老眼
視力のいい人ほど老眼になるのが早い
と 聞いてきた。
44歳で老眼が早いのか いい時期?なのか よくわからないが 私も1.5の視力が限界に近づいていることをひしひし感じるこの夏だ。
アニメ店へ再度 三姉妹と繰り出した。
誕生日が微妙に近い長女と次女が ティーシャツをお買い上げ したので 店員さんは
「メンバーになってくれたら クーポン送るよ」
と 商売上手なことを仰せになり 貧乏性の母は 言われるがまま 個人情報を渡す。
口頭質問の後
「間違いないか 確認してー」
と打ち込んだ 小さなスクリーンを私に見せてこられた。
が、
ぼやけて見えない、、。
「はい、大丈夫です」
と全く確認できないまま オッケーサインを出してしまう適当すぎる私。
「おかん、ほんまにちゃんとチェックした?メールアドレス 間違っていたらクーポンもらえないで」
と 中途半端な関西弁で娘たちが そんなとこだけちゃっかり 母を諌める。
君たち、お小遣い溜め込んでるんやから たまには 自分で買え、
と言いたいところだ。
数日前 お友達たちと 家で 花ビーズを一緒に作る クラフト会をした。
年齢は 似たり寄ったり
皆 一つ目のビーズが なかなか通らない、、笑。
あ、あかん、見えない、、
まるで ラピュタの ムスカ状態で
「目がー」
と苦しみながら 格闘した。
前半は 真剣にほぼ無言状態で 作成した。
なんだ、この静けさは、、蟹食べてるぐらいの沈黙。
後半から完成にかけて 皆 余裕が出てきたのか だいぶ 会話が弾み
老眼って困るね
とネタにまでして 楽しく過ごせた。
自分が子供〜若かりし頃は 40代半ばは ものすごく大人なイメージがあったが いざ その年齢になっても 精神年齢は全く変わらず 昭和ネタや 放送コードギリギリネタで 友達と涙流して笑っている自分がいる。
あの頃 思い描いていた『上品な落ち着いたマダム感』とは正反対だが 健康で毎日笑って過ごせる日々。
上々ではないか。
今までクリアな世界にいたので こんなに視えにくくなるものかと ある意味 ぼやけた文字に感心もする。
そろそろ 老眼鏡が必要だろう。
とりあえず 今年は でっかい虫眼鏡で しのごうと思う。
キキの絵にえらく感動した後 今度はトトロを描いてくれた。
自慢のように ダイニングルームに飾ってしまった。
棺桶に入れたい。
猫娘と会話中の次女。
夏休みが終わろうとしている。
夫って人
夫とは 日本で知り合った。
就労ビザで三年弱 滞在していた。
私は 世話焼きとお節介ごちゃませの性質なので 一人で暮らす異邦人に 何かと
「大丈夫?食べてる?困ったことない?」
と 聞いていたら 長女が受け継いだ 根拠のない自信の持ち主の源、何を勘違いしてか
「僕のこと 好きなんだな」
となり アレヨアレヨで 十四年。
初めて 夫のアパートにお邪魔した時
「ちょっとここにいて下さい」
と 別部屋に消えた夫、居間に待ちぼうけの私。
何だろう、、と考えていた矢先 クラリネットを持った夫が 演奏を始めた。
たまげた。
えっ クラリネット?
と思考が追いつかない間に 終了、
「素晴らしい、ありがとう」
と戸惑いを隠し お礼を言うと
「じゃあもう一曲」
と また長い曲を演奏しだした。
いや、、一曲でいいし、、とも言えず ひたすらフィナーレが来るのを待っていた私。
レディファーストの国からやってきた紳士(夫)は 度々 小さな花束をくれた。
しかし かなりの確率で 菊メインだった。
家に持ち帰ると 母が
「あらー 丁度 ご先祖様に生ける花がなかったんや、買ってきてくれたんか、ありがとう」
と 神から(クリスチャンな夫)仏(仏教徒な母)へ 優しさの気持ちと共に 菊が伝導された。
二年以上付き合いが続いても まだ菊だった。
もう勘弁して欲しいので
「あれ お葬式とか 仏壇に飾る花やで」
と 伝えた。
夫は頭を抱え
「知らなかった!アメリカでは菊は普通ですよ」
とパニックに陥っていた。
気の毒に、、他にもあげていたかもしれない。
お互い あやふやな言語力でありながら ここまでよくぞきたな、と 我ながら感心する。
基本的には 優しく よき父ちゃんではあるが この二年で お互いの価値観がこんなにずれているのか とも認識した。
コロコロの話になると 喧嘩しかないので もうしない。
埋めれない溝だ。
この先 生きるタイムラインが違ってくるような気もするが 私が アメリカでここまで楽しく過ごせたのは 間違いなく 夫からの支えの基盤があったからに違いない。
そこは感謝を忘れてはいけないが お友達と盛り上がる話題は ほぼ 『旦那の話』。
ここも捨てきれない。
こうしていつも おこぼれを頂くのを期待している太郎。
ジブリの虜、長女の優しさ
ど田舎で大きくなった私。
川遊びや山登りは日常茶飯事。
そんな中、年に二回 算盤の試験で 街へ行くのが 楽しみだった。
友達と神姫バスに乗り 街に近づくと どんどん景色が変わってくる。
もちろん 東京のような大都会でないにしても 田舎在住小学生には十分 心が浮き立つ時間だった。
午前中に さらっと試験を終わらせ マクドナルドで緊張しながら チーズバーガーセットを頼み 買い物に繰り出す。
絶対に立ち寄るのが アニメイトだった。
ジブリの作品で 今もお気に入りは トトロと魔女の宅急便。
大人になれば 深読みして 実は こういう暗号なのか、、と 思考の蟻地獄に陥るが それでも やはり大好きだ。
特別お小遣い1000円で 下敷きや 何かしら買うのが 幸福のひと時だったことを思い出す。
母が ジブリ好きなら 必然的に三姉妹も ジブリを見て育つ。
そして 洗脳を含め 彼女たちも 虜になっている。
大きくなったら なったで 運転手になったり 用事が増えたり そして テレビを独占されたり じっくり映画鑑賞も難しい。
母は お気に入りの ジャルジャル、エガチャンネル、スベらない話を聞き流し 薄ら笑いを浮かべながら 家事をしてるのが現実。
昨日 長女が 私に絵を描いてくれた。
猫娘も興味津々。
実は 先週末 モールに行き 日本のアニメを扱っているお店に入った。
そこでたくさんの模写があり 私が ジブリ作品の前で
「えーな、えーな 欲しいなぁ」
と もう関西のおばちゃん丸出しでかい日本語で ブツブツ欲望を唱えていたのだ。
しかし それはもちろん お高くて じっとみただけで 帰ってきた。
長女は そんな私の気持ちを汲み取ってくれたのか
「おかんにあげるわ」
と ティーン特有のつっけんとんな態度ではあるが 私にくれた。
ごっついいい額が欲しい。
本物より 価値がある!親の欲目。
学校が始まり お一人様時間ができたら 久々に 魔女の宅急便をじっくり観よう。
キキが魔女修行に旅立つ日に
お父さんが キキに言ったセリフが きっと心にしみるはず。
「いつの間に こんなに大きくなったんだろう」



