埼玉レコ屋㉔ - 北浦和~池袋 | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

(前回の続き)

1枚 (Steppenwolf) を確保して一安心。更に掘り進め、METAL 棚をパタパタ見始める。ウ~…この Metal / Hard Rock も高くなったよな…。AC/DC, Iron Maiden 辺りの外国人が好きそうな辺りは以前の数倍(下手したら10倍くらい) も高くなったし。

 

その辺りは分かるとしても、Quiet Riot / Metal Health の国内盤が今時3,000円?これ当時、私は新品で購入⇒その後メタル・マイブームが去り売り払い⇒(10年ほど前)レコ墓場@ハードなオフで100円で再購入⇒(レコブームの現在)3,000円? 彼等の1st & 2nd (Randy Roads期) は当時国内盤しか出てなかったので昔から高かったけど、このメタル史上初めて(…だったはず)米ビルボード1位になってバカ売れしたこのアルバムも再評価?今更どの層が聴くんよ?

 

それにしても時代が変わったよな…とガックリしながら見ていたらこれが出た:

 

Vardis – 100 M.P.H. (Logo YX-7285-LG) 国内盤 LP 帯付、インサート 1980年 1800円

 

オオオッ、ヴァーディス!これ探してたんだよな~(嬉)。といっても別に高いものじゃないし、ヤフオク見れば簡単に買える代物ですが、送料7~800円も安レコに払うのもなと探していた1枚。メタル・ボーイだった当時、全く知らなかったんですよこのバンド。別に売れているわけでもなければ、メタル小僧御用達雑誌 "BURRN!" にも全く無視されていたこのバンド。ネットもない当時、知る由もない。

 

しかし youtube AI先生が、「あんたコレ好きじゃないの?」と連日薦めてくるアルバム動画にこれがあったわけです。これが…一周回ってメタル熱が復活したのか、かなりハマった!トリオなんですよ、この人達。トリオってなぜか私結構好きで、余計な装飾がない分ゴリゴリの音が身に染みる。Grand Funk Railroad, Motorhead, Cream, Jam等々の有名どころはもちろん、自分好みのマイナー系も含めて。

 

 

メタル・ボーイ期は、Motorhead, Jimi Hendrix, Stooges の様なロー・ファイ(=Low-fidelity…ハイ・ファイの逆で、いわゆる”生”の荒っぽい音)が好きじゃなかったのに、今頃好きになってしまった。

 

Discogs によれば、彼等は英国パワー・メタル・バンドとして1978年にこの1stアルバムをリリース。3枚のアルバムをリリースしたのち、1986年に解散。しかし2014年、突如再結成を果たし2枚のアルバムをリリース。 Steve Zodiac (vo, g) が有名みたいですが…全く存じません。(完!)

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   

 

 

オオオッ、珍しく2枚も捕獲出来たぜ!オッと、ここも忘れちゃいけないとレジ近くの安レコエサ箱(4箱ほど)を覗いてみる。中はスッカスカで、よく見る布施明、アリス、オリビア等の国内盤。以前はこの店の安レコ箱から、300円くらいで良いオリジナル盤を抜いたもんだけど…

 

 

2017年の記事ですが、300円で素晴らしいオリジナル盤を抜いている。7年前のことですが、あの頃は蘇らないのか?

 

…と感傷に耽っていたら見たこともない1枚で指が止まる:

Joanne Mackell – S/T (United Artists GP - 615) 国内盤 プロモ LP 帯付 インサート、白レーベル 1978年 300円

 

ジョアン・マッケル?誰それ?こんなジャケ初めて見たよ。30年以上もレコを掘り続けてるのに、未だに見たこともないレコが出てくるんだから凄いよなぁ。プライスタグを見れば、『プロモ WLP(白レーベル)300円』と!白、白ならと致し方ない(ハァハァ…)。しかも帯には、

 

 

『女ボブ・シーガー』⁉ また、参加アーティストに、私の大好きなBarry Goldberg(key) , Martha Reeves ( Martha & Vandellas ) も?オオオッ!これは…とレジにて一応試聴と(ハァハァ…)。300円の出費にも神経を尖らせる掘り師の男。金は沢山持ってレコ屋を巡りたいものよのぉ(涙)。

 

早速聴いてみると…

 

オオオッ!渋い!確かに『女ボブ・シーガー』と称されて十分な嗄れ(しゃがれ)声にして、ブルース、ゴスペル、フォーク、R&Bを飲み込んだ素晴らしいミクスチャー。全曲彼女の作ですが、曲によっては Bob Segerより、Frankie Miller (この人も大好き)にかなり近い曲もあり。素晴らしい~!

 

Discogs によれば、これが彼女の1st アルバムで、当時の唯一作。他にも2枚アルバム(…若しくは当時録音したライブ ?)がその後リリースされるも、彼女の情報は全くネット上になし。 他にも知っているところでは、Steve Cropper (Booker & T's) も参加している。

 

これだから安レコ買いは止められんのよ。評論家諸氏も、なぜにこんな名盤を放置するのか?意味が分からん。当時売れたものだけが名盤じゃない。『レココレ』さんも同じアーティストばかり何十年も語る他に、やるべき事があるんじゃないのか?

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   

 

 

計3枚確保した後、今度は大宮へ移動。もちろん狙うは大宮D店。

 

 

しかし…この日は何も見つからず(F*CK!!)。少し離れた場所(予備校の近く)に独立系のG店があるものの、この日はパス。大宮駅へ戻って、B3Fくらいエスカレーターで地下に潜り埼京線で一路池袋へ。

 

さぁさぁさぁ、都内に戻って群衆渦巻く池袋駅の構内へ突中!ウウウウゥ~、何故にいつもこんなに人が多いんよ?…って言うか、この日は年末なんだから当たり前か(汗)。季節がらか場所柄か、やたらに若い連中(カップル)が多し。ええなぁ、君達は人生これからで。ワイのレコード人生はもう終盤やで(涙)。人波縫いながら東口の出口を目指し、地上に出れば…

 

死ぬほど人が多くて外観を撮ることが出来ず、またもやD店HPより無断拝借(スンマセン!)

 

 

エレベーターで4Fへ舞い上がれば…

上は以前撮らせて頂いた画。年末都内D店、ゴリゴリのお客さんで写真を撮るどころじゃなかったっす。結構棚が空いてるのは、コロナ禍だったからかな?

 
到着したのが15時頃。自分も歳だからか、Rock ~ Soul ~ Jazz 棚を全てゆっくり見るのでやたらと時間が掛かる。若い頃は、やたら高速でレコを見るのが良いのだと思い込んでいたのが懐かしい(若い衆よ、レコのトントン・ドロップは厳禁やで!)。
 
この日池袋店ではRock系のセールがあったようで、セールの戦闘部隊は見当たらないものの、残骸を目当てに来たようなハイエナ連中(Me, Too!) がゴロを巻いている(失礼!)。さぁさぁさぁとRock新入荷コーナーから見始める。D店みたいなチェーン店は、中古と言えども1枚1枚値付けをデータ・ベースで管理しているので、各店舗回ったところでそんなに差はない。以前は北浦和、大宮へ行くと結構安かったんですが…。
 
とにかくコロナ全盛期と比べれば明らかに棚が蘇り、レコがモリモリ入っているのは嬉しい限り。だけどそのハイパー・インフレーション価格は、掘り師の夢を打ち砕く(涙)。ああぁ…無理だよなぁ~。全てが以前の数倍になってるし。北浦和で買った Joanne Mackell みたいに、全く評価されてないようなレコじゃないと安く見つからんのか? 厳しい、全く持って厳しいとしか言えない東京レコ屋砂漠。目の前にレコの華が爛漫と広がっているのに、掘り師の心には砂漠が広がる(いとおかし)。
 
Rock新入荷~Beatles 関連を抜け、Rock "A"からパタパタ見て行くと、何と探していた1枚がスッと出てきた!
 
Arrival - S/T (London SLC - 312) 国内盤 LP 帯付、インサート、独自ジャケ 1970年 1100円
 
マジか⁉ これも誰も探していないかもの1枚。しかし私にとってはずっと欲しかった”アライバル”!彼等はロンドン出身の7人組男女混合大所帯コーラス・バンド。自分の好きな5th Dimension に似ている。しかし大きく違うのは、楽曲を自分で作り演奏すること。そう、コーラス・グループではなく、コーラス・”バンド”。
 
レコを本格的に買い始めた90年代中期、某レコ屋でこのアルバムのUS盤をジャケ買い:
このジャケが、US、UK他、各国盤で共通。国内盤だけ異なっていた。
 
ジャケ違いに気付いたのがこのブログを始めた頃…なので10年ほど前。たまたま見つけたその国内盤レコが、帯なしで2800円くらい。ボロかったし、今更帯なしをこの値段じゃ…と思っていたら、帯付きでまさかの1100円!…という事は盤がボロボロか?とレジにて、「検盤プリ~~~~ズ!」と小声で絶叫!またヤバいのが来たよと、レジの真面目そうなお兄ちゃんが一歩引く(スミマセン。必死なんです、こちらは)。
 
で、開封してみてみれば…盤はピンピンで大変美しいものの、何とジャケの天&背が全裂け(爆笑!)。だからこの値段かw。山崎さんには劣るかもしれませんが、こっちも長年レコジャケの修復をしてきたんじゃい!と購入決定。

 

 

 

 

ところで、彼等は以前来日公演をしたことをご存じだろうか?今話題の2025年EXPO 大阪万博(本当に開催できるのでしょうか?)…ではなく、国内初の万博となった1970年EXPO 大阪万博で来日している(驚)。世界中のものを紹介するのが万博。ならば音楽も…となったのか?国内からはタイガース、ワイルド・ワンズ、テンプターズ…等々。

 

下記のリンクをご覧ください(またもや無断リンク、ゴメンナサイ)

 

更に驚くべきは彼等はEXPOでのライヴ後の8/18日、日比谷野外音楽堂でフリー・コンサートを開催し8000人を動員した』と上のレコのライナーに記述が!マジか⁉ フリー・コンサート???

 

帯には『1万人の若者を熱狂させた…』と!

 

ライナー・ノーツにその時の写真も!

 

結構日本に馴染みの深いバンドという事が判明。ひょっとしたら、このブログを御覧な方の中で、「彼らのコンサートに行ったぜ!」という方がいらっしゃるかも。

 

この後もまだ続きます(次回は完結編)。

 

 

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