システム個人『御徳寺探偵草臥れ儲け』 | 新・法水堂

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システム個人 第2回本公演

『御徳寺探偵草臥れ儲け』

 

 
2024年9月26日(木)〜29日(日)
アルネ543
 
作・演出:林泰製
舞台監督:アンディ本山
テクニカルスタッフ:おにぎり海人(かまどキッチン/オドリバ)
当日運営:阿部りん 音楽:小山優梨
音楽(柳京太郎ギター演奏曲):滑川喬樹(エトエ)
オープニング映像:小宮淑
舞台写真:波世側まる
宣伝美術イラスト、キャストイラスト:NIHONBARE
そのほか劇中映像イラスト:林泰製
ダンス振付:佐々木タケシ
演出助手:寺園七海(24/7lavo)
 
出演:
さんなぎ(探偵・御徳寺まり)
加納遥陽(御徳寺の助手・六角絵梨/ゲーセンの男子中学生/御徳寺の心の中の悪魔)
梶川七海(御徳寺の妹、刑事・御徳寺羽衣/肉屋アルバイト、後に演歌歌手・黄緑あきえ/番組ディレクター・桐前/南第三中学校1年生・末原陽菜/会員制ホテルのフロント・桃家/戸籍ブローカー忠桑の生前を知る謎の女・ちま/骨忌村の村人)
杏奈[poco](羽衣の恋人、探偵・金森杏果/番組MC・丸の内アナ/カフェの店員・青畑ゆみ/双子の姉・青畑楓/御徳寺の心の中のこういうファッションの人)
佐々木タケシ(探偵、杏果のビジネスパートナー・マーク足瓦/DJ箱木/趣味で警察をしている男・沼岡/お宅探訪レポーター・竹鍋/カフェのマスター・海上/清掃員・常岡/民俗学者・影山)

釜木美緒[俳優座](レコード会社副社長・久世ひばり/骨忌村の村人)

水口昂之[劇団肋骨蜜柑同好会](ひぱりの夫、レコード会社社長・久世富総/番組AD・屯須/釘下工務店社長・釘下保/ガラの悪い男・曽根/骨忌村の村人)

藤本悠希[劇団肋骨蜜柑同好会](刑事、御徳寺の元同僚・黒須徳之助/「月刊レオポルド」記者・軽井沢/番組プロデューサー・節立/趣味で悪人を逃がす男・山田/富德のマネージャー・橋本ユウジ/ガラの悪い男・同脛/雑貨屋で灰皿を購入した男・緒方月彦/湯芝を脅す業者の男/ニュース音声)

滑川喬樹[エトエ] (刑事、御徳寺の元先輩・柳京太郎/ビール会社社長、容疑者・北村/「音楽キャサリン」記者・ヤダ/釘下工務店の隣の金物屋/レコード会社元社員・上条ヒデキ/骨忌村の村人/議員秘書・湯芝マツゾウ)

声の出演:寺園七海[24/7lavo]
 
STORY
特技は推理、嫌いなものも推理。自分が大好きで、喜怒哀楽が激しい名探偵・御徳寺(ごとくでら)まりは、今日も渋々謎を解いている。行く先々で殺人事件が発生し、知り合いが殺人事件に巻き込まれる。そして、解決するのはいつも自分。刑事だった頃のあだ名は「死神」だった。事件を解決した分、周りにチヤホヤされたいが、探偵としての知名度もそこそこ。推理力だって、望んで手に入れた才能じゃない。自分の人生に半ばうんざりしてきたある日。御徳寺は、自分と同様に「望まない才能」に翻弄されてきた女性と出会う。しかし、彼女は殺人未遂事件の容疑者だった。迷走する御徳寺をはじめ、彼女の助手で不法侵入が得意な六角絵梨、御徳寺の妹、妹の恋人、変な探偵仲間、御徳寺の前職の上司たちが入り乱れ、果たして事件は無事解決するのか。【公演チラシより】

第1回公演『探偵のいる街で』に登場した探偵・御徳寺まりの活躍を描くシリーズ第2弾。
 
初演時の記事にシリーズ化希望と書いたけど、こんなに早く実現するとは。しかも前回は後半のみだったけど、今回は2時間フルスロットル、更に更に御徳寺の妹役として梶川七海さん出演と俺得以外の何物でもないキャスティング。

 

御徳寺まりは探偵の能力はあるけれど、それが世間的に認められないのが不満の種。そんな時に出会ったレコード会社副社長の久世ひばりもまた、歌手としての才能を見抜く力がありながら、その手柄を社長である夫に奪われているという不遇の身。
その夫が襲われて意識不明の重体となる事件が発生し……というのが本筋ではあるけど、とにもかくにも濃いキャラクターのオンパレードで、終始笑いっぱなし。とりわけ最後もおいしいところを持っていくマーク足瓦は今後もレギュラー出演してほしい。
 
また、梶川七海さん扮する新米刑事・御徳寺羽衣(うい)には杏果という恋人がいて、彼女もまた探偵ではありながら、探偵は辞めてハローワークに行くと言ってはパチンコ屋やゲームセンターに入り浸るなどどこかまだ自分の能力を発揮する場を見つけられていないという人物。羽衣との関係が特別なものではなく、ごく自然なものとして描かれ、御徳寺や六角も普通に接しているのがとてもよかった。
 

上演時間2時間1分。