マーサ「こんにちは、マーサです。今日は、ゲーム論ゼミの2回目になりま~す。」

アトリ―「今回は、ゲーム論誕生についてですね。楽しみ楽しみ。」

マーサ「ゲーム理論は、20世紀の大数学者の1人フォン・ノイマンと経済学者のモルゲンシュテルンが、共著『ゲームの理論と経済行動』という書籍をプリンストン大学出版局から出版したことから始まるんですよ。1944年のことです。」

アトリ―「フォン・ノイマンは、僕も少しは知っています。ハンガリー生まれのユダヤ人で、アインシュタインに並ぶ20世紀の天才科学者の1人ですよね~。他には、数学や物理学などの基礎科学でも大きな業績を残していますよ。さらに、情報科学や工学でも、需要な業績を残しています。僕たちが今使っているコンピュータは、基礎理論をフォン・ノイマンが作ったことから、フォン・ノイマン型コンピュータって言われますよね。エッヘン。」

マーサ「よく勉強していますね。えらいえらい。ドイツのゲッチンゲン大学の数学論文誌に論文を論文を発表したあと、ゼロ和2人ゲームのミニマックス理論を初めて証明するなど、ゲーム理論の数学的基礎をすでに、確立していました。1928年のことです。」

アトリ―「その当時のゲッチンゲン大学はその当時のヒルベルトを中心に世界の数学の中心だったんですよね。」

マーサ「その後、ナチスの台頭の難を逃れるために、フォン・ノイマンは、アメリカに亡命を果たしていました。プリンストン大学の近くのプリストン高等研究所で研究を行ったのです。その頃、この研究所には、アインシュタインもドイツから移っていました。」

アトリ―「オーストリアの経済学者だったモルゲンシュテルンの方はというと、ゲーム理論が経済学の研究に重要であることに、早くから気が付いていたんですよね~。ナチスのウィーン侵攻を機に、アメリカに亡命し、フォン・ノイマンに会うことを希望して、プリストン大学の経済学部に職を得たんです。」

マーサ「そうそう、フォン・ノイマンに会ったモルゲンシュテルンは、論文を書くのですが、28年の論文が,十分に理解できなかったんです。そのために、2人で何度も議論を重ねた結果、フォン・ノイマンは、論文をいっしょに書くことを提案します。」

アトリ―「2人の共同研究が始まり、2年間の集中的な研究の結果、当初予定していたタイプ原稿は100ページから、1200ページの大著となり、プリンストン大学の出版局から『ゲームの理論と経済行動』として出版されることになったんです。」

マーサ『当時の経済学は、数学を多用することに懐疑的で、これに対して、2人の意見は、経済行動の厳密な分析には、数学は必要であり実際に可能であることを実証しました。ゲーム理論に有用な数学は、新しい数学で、物理学の発展に寄与した微積分ではありませんでした。」

アトリ―「この2人の研究は、ホント画期的だったわけですね~。」

マーサ「単純な分析からより複雑な分析へという科学の解明の大原則に忠実に従ったわけです。今回は、ここまで~。」

アトリ―「次回をお楽しみに~。」