ガチゲキ!!復活前年祭
劇団だるめしあん
『ラブイデオロギーは突然に』
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2024年8月8日(木)〜18日(日)
アトリエ春風舎
作・演出:坂本鈴
舞台監督:稲元洋平
音響:大嵜逸生(くによし組)、深澤大青
音響操作:ワタナベユウタ(株式会社K-works)
照明:瀬戸あずさ(balance,inc.DESIGN)
照明操作:森山紗貴、武田弓果
統括:前原麻希(趣向) 宣伝美術:郡司龍彦
制作:類家アキヒコ 制作補佐:タナバタカナリア
HP製作:斧口智彦(Theatre 劇団子)
振付協力:河南由良(劇団だるめしあん)
衣装協力:オノマリコ(趣向)
企画制作:『ガチゲキ!!』実行委員会
出演:
田実陽子(脚本家・杉原美咲)
小泉まき[中野成樹+フランケンズ](原作者・藤井リカ)
陽向さとこ[エアフォルク企画](ヒロイン・雨宮桜子)
勝沼優[ブルーエール](ヒーロー・矢吹和也)
木内コギト[\かむがふ/](塾講師・佐伯啓介/パーティー会場のウェイター)
菅野貴夫(元テレビプロデューサー・櫻庭哲平/桜子の父・雨宮秀俊)
STORY
ケータイ小説を原作にしたドラマ『あまこい』の主題歌「スローモーション」をモチーフにしたドラマが月9で放送されることになり、関係者を集めたパーティーで原作者のリカと脚本家の美咲が顔を合わせる。その時、地震が発生。シャンデリアが頭上に落ちてきて、気がつくと2人はドラマの世界に転生していた。美咲はヒロイン・桜子の恋敵・小雪として、リカは桜子の親友・あかりとして悲劇的な展開を避けて桜子と和也を結びつけて物語を終わらせるべく奔走する。
『ガチゲキ!!復活前年祭』参加作品。
くによし組、松森モヘーの小竹向原ボンバーズとも基本的には〈伏線編〉の内容はほぼそのまま〈ネタバレ編〉に組み込まれていたが、本作は〈伏線編〉の内容をダイジェスト風にしてから本篇開始。
〈ネタバレ編〉だけを観ても楽しめるようには作られているが、〈伏線編〉を見ておいた方が『あまこい』の内容がよりよく分かるようになっている(当日パンフで補完はされているが)。あと、ダンスは両方であったが、田実陽子さんと小泉まきさんが制服姿なのは〈伏線編〉のみ。笑
〈ネタバレ編〉ではドラマ『あまこい』の脚本家・美咲と原作者・リカがドラマの世界に転生してからに焦点が当てられ、ドラマではドラッグやらDVやら事故死やらといった過激な展開が待ち受けている2人がそれらを回避しつつ、桜子と和也が結ばれるように骨を折る。
怒濤の展開が凝縮されていた分、どうしても〈伏線編〉の方がテンポよく感じられたが、ドラマではありがちな女子高生と年上の男性(特に教師など)間での恋愛に異を唱えるなど、コメディ的展開の中にも筋の通ったものを感じた。
近年、男女の新しい関係を提示するドラマが増えていると近著『テレビドラマは時代を映す』で指摘されていた岡室美奈子さんにも本作を観ていただきたかったな。
〈伏線編〉でもその片鱗は見せていたが、陽向さとこさんのヒロインなりきり演技に拍車がかかり、闇落ちしてからのギャップも面白い。ダンスもお見事。
田実陽子さん&小泉まきさんも現実と役柄の間で葛藤する様をコミカルに演じていた。
上演時間1時間28分。