「エクソシスト2」(1977)

 

ホラー映画の古典の続編をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はジョン・ブアマン。予告編はコチラ

 

前作のジョージタウンの忌まわしい事件から4年後。なんとか悪魔を追い払えたリーガン(リンダ・ブレア)は、タスキン博士(ルイーズ・フレッチャー)による科学的な治療を続けながら、ニューヨークで元気に学生生活を送っています。女優の母は海外で長期のお仕事中で不在、その代わり、お手伝いのシャロン(キティ・ウィン)が彼女の面倒を見ています。一方、メリン神父(マックス・フォン・シドー)の命懸けの悪魔払いは、カトリック教会では異端の徒の所業として批判を受けていました。あの時何が起こったのかを解明するために、枢機卿は悪魔祓いの経験もあるラモント神父(リチャード・バートン)を調査担当に指名。ラモント神父はメリン神父の過去を調べつつ、被害者リーガンに会いに来ます

 

タスキン博士が開発した催眠術装置でリンダの記憶を探ろうとしていた現場にたまたまいたラモント神父。そこでリーガンの中に再び"悪霊パズズ"が侵入しはじめている様子を目の当たりにします。メリン神父がアフリカで少年から悪魔払いを成功させた過去があることを知ったラモント神父は、リーガンに降霊したメリル神父の記憶を追ってアフリカに飛びます。少年は成人男性コクモ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)となって、イナゴの品種改良の研究者になっていました。アフリカから戻ったラモント神父はリーガンをコクモに引き合わせようとしますが、悪魔の存在を信じないタスキン博士と過去の惨事を目撃していたシャロンは大反対。仕方なく単身でジョージタウンにあるリーガンが住んでした邸宅に向かうラモント神父。自身の中にある悪魔を追い払う機会だと思ったリーガンも後を付いてきます。邸宅にイナゴの大群と共に現れた悪魔との壮絶な戦いが始まって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Exorcist II: The Heretic」。副題は"異端者"の意味。珍作の評価はうっすらと知っていましたが、想像以上にトンデモ展開の内容でした。IMDBの評点も3.8と相当低いです。続編を作りたくなったタイミングで都合よく悪魔が再度リーガンに憑りつこうとしてきます。前作でリーガンを助けたメリン神父は自分の命と引き換えにしてがんばったのに、教会内では悪者扱い。その残務処理を命令されたラモント神父がリーガンに会って、やりたくなかった悪魔退治をやらされます。ここで、オデコに巻いたベルトへ電磁波的なモノを送る装置が前半のキーアイテムとして大活躍。リーガンは自分の記憶以外に、メリン神父の過去まで呼び覚まします。イナゴを操る少年が悪魔に憑りついた事件を解決したメリン神父の過去。後半はイナゴが大暴れ。リーガンのかつての住まいに、悪魔の分身としてイナゴの大群が参上。ラモント神父とリーガンに襲いかかります。イナゴはキリスト教では災いを呼ぶ象徴とのこと。大量のイナゴが飛び交うシーンは気色悪いです。CGがない時代だったから撮影は大変だったんじゃないでしょうか。イナゴ主観映像がしつこく使われます。

 

スプーン曲げのTV番組を見てるシーンもあり、当時のサイキックブームも取り込んでいます。ヘンテコで安っぽい催眠術装置でカンタンに記憶が蘇って、他人の意識と接続して他人の記憶を呼び起こし、自閉症の女の子の症状を良化させるパワーも発揮して、プチ超人的存在になったり、おっさんを誘惑したりするリンダ・ブレア。母親のコネなのか、TVタレント活動もしていて、高級マンションの最上階に住んでいて、ランジェリー姿でウロチョロします。人気子役が色っぽくなりましたよ的なサービスなんでしょうか。彼女と、イナゴと、離婚の慰謝料稼ぎで出演したリチャード・バートンが主役級の活躍をしています。恐怖に格調がブレンドされた前作とは打って変わって、似非サイエンスやら、動物パニックやらで、仕掛けは盛りだくさん。だけど、全く面白くありません。あと、前作の母親役のエレン・バースティンと博士役のルイーズ・フレッチャーの顔の系統が似ているため、観始めた頃は少し混乱してしまいました。