名前のない役者達緑 Team松森『No12』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

名前のない役者達緑 Team松森
『No12』


2023年8月11日(金)〜13日(日)
中板橋新生スタジオ

作・演出:松森モヘー(中野坂上デーモンズ)

出演:
[3年生]
三島渓(新井梨華)
おりおん。(阿部春樹)
依田光正(円城寺正親)
はるかさんたもにか(原愛子)
高寺雪緒(小林健太)
[2年生]
山之内優衣[劇団「治外法権」](安藤瑞希)
稲見和人(谷今鹿)
靍大河[まぼろしのくに](山本まさる)
たこ丸(山下碧)
[教師 他]
玉木葉輔[桃唄309](櫻井雅樹)
日向たむ(早川真美)
歌川恵子(女/小林の母・節子)

STORY
某高校のとある部活動。夏の合宿、もとい夏休みの合宿。夕方の6時頃、時間でいえば夕食前。その校内にて。まだあいつが生きていて、あんな病もしらなくて、でもいまよりもっと無関心で何も知らなかったあの頃の話。

《名前のない演劇祭緑》上演作品。
名前のない役者達は5回目となる企画で、今回は松森モヘーさんの他、井上瑠菜さん、木川流さんがそれぞれワークショップを担当して公演を実施。

2019年、《現代劇作家シリーズ9 「日本国憲法」を上演する》にて初演された作品で、タイトルは第12条を指す(「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない(以下略)」)。

開演前、役者たちはストレッチ運動や発声練習。そこから輪になって、数字を言って誰かを指差し、手を打ち、5つごとに横にジャンプというルールがよく分からないウォーミングアップ(なのか?)。
開演時間になると円陣の状態で「私たちは高校生」と言っていた役者たちが舞台前面に横一列に並び、「これから演劇を始めます」「4年前の空気感で」などと怒濤の台詞の応酬とともに物語が始まる。

一応、高校の部活の夏合宿の話で、その合宿中に部長を決める投票が行われるらしく、アライと阿部が争っているらしいことは分かるのだが、生徒の一人、小林がスリランカ人の父親のスパイスを使ったカレーを作ったり、その母親が学ラン姿でやってきたり、はたまた小林はケンタウロスだったりとナンの芝居だかよく分からないところもあるが、何のことはない、ナンの芝居だった(って観ていない人にはさっぱり分からないいことを書くのはよせ!)。
とにもかくにも、モヘ組『せいなる』同様、役者たちの熱量がダイレクトに伝わってきて、そのハイテンションぶりが嬉しくてたまらない舞台だった。
また、メインでしゃべる役者以外はクラウチングの姿勢で待機していたのだけど、出番になるとさっと切り替わるのもテンポ感があってよかった。

上演時間59分。