「フィアー・ザ・ナイト」(2023)

 

女子会が惨劇になるアクションスリラーをWOWOWオンデマンドで観ました。

 

 

監督はニール・ラビュート。予告編はコチラ

 

イラクで戦ってきた退役軍人のテス(マギー・Q)はアルコール依存に悩まされていて、平穏な日常に戻れない生活を送っているので、姉のベス(キャット・フォスター)からはピリピリした性格をいつも注意されてます。ちなみに、美人三姉妹の真ん中で、私の好みは末っ子です。で、その末っ子の妹ローズが結婚することになって、独身最後の夜を親しい女子だけで盛り上がるバチェロレッテ・パーティーをベスが立案。あまり乗り気ではないながらも、カワイイ妹のためにとりあえず参加することになったテス。パーティーの会場は両親が所有している山奥にある別荘。目的地に向かう途中に買い出しに行ったコンビニで絡んできた地元の男たちと言い合いするテス

 

お昼ごろに別荘に着いて気晴らしのいい景色の中でのんびり過ごすベスやローズの友人たち。テスだけは周りの様子チェックして、男たちの集団を見つけて勝手に潜入捜査をしたりしますが、妹ローズ(ハイディ・クアン)が到着してようやく笑顔を見せます。ベスが雇ったシェフを見てまた難癖をつけるテスをたしなめるベス。彼はシェフ兼任のパーティーお楽しみ要員のストリッパーでした。賑やかな宴に馴染めず、外で物思いに耽るテス心配して声を掛けに来たローズ。仲間の輪に入らないテスを怒鳴り付けに来るベス。その瞬間、遠くから矢が飛んできてローズの胸を撃ち抜きます。ビックリして絶叫するベス。これが惨劇の始まりで、別荘に閉じ籠る女たち(とストリッパー)が次々死んでいきます。犯人は何者で、襲撃の目的は何なのか・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Fear the Night」。 "恐怖の夜"といった意味です。金目のモノもないフツーの別荘で女子会をやってるだけなのに、なぜか男たちが襲い掛かってくるサスペンス。拳銃を使わずにクロスボウで命を狙ってくる不気味な設定。犯人が三姉妹の別荘を標的にする理由は後半で明らかになりますが、別荘をほとんど利用してなかった間に起こっていた出来事が絡んでいて、彼女たちには直接関係のない真相でした。三姉妹が知る由もない事情のため、突然恐ろしい状況に巻き込まれた女子たちがパニックを起こします。ただ1人冷静に対処して行動に出るのが我らがマギー・Qで、犯人の男どもも欲望に目が眩んだだけのヘタレ野郎の集まりだったりするので、戦争経験を生かしたプロフェッショナルぶり発揮慌てふためく女子たちの中にも勇気を振り絞って決死の行動に出る者がいるところも見どころの一つ。

 

"ミソジニー"が一つのテーマになっていて、テスは男を見ると誰にでも突っかかってケンカを売らんばかり。女子の中にはレズビアンもいます。悪役の男たちは絵に描いたような女性蔑視野郎で、事件の事情聴取をする地元警察の男さえも女性に偏見を持った描き方をしていました。唯一、女性たちにソフトに接していたシェフストリッパーが悲しい死を迎えるのは残念。金髪、白人、黒人、アジア女子だけが集まる別荘ということで、ちょっとしたハダカが拝めるかなというエロ目線を持った私のようなバカな観客の期待を裏切るかのように、女性を安易なエロ要員として扱う描写は全くありません。映画自体が面白かったかというと、スリリング度アクション度もいたってフツーでございました。ただ、最初に被害者となってしまうハイディ・クアンという女優さんが日本人好みのルックスを持つ美貌の持ち主で、今後も活躍してほしいなと思いました。