――無表情で、固くこわばった感じで話し出す。

 

「あのー・・・私、

人見知りするタイプなんです・・・

あまり・・・自分のことは話さないんですよね・・・

で、ここでは何を話せばいいんでしょうか」

 

 

さて、あなたならどう応答しますか、

実際に書いてみましょう。

 

***************************************

 

でした。

皆さま、考えてみましたか?

 

まず、この男性会社員を、どう見立てるか、

どのように、気持ちを理解するかですね。

 

古宮先生の解説です。

この人は過去に、

自分の気持ちや思いを素直に表現したとき、

それを尊重されたり分かってもらえたりするどころか、

逆に批判されたり無視されたような経験があって、

とても傷ついたのでしょう。

そして彼は、

まだそのこころの痛みを

癒して手放すことはできていません。

さらに、その時期は、

「幼少期」だと推測できるといいます。

というのは、

たとえば会社でA部長という厳しい上司に叱られたとすれば、

そのA部長に対しては気楽に心を開くことができないでしょう。

しかし、

もし彼の人間不信の原因となっているこころの痛みの経験が、

A部長との間で成人期に起きたものだったら、

警戒するする相手は

A部長だけに限定されたものになるはずです。

それならば、

穏やかに優しい様子で座っている聴き手のあなたを

警戒するあまり話ができない、

ということはないでしょう。

なるほど、たしかにそうですね~。

 

次にあげる四つの要素がより多くあるほど、

こころの痛みはより深く激しいものになり、

のちの人間関係に広く深い影響を及ぼすそうです。

 

(1)両親など、子どもにとって特に大切な人との間で起きた。

(2)より幼いころに起きた。

(3)より激しい不安や恐怖を引き起こすものであった。

(4)何度も繰り返し起きた

 

彼はまた、その経験からくる寂しさと空虚感のせいで、

人にわかってもらえること、

受け入れてもらえることを、とても激しく求めています。

それゆえ、人から拒否されることが怖ろしくてたまらないでしょう。

ですから、聴き手であるあなたに対しても、

あなたを怖く思う気持ちと、

あなたの愛情と関心を求める気持ちの両方があります。

 

しかし、

彼はその気持ちをありありと感じるのは辛すぎるので、

それらの気持ちは抑圧され、

あまり感情は感じられていないようです。

そして、彼は「何を話せばいいか分からない」

とだけ感じているようです。

以上が、見立てです。

(瞬時にここまで見立てるのは、

かなりの熟練と経験が必要です・・・

が、だからこそ、私たちは学ぶ必要があるんですね)

 

これを踏まえて、応答例です。

あなたの応答は、どれに近かったでしょうか。

 

 

********************************************

(その1)

「ご自身のことを人にお話しされることがあまりないので、

いま何を話せばよいか、

戸惑っておられるんですね」

********************************************

共感的な理解をしながら、

このような言葉をおだやかに伝えれば、

話し手は

「この人はほかの人たちとは少し違うのかな」

と感じることにつながりやすいと思います。

たしかに、そうですね。

 

さらに、(その1)に加えて、

次のように、

優しく促してあげるといいようです。

 

********************************************

(その2)

「もしよろしければ、

どういうことでお越しになられたかを教えていただけますか」

(その3)

「よろしければお話されようと思うことを何でもお話しいただければ、

と思います」

********************************************

 

 

次からは、

あまりよろしくない例です。

********************************************

(その4)

「今あなたが一番気になっていることをお聞かせください」

********************************************

 

彼のおびえ・不安を共感できていない発言ですね。

(その3)との違いは、

彼が何を話すべきかを指示するものです。

これは「何を話してもいいし、話さなくてもいい」

という無条件の尊重とは反対の在り方です。

なるほど、たしかに同じような内容でも、

「指示」と「尊重」では全然違いますね。

 

 

********************************************

(その5)

「人見知りですか。私も人見知りなんです」

********************************************

これ、けっこう言ってしまうと思います(^^;

日常会話ではありがちですね。

 

緊張をほぐそうとする意図かもしれませんが、

それは、相手を「変えよう」とすることなんですね。

 

緊張をほぐすのではなく、それを尊重することで、

話し手は本当の意味で安心し、リラックスできるといいます。

 

 

********************************************

(その6-①)

「私が期待していることを話さないといけない、

というお気持ちでしょうか」

(その6-②)

「下手に話すと私から良く思われないんじゃないか、

と不安なお気持ちでしょうか」

********************************************

これは、

初対面ではふさわしくないようです。

この応答ができるのは、

回数を重ねて信頼関係ができた段階に限られます。

 

 

********************************************

(その7-①)

「ご自身のことを人にあまり話さないとおっしゃいましたが、

自分のことを話すのは大切ですよ。

ときには自分から話さないと、わかってもらえないじゃないですか」

(その7-②)

「ここは悩み事をお話しいただき、

私はそれを聞かせてもらう場所ですから、

お話をしていただかないと・・・」

********************************************

ある意味、正論ですが、

話し手は、心をいっそう閉ざしますね。

 

彼を、理解して受け入れるのではなく、

変えようとしていますので。

 

 

********************************************

(その8)

「それでは今日はお越しになりにくかったでしょう?

よく来てくださいました。ありがとうございます」

********************************************

相手をねぎらっているし、

一見、共感的に見えますが、

少し度が過ぎているようです。

話し手には、

「聴き手である私の期待通りの行動をしてください」

という、押しつけがましいメッセージに聞こえかねません。

ほめ言葉や過度のねぎらいを言うのは、

「良い聴き手だと思われたい」

とか

「話し手と仲良しになりたい」

といった、聴き手の欲求からくることが多いと思います。

う~ん、たしかにそうかもしれません・・・、

難しいですね・・・

 

********************************************

(その9)

「今日はこちらまでどのようにして来られました?

電車は混んでいませんでした?

暑かったでしょう?

最近は暑い日が続いて大変ですね」

********************************************

これも、一見、

相手を気遣っていて、悪くないと思えますが、

古宮先生いわく、

話し手に次のようなメッセージが伝わりかねず、

対話による援助を妨げるからです。

 

「私(聴き手)はあなたに話をすることを求めます。

会話の内容はどうでもいいです。

とにかく話をしてください」

 

「もしあなたが深刻な悩みごとを話したら、

私にはそれを受け止める度量がありません。

だから深刻にならずにすむよう、

表面的なおしゃべりですませましょう」

 

(以下、割愛)

なるほど、いわれてみればたしかに・・・

 

 

以上、

8つの応答例を紹介しました。

(細かい解説はだいぶ端折りましたが・・・)

 

「傾聴」ってほんと深いですね。

 

適切なのは、(その1)で、

加えて、(その2)(その3)で優しく促すのがいいということですね。

 

皆さまの応答例は、どれに近かったでしょうか。

 

この本には、他にも、

 

・不登校で苦しむ女子中学生

・引きこもりの息子をもつ母親

・離婚したいという主婦

・人生で何をしたいか分からないという女子学生

・会社への不満を語るOL

・リストラされ自宅も失い、自殺したいという元会社員の男性

・就職の面接が不安だと訴えるニート(無職)の青年

・息子が担任からいじめられて不登校になったと憤る母親

 

のケースと、いくつかの応答例が、

今回と同じように、具体的に紹介されています。

 

カウンセラー、コーチ、セラピストの方はもちろんのこと、

それらを目指す方や、援助職の方、

部下のいる会社員や、子育て中の方にも、

とても有益だと思います。

 

内容は本格的ですが、

文章は読みやすく、ページ数も少なめなので、

忙しい方にもおすすめします。

 

傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術

 

今回もお読みくださって、

有り難うございました。