「ワーキング・ガール」(2015)

 

大人のオモチャを売ることになったママを描いた韓国産お色気コメディをU-NEXTで観ました。

 

 

監督はチョン・ボムシク。予告編はコチラ

 

現代の韓国。大学教授のク・ガンソン(キム・テウ)を夫に持つボヒ(チョ・ヨジョン)はおもちゃ会社に勤めるマーケティング担当のヤリ手ウーマン。美人だし、カワイイ一人娘もいて、お手伝いさんもいて、高級マンションに住む勝ち組でもあります。夫婦関係も円満ですが、仕事第一で夜の誘いに全く乗らないのが夫にとっては唯一の悩みの種。ある日、会社のオーナーも同席する新商品プレゼンの場で自宅に取り寄せた試作品をダンボールから取り出してみたところ、大量のアダルトグッズが出てきます。これがオーナーの大ヒンシュクを買って即クビ同じマンションにいる独身女性オ・ナニ(クララ)の荷物と間違えてしまったと気づいた時にはあとの祭り。オ・ナニに八つ当たりすると、そっちこそ商売道具を勝手に持っていきやがってと言い争い。それどころか、夫とセックスレスであることを突っ込まれてタジタジになるボヒ。

 

オーガズムを経験したことがないのではとオ・ナニにズバリと指摘されて、オ・ナニからもらったオナニーグッズを試してみると、初めての絶頂感を味わって感激したボヒは、おもちゃ会社マーケティング担当の手腕を生かして、オ・ナニが運営するアダルトショップ"Casa Amor(愛の家)"に退職金を注ぎ込んで共同出資者になると言い出します。突然の申し出をとりあえず受け入れて、ショボかったアダルトショップを二人で立て直していくボヒとオ・ナニとの性生活いろんな体位挑戦して、感度を高めて新商品開発に生かしていくボヒ。恋人を失った過去から生身の人間とのセックスができなくなっていたオ・ナニも、ボヒに感化されてリアルな恋人ラブラブになって、大人グッズに頼らずになっていきます。お互いに信頼し合うようになって、経営も絶好調モードになっていくものの、病気の娘をほったらかしにして仕事に邁進する姿に怒った夫から別居を言い渡されたボヒ。仕事を選ぶのか、家庭を選ぶのか、選択を迫られてしまって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Woking-geol」。英題は「Casa Amor: Exclusive for Ladies」。3作目まで作られたブラジル映画「De Pernas pro Ar」(2010)のリメイクとのこと。道理でアジア的な淫靡さではなく、ラテン系っぽい大らかで清々しいエロ描写満開。実際に見比べてみたら、主要なエピソードやギャグ、ハッピーエンドになる展開はオリジナルを踏襲していました。出展イベントの舞台装置ウサギの恰好をしたアダルトグッズのシーン(ウサギのおっさんジェットコースターに乗って絶頂を迎える分かりやすい比喩ジョークにしている)はオリジナルの破壊力の方が上だったかな。ただ、女優さんの魅力では本作の方が上。「パラサイト 半地下の家族」(2019)でキレイであることしか印象のなかった妻役のチョ・ヨジョンが子供のオモチャから大人のオモチャに鞍替えして、不感症から一転して性に目覚める人妻をノリノリで演じています。韓国でもアラサーくらいから女優として頭角を現してきた彼女。作り物みたいな美しさですが、天然美人のようです。実は恋に臆病なセクシーレディを演じるクララは、チョ・ヨジュンとは違う魅力があり、ダブル美人コンビネーションを楽しめるのがウリの艶笑喜劇でした。