渋谷コントセンター
『テアトロコント vol.67』
TEATRO CONTE
2024年5月26日(日)
ユーロライブ
1. 無尽蔵
「都市伝説」
映像「収録」
「文明」
映像「食堂」
「定例会見」
映像「教室」
「タオル」
「夏休み」
作・演出:無尽蔵
出演:無尽蔵(野尻、やまぎわ)
2. 劇団アンパサンド
「呪信(じゅしん)」
作・演出:安藤奎
出演:
佐藤真弓[劇団猫のホテル](重病患者タブチ)
安藤輪子(見舞客カナ)
安藤奎(カナの友人、入院患者メグミ)
STORY
入院中のメグミの見舞いに訪れたカナ。スマホに送られてきた動画を見た人が1週間で死ぬ「呪いの動画」の話をしていた矢先、カナに何者から動画が送られてくる。カナはメグミのいたずらと思って動画を見てしまうが、メグミは知らないという。2人がうろたえていると、同じ病室で余命幾ばくもないタブチが動画を送ってくれれば、カナは呪いを解かれ、自分は1週間長く生きられると申し出るのだが……。
3. わらふぢなるお
「スーツ屋さん」
「ケーキ屋さん」
「アイス屋さん」
「歯医者さん」
「そば粉ではなく、うん◯を使っている蕎麦屋さん」
「エンドコント」
作・演出:ふぢわら
出演:わらふぢなるお(ふぢわら、口笛なるお)
渋谷コントセンターによる月例公演。
無尽蔵は東大の落語研究会出身の2人からなるコンビ。劇団ドラハからの移動となったため(上演時間が予定より10分長くなったこともあり)、映像「食堂」の途中から入場。
「定例会見」は岸田首相(やまぎわ)の本音溢れる会見コメントに記者(野尻)が突っ込む。
映像「教室」は『ごくせん』のヤンクミが生徒たちに語りかけるが、健康診断とか家庭科の先生が困っているとか普通の内容というもの。仲間由紀恵さんの画像を使っていたけど、ちゃんと許可取ってるのかな。笑
「タオル」はタオル業界の男(やまぎわ)と販売員(野尻)が織りなすマニアックな会話。「夏休み」は小学生男子2人のゲーム用語てんこ盛りな会話。
5分ほどの休憩の後、劇団アンパサンド。
上手にベッドが立てられ、そこに酸素マスクをつけ点滴を繋げられたタブチが横たわる(実際には立っている)。下手に座って話すメグミとカナ。
『リング』刊行から30年余り、AirDropで呪いの動画が拡散されるというのはいかにも現代的だが、そこに自分に呪いの動画を送ってくれという救いの手が差し出されるのが面白い。これほど完璧なウィンウィンもないと思われたが、カナはそんなことは出来ない、自分が呪いを止めなければと頑なに拒否。すると、タブチが一旦は納得したように見せかけて突然暴れ出し、スマホを奪おうとする。このあたりの緩急のつけ方も見事。
私もAndroidユーザーなのでタブチに呪いの動画をAirDropできないというオチは予想がついたが、そここらの展開はやはり安藤奎さん。次回本公演も何気ないに日常生活に潜む妄想的恐怖を扱っているようで、今から楽しみ。
『虎に翼』では泣き虫な中山先輩を演じる安藤輪子さんは本作では意志の強い、というか頑固な女性を好演。劇団アンパサンド初参加の佐藤真弓さんもハマっていた。
わらふぢなるおは連作コント。
最初はリクルートスーツを買いに来た『コブラ』男(ふぢわら)と店員(なるお)の関係、その2年後にケーキ屋(ふぢわら)と客(なるお)、更に4年後にアイス屋(ふぢわら)と客(なるお)、そのまた5年後に歯医者(ふぢわら)と患者(なるお)という関係が数十年にわたって展開される壮大な大河コント。笑
毎回のようにふぢわらさん扮する滝沢はなるおさん扮する斉藤のことを忘れてしまい、ケーキ屋でやらかした(恋人がいないのに恋人にケーキを買っていくふりをした)ことを話すと思い出し、スーツ屋だったことも思い出す。うん◯ネタはどうかと思ったけど、他はシンプルに楽しめた。
上演時間1時間51分(無尽蔵:38分?、アンパサンド:24分、わらふぢなるお:42分)。