劇団ドラハ『新宿万丁目物語』 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

劇団ドラハ 旗揚げ公演

『新宿万年町物語』



2024年5月24日(金)〜26日(日)

新宿スターフィールド


作・演出:松森モヘー(中野坂上デーモンズ/モヘ組)

舞台監督:伊藤美雪香 照明:奥村セイシロウ

音響プラン:大嵜逸生(くによし組)

音響操作:西岡サヤ(ターリーズ/ヨゴト)

宣伝美術:よシまるシん

SNSアイコン・キャラクター制作:星ヒナコ

衣装:SHINPIN、シングウ夏海

写真撮影:星ヒナコ

ダンス楽曲編集:本間本願寺

振付指導:たこ丸 演出助手:たこ丸、三島渓

グッズ製作:はるかさんたもにか

当日運営:貝沼莉瑚、たこ丸、山之内優衣(劇団「治外法権」)、依田光正、星ヒナコ

稽古場代役:山之内優衣(劇団「治外法権」)、貝沼莉瑚

宣伝協力:グータン森山(サンミュージック)

主催・企画制作:鼓星企画

共催:新宿スターフィールド


出演:

おりおん。(痔の詩人・井上)

歌川恵子(少年・豆腐田順平)

三島渓(少年の姉・やつこ)

玉木葉輔(極楽堂プロデューサー・浅草寺オナラ)

靍大河[まぼろしのくに](貧乏な男・帆立村スミス)

高寺雪緒(とおる)

三森麻美[ミモらランド](とおるのパートナー・ひばり/漫画家・三杯酢ねばり)

稲見和人[Wキャスト](お年玉ギャングリーダー)


STORY

新宿の風来坊、詩人・味噌煮川揚げ帆 (みそにかわあげほ)を名乗る井上は、ションベン横丁にて伝説の食い逃げ・白凪(しらなぎ)の姿を目撃する!同時刻、アルタ前では有名司会者が暗殺された!新進気鋭の暗殺集団お年玉ギャングの仕業であると噂される中、少年・豆腐田順平(とうふだじゅんぺい)は予期せず呪物のサングラスを手にしてしまう!それを追う、ハーメルンの屁こき男!彼の正体はいかに!時を同じくして、映画館を愛し古本屋で働く貧乏人・とおるは印のある無印で働くパートナーひばりをよそに、新宿二丁目のタリーズとドトールの間、9と4分の3番店の店員さんに禁断の恋をしてしまう!まさにその時!狂気の肛門医・帆立村スミスの魔の手が井上の痔へと刻々と忍び寄っていた!ヤツの肛門は…もうひとつの新宿へと繋がっている!! 人間なんてただの通り道、口から始まり尻に終える。全ては腸を通って糞になる…! きっとあらすじは全部変わるッ!【「こりっち」より】


昨年上演された名前のない役者達緑Team松森

『No12』のメンバーによって結成された劇団の旗揚げ公演。主宰はおりおん。さん。

はるかさんたもにかさんも出演予定だったが体調不良のため降板。三森麻美さんが代役を務める。


『下谷万年町物語』を想起させるタイトルからして分かる通り、唐十郎さんへのオマージュに溢れた作品。

とは言ってもそこは松森モヘーさん作・演出だけあって、役者陣が一列になってミュージカル『RENT』の「Seasons of Love」を口パクしたり、意味のない演劇について堂々巡りなやりとりを交わしたりしつつ、劇団ドラハなりの演劇を探っていく。

終幕では周囲に紅い幕が張られ、あたかも紅テントの中にいるような感覚に。と思いきや、そこは腸内(だからこのチラシの絵なのね)にも見立てられるというのも面白かった。最後は唐さんと寺山修司さん、奇しくも同じ命日となったお二人も登場(お面でね)。

アングラ+意味のない演劇の組み合わせは成功していたと思うが、今後も松森モヘーさんが作・演出を務めていくんだろうか。


キャストはいずれもよかったが、白いスーツ姿の三島渓さんは藤井由紀さんを彷彿とさせてよかった。本家の劇団員の方々にも観ていただきたかったな(先週、唐さんオマージュな野外劇を上演した優しい劇団の方々は来られていた)。


上演時間1時間45分。