「友は風の彼方に」(1987)

 

チョウ・ユンファ主演のアンダーカバー物をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はリンゴ・ラム。予告編はコチラ

 

宝石強盗団に潜入していたおとり捜査官殺されますラウ警部(スン・イュウ)は甥の秘密捜査官チャウ(チョウ・ユンファ)を独断で後任にして潜入捜査を続行。かつて潜入捜査をした刑事を裏切って死なせた過去の悪夢に苛まれているチャウはいったん拒否するも、この仕事を最後に刑事を辞めることを条件に引き受けます。結婚間近だった婚約者ハン(ン・ガーライ)には自分の仕事を伝えることができず、不審に思ったハンはチャウの元を去って行きます。そんな失恋を振り切るように潜入工作を開始したチャウは、銃密売人だと偽って強盗団の幹部フー(ダニー・リー)との接触に成功したものの、疑い深い一味はなかなか仲間にしてくれません。

 

一方で、叩き上げのラウ警部とソリが合わない若手エリート捜査本部長チャン(チャン・ユーヤン)が、チャウが潜入捜査官だと知らずに、宝石強盗団の一味だと目をつけて尾行をつけます。警察に執拗に追われていることで結果的に一味から信用されたチャウは一味のボスのナムに紹介されて、次の宝石強盗から一味として働くことに。反目していたフーとは心を通わせた仲へとなっていきます。強盗の準備中、外部との連絡を一切禁じられた状態のため、警察に犯罪決行日を伝えられないチャウ。いよいよクリスマスの決行当日。銃撃戦の中、警察の銃弾から身を挺して互いの命を守ろうとするチャウとフー。一味が逃げのびた先の倉庫には警察の特殊部隊完全包囲。ボスが犯罪失敗の責任を手下のせいにして内紛状態にもなって、外でも中でも絶体絶命となったチャウは・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「龍虎風雲」。英題は「City on Fire」。このシーンをまるまるいただいた「レザボア・ドッグス」(1992)の元ネタ映画の1つ。いわゆる香港ノワールの先駆け的な作品で、シリアス一辺倒ではなく、コミカルなテイストも盛り込んでゴッタ煮になってるところ、甥っ子を潜入捜査官にしたり、人目に付きそうなところで警部とチャウが情報交換したり、いろいろと設定がザツなところなどには、当時の香港映画のユルさがあります。で、チョウ・ユンファとダニー・リー男の友情が最大の見どころでしょうか。わりとカンタンに親友となった後、クライマックスの宝石店襲撃中に、死んでしまった潜入捜査官を殺した張本人フーだと知ったチャウ。ラストの籠城中に、チャウから警察のイヌだと告白されてショックをうけるフー。コワモテの悪党でありながら、ピュアな面を見せるダニー・リーの演技が光っています。

 

でも、スターとしての華があるのはやっぱりチョウ・ユンファで、チャラさと渋さの両方の魅力を楽しめます。エスカレーターを使った逃走シーン疾走シーン若々しくてステキなお尻まで拝めます。強盗団との取引のために入籍手続きをする約束をすっぽかしたチャウ。そんな緊急事態を知らずにキレた婚約者は別の男と海外に去ってしまったと思わせて、実は1人でハワイに傷心旅行に行っていました。やっぱりあなたが好きなのでずっと待ってるというエアメールを犯罪決行前にもらって、事件が解決したら迎えに行こうとするチャウは結局・・・という展開になります。カースタントガンアクションもある後半の盛り上がりはなかなかで、トータルでは平均以上に楽しめる作品でございました。あと、細かいところでは、女優さんの脇毛が生えてたのがドキッとしました。