(前回からの続き)
安レコ満載の段ボールから、Hall & Oates 1枚を抜き他にも何か安レコをと、残りの3箱を1枚1枚抜き出してみる。シュリンク+ハイプステッカー専門コレクターの放出品は他にもあったけど、何でもかんでも買うのはアーティストを問わず『国内盤の帯付きなら何でも買う』に等しいな…と冷静さを取り戻す(フ~)。
すると今度は、シュリンクはないもののギョッとするようなジャケを見つける:
Carolyne Mas – Hold On ( Mercury SRM 1-3841) US LP インサート 1980年 200円
ヒィイイイ~、怖い!強烈なジャケだけど…かなり昔、このレコの国内盤を買ったような?記憶が曖昧ですが、今持ってない事だけは確実だ。ウ~…だけど音は全く思い出せない(笑)。値段はたった200円(笑)。買っても罪にはならんやろ?自分のターゲットは大抵1968年~1973年辺りですが、このレコは1980年作。ターゲットに外れたレコを買うのは止めよう…と思ってたものの、検盤しても結構な美品だったしと確保決定(200円だし)。
帰って早速聴いてみようとジャケを開ければ、オオオッ、インサートが入ってた!
エエエッ?かなりハード寄りなの?アカン、全然記憶にない(笑)。国内盤に慣れ親しんでると、インサート付きなんて当たり前なんですが、海外プレスだとレコード会社が『このアルバムは売れるぞ!』とプッシュをしないと普通は入っていない(たかが紙切れ1枚ですが、大量に生産するのでそのコストは無視できない)。上はステージ写真で、裏には歌詞付き。金は掛かってます!
Side A-2 … Bruce Springsteen を彷彿させる曲ですが、この手の曲が多い。
Side A-4 … 女ブルース と言っても良いでしょう。良い曲です。
Side B-3 …スローな曲もイケてます。
A-3を除いて、全10曲中9曲が彼女作。SSW ( Singer Song Writer ) でしたか。インサートにサックスが写ってたのでもしや…と思っていたら、やはり全体的に Bruce Springsteen っぽかったです。1980年と言えば Bruce Springsteen は名作 "River" を出してるし、フォロワーも出て来ますよね。そもそも Rock にサックスを初めて導入したのが Bruce とも言われてますし。駄曲もなく、全体的に結構イケてる作品ではないかな(但しジャケットは怖いので、何とかして欲しいですがw)。
そもそも彼女は、1979年にデビューした米国人SSW。1980年代を席捲するMTVを先取りするように、TVプロモーションを駆使して当時売れていたそうな。特にカナダやドイツで人気が高かったそうである(2022年には、欧州オンリーのライブ盤CD (1989年録音)がリリースされている)。そしてこれが彼女の2ndアルバム。よっぽど当時売れたのか、はたまた国内で全く人気がないのか?後者かもしれませんが、結構良い作品。オリジナル盤と思われますが、オリジナル安レコでも素晴らしい作品がある事の証明(完!)。
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更にエサ箱をひっくり返す勢いでペラペラじっくり見て行くと、以前別のレコ屋で見送ったレコが出てきた!
Mirabai - S/T ( Atlantic SD 18144 ) US LP カンパニー・スリーブ 1975年 380円
オオオッ!正体不明ながらも、以前別のレコ屋で買おうかどうしようか迷ったやつだ!正体不明に1,000円も出せんし、D店に出れば3桁だろうと思っていたらやはり(笑)。そもそも1,000円でも迷ったんだから、この値段だから迷わず抱え込み1本である。レジで検盤してみれば、ところどころに薄いスレやらヘアラインやらあって、とても美品とは言えぬ趣(おもむき)。でも音にはこの程度のヘアラインでは出るまいと当然購入決定である。
帰宅して Discogs で調べれば、レーベルにあるとおり全曲 Mirabai ( 本名:Karla Major ) の自作(!)。そうか、彼女もSSWだったのか。そもそも私は女性Vo に弱いので、それがSSWと分かれば尚更である。これが彼女のデビュー作であり、このアルバム+シングル1枚を1975年に残したのみの足跡不明。しかし裏ジャケには…
"Thanks to Peter Grant and Led Zeppelin for helping make this album possible"
と!Peter Grant は Led Zep 等の当時のマネージャー。そもそも Led Zep も1974年に自ら Swan Song レーベルを立ち上げるまでは Atrantic レーベル所属だったし、何らかの尽力があったんでしょう(その後彼女は消えてしまったことを考えると、何とも意味深い)。
で、実際の音ですが…
予想と異なり、跳ね跳ね系のスワンプ色強し!
スワンプ…海外にはこのジャンル分けがないようで、全て "Blues Rock" の一言でまとめられている模様。これが正しいかどうか知りませんが、Discogs 曰く:
Blues Rock Music Description
A Soul, Blues, and Rock mixture. Usually a form of Blue-Eyed Soul.
https://www.discogs.com/style/blues%20rock
『Blues Rock = 白人ソウルの一形態』とな(笑)。ホンマかいな?それを言ったらこれも Blues Rock ですな(笑)。日本で言ったら、Leon Russell, Delaney & Bonnie の跳ねてる系の曲が似てるかな?スワンプっていうとレココレでここら辺が取り上げられますが、正直に言ってこういうゴリゴリの跳ねてる系のスワンプは自分の好みではない(好きな方ゴメン!)。しかし彼等のもっと落ち着いた、スローなゴスペル的な曲が好きなのであった。
なのでこのMirabai、私のど真ん中…とは違うけど、まぁ南部色濃いこの音作りはこれはこれで良いかな?それにしても全曲自作にして、プロデュースも彼女自身。女性SSWでは珍しい…と思ったら、何とアレンジはあの Don Nix だった!『南部にドン・ニックスあり』の、あのドン・ニックスである(誰の言葉か知らんけど、某評論家はそう言ってましたw)。買った以上、とにかく好きになるまで聴きこもう。自分の好きなスワンプの1枚のはずだし。
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町田D店で廃盤セール1枚を狙いに行ったら、想定外の6枚を入手!もうね、予算は尽きたのでした(いつもコレやw)。退店して表通りに出れば、近くにもう一軒レコを買えるところがあると思い出す。そうだ、もう一軒ブックオフに行こう!D店の入ったビルを出て100mも歩けば…
これは以前行ったときに撮った画
年末に行ったときは物凄い人波に、とても写真なんか撮れる状態じゃなかったです。どうせ何もないから、金も使わないだろうし(笑)。
これも以前撮った写真の使いまわし。ここも人が多かったなぁ…
このブックオフ、RSDに参加しているらしく、その時のレコが壁に残ってますね。まぁ、買えるとしてもどうせ300円レコくらいだから財布も安心やで!と、上の写真の奥地の "ROCK A"からパタパタ見始める。出てくるレコの高いことよ!ブックオフも何を基準に値付けしてるんやろ?ヤフオク?こんなに高いのか?出てくるレコの半分以上は国内盤ですが、Beatles の80年代に出たMONO 赤盤再発が5桁か…(ヒエエエェ~)。これも500円位なら買おうと思っていた Dionne Warwick が国内独自編集盤帯付き=2,800円!誰が買うんよ、これ?
以前AIに「レコを安く買う方法」と聞いたら、「ブックオフで探す」と答えたやろ?あれは嘘だったのか、AIよ??
ブックオフでも買うものが無い…というのは、欲しいレコそのものがないという意味であって、『欲しくても高くて買えない』という意味じゃない。レコ市場がアゲアゲ状態なのは分かるけど、ブックオフまでこれかよ~。本当にレコ掘り師の逃げ場が無くなってるな(涙)。
こんなに高くなったレコを自分の他にも2人ほど、自分よりも若手中堅の掘り師が漁ってましたが、こんなに高くても君達は買うのかい?陰鬱として気分でパタパタ見続ければ、ある1枚で手が止まる。それが:
Plus – The Seven Deadly Sins ( Probe CPLP - 4513 ) US LP 見開き切り抜きジャケ 1969年 3,300円
静かに「ウッ!」と叫んでしまった。一応これも買おうと心構えしていた1枚だ!これまでチョクチョク見かけていた1枚でしたが、大抵D店で見かけても5,000円程で常にスルー・パス(誰にパスしたのかは不明)。それが、しばらく見ないな…と昨年久しぶりにD店で発見したら8,000円に値上がり!Disocgs で値段は30ドル程と事前に珍しく調べていたので、「買えるわけねーだろ!」とその時は思うものの、さりとて海外から30ドルで買おうにも、
価格:30ドル
送料:30ドル
合計:60ドル(=約8,500円 )
買えるかい!…と思っていたところだったのだ(ハァハァ…)。この年末は十分にレコを買ったし(更にこの日はD店でも6枚も仕入れるという大判振る舞い)と思うも、海外から買うと思えば…とレジに恐る恐る持って行ってみる。検盤してキズが入っていれば止めよう。そうすれば金を使わなくて済む…という複雑な気持ちのまま見れば、US盤特有の白濁模様があるものの全体的にはきれい。だけど1カ所だけキズがありそれが気になる。自分は基本的に買ったレコは聴くので、スクラッチ(音に出るキズ)は F*CK OFFなのである。
しかしここはD店と異なり試聴も出来ないブックオフだし、長年の掘り師の勘に頼るしかない。本当ならキズを少し触って指に引っかかるなら100%音に出るから分かるものの、買う前のレコの盤面を素手で触るわけにもいかんし(ハァハァ…)。買わなきゃ買わないで帰ってから悶々とするな…とまたもや購入(涙)。
値段は『3,000円』となってましたが、レジでは「3,300円です!」とレコのことなど全く分からんであろう好青年が、明るく笑顔で私に高額要求!F*CK! お前らのその外税制度を何とかせんかい!…と思うも紳士を装うって帰宅しましたがね(笑)。あああぁ…また買ってしまった。
一応事前調査をしていて、音的には自分の守備範囲で購入したものの今一つ実体は掴めず。サイケ、ブルース・ロック、プログレ + 宗教色 の混然一体となったコングロマリット。同年 Flying Machine に参加してアルバム1枚をリリースした Mike Newman (G) がメンバーだった模様。それ以外の経歴は全く不明。
しかし、見開きジャケット(十字架切り抜きジャケ)と金を掛けてこの唯一のアルバムをリリースしているところを見ると、レコード会社も結構期待していた模様。内容もこれが3,300円なら十分です(結局キズも音に出ず…ホッ)。
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この写真も以前の使いまわし。この辺りも人が多かったなぁ。
店を出ればもう15時近い。友人との待ち合わせが16時なので、ここでレコ探しは終了。また線路の向こうの2店には行けなかった。何も食べずにレコ掘りも疲れたぜ…と以前町田に来た時に入ったラーメン屋に入ってみる。掘り師なら大盛り油ニンニク・マシマシで行かねばならぬ!と券売機を見れば、以前はOKだった『大盛り無料』が終了しているではないか!F***CK! 昨今の値上げの波がここにも(町田レコ屋巡り編・完!)。
★動きます★ ↓↓↓