Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 ! -24ページ目

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

■“シティポップと呼ばれて”シティポップの祈祷師とシティポップの貴公子からの回答

 

 

「シティポップ」(CITY POP)は、もはやブームというより、完全に定着したと言っていいだろう。なかには“これも「シティポップ」!?” という、勘違いやこじつけもあるが、コンピレーションやリイシューなどに関わる方の精力的な活動に頭が下がるばかり。新たな世代にもその魅力が伝わってきている。“再評価”や“新たな評価”などというと、失礼に当たるかもしれないが、某アーティストは“40年前に言ってよ~”と、嬉しそうに冗談めかして言っている。いずれにしろ、“再”や“新”にしろ、その実力や魅力が正しく評価されるのは嬉しい限り。自分は間違ってなかった――と、ひとりごちる方も多いのではないだろうか(笑)。

 

 

 

“シティポップブーム”の中、「シティポップと呼ばれて」という名を冠したコンサートがあった。杉真理のコンサートに安部恭弘がゲストとして出演しているのだ。二人とも、このところ、シティポップ絡みで注目されるアーティストでもある。杉はそのタイトルを“「不良少女と呼ばれて」みたいでいいでしょう”と言う。”含羞”や“屈折”、“諧謔”などを込めたらしい。全面的に肯定や同意、受容をしているわけではないようだ。腹に一物持つという感じかもしれない。

 

 

杉と安部、言うまでもなく大学は慶応と早稲田というライバル同士だが、学生時代からの盟友。安部は杉真理がデビューした時に急遽結成された“プロジェクト”である杉真理&レッド・ストライプス(MARI&RED STRIPES)のメンバーでもあった。そんな二人の共演、そして「シティポップと呼ばれて」という挑発的(!?)なタイトル、行かないわけにはいかないだろう。同コンサートはこの8月4日(金)、東京「SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」で行われている。

 

開催から随分、時間が経ってしまって、いまさらになるが、改めて書いておくべきだろう。楽しみにしていたという方もいるはず。実は同コンサートについては、私自身、2度の全国行脚(“俺のSASURAI TOUR 2023”!?)の影響で、コンサート直後に簡単に呟いただけだった。遅まきながら同コンサートを含め、他にも書いておきたいコンサートがあるので、時間遅れかもしれないが、手遅れではないので、書いておく。お待たせしました。お待たせし過ぎたかもしれません(苦笑)。

 

 

 

この日のコンサート、本2023年1月25日(水) に同じく東京「SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」で、なかの綾、野田幹子、鈴木雄大をゲストに招き、行われた杉真理のライブ「Masamichi Sugi LIVE 2023 Winter~Mr.Melodyのメロディー祭!」を彷彿させるものがあった。昨2022年11月23日に杉真理デビュー45周年記念企画として、「ウイスキーが、お好きでしょ 」( SAYURI<石川さゆり>)や「雨のリゾート」(松田聖子)、「あいつのブラウンシューズ 」(松原みき)、「素直になりたい 」(ハイ・ファイ・セット)、「Love Again」(須藤薫)、「ホールド・オン 」(竹内まりや)……など、提供曲116曲を集めた6枚組CD BOX『Mr. Melody~杉真理提供曲集~』をフィチャーしたライブである。あの満漢全席のような豪華さと賑やかな楽しさは忘れがたい。杉真理音楽生活45周年の記念番組を見ているようだった。今回はそんなバラエティ豊かな“番組”に夏の風物詩を加え、ちょっと辛口に味付けしたという感じだろうか。

 

 

杉(Vo、G)を始め、藤田哲也 (bB) 、橋本哲 (G)、小泉信彦 (Kb)、清水淳 (Dr) 、丹菊正和 (Perc)、宮崎隆睦 (sax.)というお馴染みのメンバー。そしてゲストに安部恭弘(Vo、G)というラインナップである。

 

オープニングのSEは、この日のために一人多重録音したクリフ・リチャードの「サマーホリデー」。同曲から素敵な夏休みが始まる。メンバーが登場し、『Symphony #10』(1985年)の「アニーよ目をさませ!」、そして大学の後輩が経営する会社の社歌(車歌!?)「We were born to run」、真夏のアルバム『Have a hot day!』(1987年)の「Melting World」、『MISTONE』(1984年)の「Davy’sDevil」、『FLOWERS』(1983年)の「パピヨン」など、初期のアニバーサリーな名曲を畳みかける。

 

このコロナ禍で生まれた新曲「Human Distance」から「Frankeyにお願い」(須藤薫)、「パラソルと約束」(SAYAKA)など、6枚組CDボックス『Mr. Melody~杉 真理提供曲集~』に収録された提供曲、そして新曲「大人の恋」まで、怒涛の如く、名曲を惜しげもなく披露していく圧巻の音楽絵巻だ。

 

同曲を終えると、15分間の休憩に入る。会場は既にオーバーヒート気味だが、そんな前のめりの気持ちをやんわりと静めるインターバルになる。

 

二部は村田和人とのアロハブラザーズの「PAKALOLOは愛の言葉」、『Have a hot day!』から「恋のかけひき」が披露される。同曲の歌詞にはクリフ・リチャードの名前が歌いこまれている。オープニングSEはここに繋がるようだ。こんな仕掛けも杉真理らしい。

 

そして、この日のゲスト、安部恭弘が登場。“安部くんは分数コードなど、複雑な進行で譜面も設計図のようで緻密。福岡出身の僕と違って、東京出身でしょう。その洗練され、お洒落な作風は「シティポップの貴公子」に相応しい”と、紹介する。杉は”安部くんが貴公子なら僕は「シティポップの祈祷師」だよ”と、自己紹介する。杉らしいものいいだが、貴公子ではなく、祈祷師にするところに杉らしい“屈折”や“諧謔”がある。

 

2003年にリリースされた安部の『CRONICLE』 のAORな魅力が光る「何万光年も離れた☆からのMESSAGE」を披露。同曲に続いて、2014年11月発売の杉真理&フレンズ名義のアルバム『THIS IS POP』に収録された杉と安部の共作曲「音楽の女神」を披露する。二人の出会いを歌ったナンバーだ。その歌詞の中には“都会育ちの君こそMr.City pop”という言葉もある。杉の国民的ヒット曲「ウイスキーが、お好きでしょ」を歌い、杉と安部が共作した新曲を二人で歌う。タイトルそのものは、ずばり「シティポップ」だ。

 

同曲については杉真理が自らのブログで綴っている。少し長くなるが、引用する。改行、句点、句読点などもこちらで調整している。ご了解いただきたい。

 

 

 

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どうせやるならチャレンジを、という事で去年暮れからお正月にかけて新曲を企てていました。イメージは、フランク・シナトラとディーン・マーティンがビッグ・バンドをバックにタキシードでスイングするような曲調。昔はそんなのジジくさくて嫌だったけど、今なら居直ってやれちゃうのです。

 

タイトルは、すばり『シティポップ』、笑。

「世に言うシティポップ、どうやら僕ら、そう呼ばれてる、、、今聴き返せば新鮮と、どうも皆んなが言い始めた世に言うシティポップ、最初は誰も、まるで見向きさえしなかった。そんな音楽」みたいに始まり、バブリーな時代と背伸びしてた自分達を 振り返る、、、みたいな内容。

 

最後はあのバブリーな時代は、何もかもが嘘くさい、だけど何故か忘れがたい、実はとても大好きさ~って歌い上げちゃう、っていう。

 

例によってウチでお正月にGaregebandを使ってオケを作り安部君とやり取りして、(安部君の歌、改めてカッコいいと思いました)出来上がってみれば最高にゴキゲンな曲が誕生しました。

 

 

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http://masamichi-sugi.txt-nifty.com/sugiblog/2023/01/post-44fa1e.html

 

 

同曲は本2023年1月14日(土)に東京「SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」で杉真理がゲストとして出演した「安部恭弘 スペシャル・エレクトリック・ライブ! "GENTLE NOTE Vol.44 at PLEASURE PLEASURE" LOVE & SMILE, BIRTHDAY LIVE 2023」で初披露されている。

 

 

「シティポップの祈祷師」(杉真理)と「シティポップの貴公子」(安部恭弘)という当事者(祈祷師も貴公子も杉の“自称”である)からの回答か。杉と安部の共作曲「シティポップ」はアンビバレンツな感情を内包しつつ、その本音をラスベガスのフランク・シナトラやディーン・マーティンの如く朗々と歌い上げる名曲。現在進行形の“シティポップ”がそこにはあった。

 

安部がステージを去り、“杉真理劇場”が始まる。大谷翔平への応援歌「It’s Show Time」、『OVERLAP』(1982年)の「ラストナイト」、「小説家と結ばれる方法」(『HAVE A HOT DAY!』)、「夏休みの宿題」(『WORLD OF LOVE』1992年)など、杉流ポップスを披露する。同曲を終えると、杉達がステージから去る。そしてアンコールを求める拍手と歓声が会場を満たす。

 

再び、出て来て「クラブ・ロビーナ」(須藤薫&杉真理『POP 'ROUND THE WORLD』2007年)、「シャローナに片思い」(『魔法の領域』2008年)というリゾートなラブソングを畳みかける。

 

1回目のアンコールが終わると、ステージから消え、すぐに戻り、2回目のアンコールが始まる。「素敵なサマー・デイズ」(『STARGAZER』1983年)、「さよならCity Lights」(『OVERLAP』)と、杉真理の“CLASSICS”とでもいうべき“名曲”の大判振る舞い。

 

アンコールを終えると、その日は<おまけ>があった。安部恭弘が再登場して、杉と安部で「シティポップ」を再び歌ったのだ。観客には嬉しいプレゼントだろう。いつもより多くやっています状態。同曲の曲想そのものはシティポップというより、ポップス。ポピュラーミュージックの王道を歩む二人には相応しいのではないだろうか。フランク・シナトラもディーン・マーティンも、この歳だからできること、背伸びすることなく、普通に大人の歌を歌うことができるのだ。

 

実は、1974年にリリースされ、20年後の1994年にリイシューされたシュガー・ベイブの『ソングス』。山下達郎、大貫妙子、村松邦男、伊藤銀次などが在籍した日本のロック史に残るバンドの伝説的なデビューアルバムである。その1994年盤のライナーノートに「シュガー・ベイブ『ソングス』CD発売にあたって。」という大瀧詠一の解説がある。その中で“山下達郎は「クリスマス・イブ」の作者として日本の歌謡史に残る人です。山田耕筰・滝廉太郎・中山晋平・古賀政男・服部良一・中村八大・筒美京平、という流れの後に続きます。”と書いている。

 

そんな視点で、杉真理の音楽を聞いてみると、また、違った地平も見えてくる。杉真理流のシティポップはシティポップを超えていく。その親しみやすいキャラクターゆえ、“大音楽家”や“大先生”という感じはないが、その曲や歌詞、歌は実に堂々たるもの、偉大なる音楽家としての実力と魅力を改めて再評価すべきだろう。まだまだ、彼がやるべきことはある。これからも新曲をもっともっと楽しみに待つことができそうだ。

 

 

 

杉真理 Masamichi Sugi LIVE 2023 「シティポップと呼ばれて」

<ゲスト>安部恭弘

2023年8月4日(金)渋谷PLEASURE PLEASURE

 

 

M-00 ~Opning SE~

M-01 アニーよ目をさませ!

M-02 We were born to run

       ~MC~

M-03 Melting World

M-04 Davy’s Devill

       ~MC~

M-05 パピヨン

       ~メンバー紹介~

M-06 Human Distance

       ~MC~

M-07 Frankyお願い

M-08 パラソルと約束

       ~MC~

M-09 大人の恋は(新曲)

 

      ~休憩~

 

<二部>

M-10 PAKALOLOは愛の言葉

M-11 恋のかけひき

       ~MC~

M-12 何万光年も離れた☆からのMESSGE(安部)

M-13 音楽の女神(安部)

M-14 ウィスキーが、お好きでしょ(安部)

M-15 シティポップ(安部)

       ~MC~

M-16 It’s Show Time

M-17 ラストナイト

M-18 小説家と結ばれる方法

M-19 夏休みの宿題

 

   <アンコール>

EN-01 クラブ・ロビーナ

EN-02 シャローナに片思い

   <アンコール2>

EN-01 素敵なサマー・デイズ

EN-02 さよならCity Lights

     <おまけ>

シティポップ(安部)

 

 

 

■鈴木マツヲが描くモダンロックの新世界

 

杉真理の同志である松尾清憲が彼の同志である鈴木慶一とユニットを組んだ。名付けて“鈴木マツヲ”。当然、“松尾スズキ”ではない。しかし、そのネーミングのセンスがいかにも彼ららしい。コロナ禍を挟み、随分前からリハーサルやレコーディングが極秘裏に行われ、噂は漏れ聞いていたものの、ようやく、その全貌を現した。

 

先々月、8月20日(日)に「ビルボードライブ東京」で、鈴木慶一と松尾清憲による期待のユニット、鈴木マツヲの“デビューライブ”(1stステージを見たので、正真正銘のデビューライブ!)を体験する。6月21日にリリースされたデビューアルバム『ONE HIT WONDER』の新たな名曲からレフトバンクやコーギス、ホットレッグスなど、“一発屋”(!?)の名曲、初めての二人の共同作業、CINEMAの名曲まで、70分間に屈折と諧謔を含む、ニッチでポップな世界を見せてくれた。この感覚は久しくなかったものかもしれない。モダンロックの新たな夜明け、鈴木と松尾の新世界だろう。

 

この日、2 ndステージ後に命名されたという「鈴木マツヲ & ニュー・ネアンデルタールズ8」、直前にメンバーの体調不良で、変更などもあったが、そんなアクシデントをものともせず、それがまるでレギュラーバンドの如く、安定しつつもワチャワチャした演奏を聞かせてくれた。鈴木がMCで、昨今の“コンプライス”を気にしながらメンバー紹介するところが、2023年らしい。流石、モダンロックの世界も変わりつつあるようだ。

 

本当は前日、19日(土)も「ビルボードライブ東京」での白井良明監督総指揮による「かしぶち哲郎没後10年。『リラのホテル』リリース40周年記念『リラのホテル』トリビュートライブ」も行きたかったが、所用のため、行けず、残念だった。両日の公演とも再演を希望する。もっと、見たいと言う方はたくさんいるはず。

 

 

鈴木マツヲ(鈴木慶一+松尾清憲)『ONE HIT WONDER』発売記念ライブ

鈴木マツヲ & ニュー・ネアンデルタールズ8

鈴木慶一 Vo

松尾清憲 Vo

ゴンドウトモヒコ Horns & Sequence

高橋結子 Dr

AYAKA  B

畠中文子 Kb

マスダミズキ G

上野洋子 Cho

 

 

 

 

https://twitter.com/kmatsuo30th/status/1694246445451506044

 

 

 

 

■BOXと竹内まりやの「TOKYO WOMAN」がドラマ主題歌になる

 

 

松尾清憲と杉真理といえばBOXだろう。「TOKYO WOMAN」は2012年にリリースしたアルバム『マイティ・ローズ』の収録曲。実は同曲を竹内まりやはBOXとともにカバーしている。同曲は未発表曲になってしまったが、同曲をモチーフに佐津川愛美とりょうがダブル主演のオリジナルドラマがフジテレビで放送され、同放送に合わせ、竹内まりやとBOXがカバーした同曲がついにドラマの主題歌として陽の目をみることになった。放送自体は4夜連続スペシャルドラマ『Tokyo Woman』(2023年11月6日(月)〜 9日(木)24時25分〜24時55分 放送    ※関東ローカル)になる。深夜だが、同曲が同ドラマにどう絡むか、楽しみなところだ。

 

そのBOXが明日、10月18日(水)に東京「SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」でライブ「BOX BOX LIVE 2023・ライブを止めるな!」を行う。久しぶり&貴重なライブになる。既にチケットはソールドアウトだが、明日、当日券が若干、出るそうだ。これは行かなければならないライブだろう。少し早いクリスマスプレゼントか!?

 

https://twitter.com/mt_rainier_hall/status/1713771396747399593

 

 

 

 

10/18(水)

BOX 杉 真理 / 松尾清憲 / 小室和之 / 田上正和

BOX LIVE 2023 〜ライブを止めるな!〜

会場        SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

OPEN    18:15 START     19:00

 

17:45~2階席立見予定

¥9,000(ドリンク代別)

6階会場チケットBOXにて若干枚数販売致します!

※入場時1DRINK代¥600必要

 

 

BOX[杉 真理(Vo,G) / 松尾清憲(Vo、G)/小室和之(Vo,B) / 田上正和(G)]

サポート:島村英二(Dr) / 小泉信彦(Kb)

既にX(旧ツイッター)やFBでは簡単に紹介しているが、もっと多くの方に知ってもらいたく、配信は明日、10月14日(土)までになってしまったが、改めてアメブロにも掲載する。

 

 

人生は泣き、笑い、哀しみ、喜び、誕生、死去……いろいろある。先日、9月30日(土)に東京・原宿「クロコダイル」で行われた『パール兄弟・結成40周年 〜ありがとう、ヤッシー〜』に出席した。

 

パール兄弟の40周年を祝いつつ、昨2022年9月27日に永眠したパール兄弟の五男坊・ヤッシーこと矢代恒彦(1960年9月24日生まれ。享年62)を追悼する“ライブ葬”でもある。

 

実は同日は既に予定はあったが、どうして行きたかったので、予定を変更。原宿「クロコダイル」へ行くことにした。矢代恒彦には「ご縁」と「ご恩」があったのだ。随分前になるが、私が関わったミュージシャンのアルバムリリース(元イミテーションのCHEEBOのソロアルバム『パラダイスロスト』プロデュースは今井裕。1985年リリース)に際して、お披露目のコンサートをすることになり、ライブ用のバンドを結成している。同作のレコーディングに参加した窪田晴男(G)と友田真吾(Dr)、本2023年2月27日に永眠(合掌)した有賀啓雄(B)、そして矢代恒彦(Kb)というラインナップだった。転調や変拍子も多い、変則的な楽曲にも完璧な演奏力で対応してもらった。それ以降はパール兄弟やS-KEN & HOT BOMBOMSなどで顔を合わせるものの、その際に当時のことでちゃんとお礼を言ってなかったことを気になっていた。せめて、家族葬は無理でもライブ葬へは駆け付けたいと思っていたのだ。

 

 

会場の原宿「クロコダイル」に着き、中へ入ると、ステージの下手には矢代の写真が飾られ、献花台もあった。入場したものは花を手向け、彼へのメッセージをカードへ書き込み、投函する。

 

ライブはトーキング・ヘッズの「警告 - Warning Sign」から始まった。1978年にリリースされた彼らのセカンドアルバム『モア・ソングス』(More Songs About Buildings and Food)に収録されたナンバーである。意外な選曲に驚くが、トーキング・ヘッズは、この9月に彼らのコンサートを収録した映画『ストップ・メイキング・センス』(Stop Making Sense)の40周年を記念する上映会で、デイヴィッド・バーン、ティナ・ウェイマス、クリス・フランツ、ジェリー・ハリスンが再集結したばかり。まさに絶妙なタイミングである。同時にパール兄弟とトーキング・ヘッズとの近似値を再確認した。絶えず時代に警告を発する――そんなアティテュードが彼ららしい。

 

曲目などはセットリストを参照していただきたいが、オールタイムヒッツの趣きもありつつ、2023年に新たなリメイクをした再新作という手応えもある。

 

 

勿論、メンバーが見た矢代も語られる。松永俊弥がバッキングでツアー中の矢代を名古屋駅で見かけ、声を掛けたら柱の陰に隠れたというエピソードはいかにも彼らしい。窪田晴男と、山下久美子のバッキングをしていた矢代は彼女から“キーボードを弾きながら激しく動いた方が観客も盛り上がる”と言うアドバイスに悩み、動くとちゃんと弾けないと窪田に漏らすところも彼らしいだろう。そして、バカボン鈴木(1956年9月28日生まれ)と窪田晴男(1959年9月18日生まれ)の誕生日を祝い、バースデイケーキのセレモニーもある、さらにサエキけんぞうは“3年計画で渋谷公会堂みたいなところでライブをやりたい”と、その決意を表明した。その第一歩として、プロモーションのため、「TikTok」を始めたという。そんな先取の気風はサエキけんぞうならではだろう。コミケに注目し、自ら出店する。また、ライヴストリーミングスタジオ『DOMMUNE』の出演(サエキが司会した鮎川誠の追悼番組は秀逸。サエキでなければ土屋昌巳の深い洞察を引き出せなかった)や東京「LOFT9 Shibuya」などで開催される「サエキけんぞうのコアトーク」の企画・出演なども時代を見越し、早くからイベントを行っている。また、SNSやFBなどでの細かいフォローも積極的で精力的だ。私は彼こそ、隠れた“メディア王”だと、密かに思っている。人を信用しつつ、人任せにせず、自ら率先して動く――いろんなところに顔を出し、かつ、そこでも尖がる。大人になった“とんがりキッズ”は、常に更新を怠らない。

 

 

休憩を挟み、約3時間、「TRON岬」や「青いキングダム」、「歩きラブ」、「導火線」など、新旧の名曲を披露しながらパール兄弟がここにいることの意味をまざまざと見せつける。なんでもありながらも慎重に音や曲、言葉、モードやスタイルを取捨選択して、この世界の実相を描いて見せる。コンプライスをぶっ壊しながらアナーキーに尖がり続ける。同時にロックの新たな地平を切り拓いてもいく。パール兄弟とは、そんな宿命を持ったバンドではないだろうか。

 

 

なお、手弾きに拘る矢代の音を再現するため、影武者(!?)として演奏したジョリッツの吉田仁郎のキース・エマーソンばりの音も聞きごたえがあった。

 

 

同ライブの模様は配信でアーカイブを2023年10月14日(土) 23:59 まで視聴可能。明日までだが、時間はまだある。じっくり味わってほしい。

 

https://twitcasting.tv/andy0826/shopcart/255732

 

 

 

 

9-30クロコダイルセットリスト

第一部

1,「Warning Sign」 (トーキング・ヘッズカバー)

2,メカニックにいちゃん

3,馬のように 

4,TRON岬

5,歩きラブ 

6,アニマル銀行

7,導火線(新曲)

8,青いキングダム

 

第二部

1,らぶデカ

2,予想したい (以上ヤッシートラックと

3,田舎

4,火の玉ボール

5,ゴム男

6,色以下

7,○。○○○娘

8, 快楽の季節

アンコール1、バカヤロウは愛の言葉

2,僕らはここにいる

 

 

https://twitter.com/kenzosaeki/status/1708408046702240010

 

 

 

https://twitter.com/kenzosaeki/status/1708409691225911686

 

 

 

鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)がリアルで「潮騒のメモリー」を歌う――『あまちゃん』、屈指の名シーンとSNSには出ていた。今朝、再放送された『あまちゃん』を見て、幸せなドラマだと、つくづく思う。能年玲奈が受けた不遇には納得できないが、放送10年を記念して、ドラマの舞台である岩手県久慈でのんさんや宮本信子さんが出演して、大友良英スペシャルビッグバンド「あまちゃん10周年スペシャルコンサート」が開催される。そうあることではないだろう。詳述はしないが、のんも宮本も久慈に関わりを持ち、前日に宮本がロケ地である小袖海岸に行ったことを聞き、驚いた。「潮騒のメモリー」だけでなく、のんとSachiko MでGMTのナンバーも披露されたのも胸熱ではないだろうか。同コンサートの模様は29日(金)までアーカイブ配信で視聴可能。時間があれば見て欲しい。

 

https://eplus.jp/sf/detail/3851210002

 

 

最高!あまちゃんステージ のんさんも熱唱、会場興奮 - 産経ニュース (sankei.com)

 

 

 

“あまちゃん人気”息長く 放映10年 舞台の岩手でファン語る魅力 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 

 

 

ライブ配信や再放送を見て、とても懐かしく感じる。同時に“被災地”に思いを馳せる。実は10年近く前、“リアルあまちゃん”(!?)を体験している。そんな模様をブログにも書いている。2014年4月6日に岩手県宮古駅前で開催された「三陸鉄道北リアス線全線運行再開記念式典」にかの今井裕が出演、地元の高校生とともに「Take A Train(A列車で行こう)」を演奏している。その現場をブログで報告しているのだ。その式典には駅長の大吉(杉本哲太)と副駅長の吉田くん(荒川良々)も本人役(!?)で来ていた。

 

 

岩手へは車で行っているが、宮古から久慈までは“サンテツ”に乗っている。実際、発車の際に「あまちゃん」のテーマソングやゴダイゴの「銀河鉄道999」などが流れたのには心と身体を震わせた。そして沿線の人達が大漁旗を振ってくれたことも驚いた。“リアルあまちゃん体験”をしたのだ。翌日は宮古から気仙沼まで、海沿えの道を車で走った。ブログは長いからお手隙の時にでも読んで欲しいが、あまちゃん放送10周年を地元の方がどれだけ喜んだかは想像に難くない。それにしても私事になるが、今井裕の行動はいつも人を走らせるものがある。そういえばしまなみ海道の契機も今井だった。

 

A列車で行こう――「三陸鉄道北リアス線全線運行再開記念」紀行(Ⅰ)

https://ameblo.jp/letsgosteady/entry-11829959868.html

 

 

 

A列車で行こう――「三陸鉄道北リアス線全線運行再開記念」紀行(Ⅱ)

https://ameblo.jp/letsgosteady/entry-11829994633.html

 

三陸鉄道北リアス線全線運行再開記念式典――今井裕が「Take the A Train」を演奏!

https://ameblo.jp/letsgosteady/entry-11798268018.html

 

 

※今井裕が同式典に出席する経緯を事前告知としてブログに掲載している。