ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』 | 新・法水堂

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ニッポン放送開局70周年記念公演

『鴨川ホルモー、ワンスモア』



【東京公演】
2024年4月12日(金)~29日(月・祝) 
サンシャイン劇場

原作:万城目学(『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』/角川文庫刊)
脚本・演出:上田誠(ヨーロッパ企画)
美術:長田佳代子 音楽:伊藤忠之
振付:EBATO 映像:大見康裕
照明:倉本泰史 音響:加藤温
衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき
演出助手:山田翠 舞台監督:川除学
制作:辻村実央、加藤恵梨花、新井莉音
宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:神ノ川智早
宣伝衣裳:髙木阿友子
宣伝ヘアメイク:大宝みゆき
AP:近藤由弥(ニッポン放送)
プロデューサー:後藤隆志(ニッポン放送)、佐々木康志(PRAGMAX&Entertainment)
制作協力:PRAGMAX&Entertainment、ヨーロッパ企画/オポス
企画・制作:ニッポン放送

出演:
中川大輔(京大青竜会1回生・安倍)
八木莉可子(同・早良京子)
鳥越裕貴(同・高村)
清宮レイ[乃木坂46](同・楠木ふみ)
佐藤寛太(同・芦屋満)

角田貴志[ヨーロッパ企画](同・三好兄)

平井まさあき[男性ブランコ](同・三好弟)

浦井のりひろ[男性ブランコ](同・松永)

藤松祥子(同、二人静・紀野)

ヒロシエリ(同、二人静・坂上)

岩崎う大[かもめんたる](京大青竜会第499代会長・菅原真/龍谷大学フェニックスメンバー)

石田剛太[ヨーロッパ企画](京大青竜会3回生・清原/龍谷大学フェニックスメンバー)

片桐美穂(同・大江/龍谷大学フェニックスメンバー)

土佐和成[ヨーロッパ企画](京都産業大学玄武組第499代会長・清森平)

槙尾ユウスケ[かもめんたる]龍谷大学フェニックス

第499代会長・立花美伽)

酒井善史[ヨーロッパ企画](立命館大学白虎隊第499代会長・柿本赤人)

日下七海(同志社大学黄龍陣、芦屋の元恋人・山吹巴

/龍谷大学フェニックスメンバー

中川晴樹[ヨーロッパ企画](ぺろべろばあ店長・安倍)

STORY
2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。すべては思い返せば喜劇。鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。【公式サイトより】

遂に直木賞作家となった万城目学さんの代表作『鴨川ホルモー』とサイドストーリー『ホルモー六景』をヨーロッパ企画の上田誠さん脚本・演出により舞台化。


舞台は鴨川の土手。土手は可動式となっていて、左右に開くと安倍部屋が出現。下段の左右には鳥居。上段はべろべろばあとしても使用。


『鴨川ホルモー』自体は2009年に鄭義信さん脚本・演出によって舞台化されているが、今回は『ホルモー六景』のエピソードも程よく按配されていて、構成の妙が光る。とりわけ冒頭のシーンが最後に繰り返されるあたりは、この2時間で視野が広がったような錯覚さえ与えてくれるものだった。

第一報を聞いた時は、正直なところ、上田くんならそれなりにうまくはやるだろうけど、どうして今更『鴨川ホルモー』なんだろう、とも思っていたけど、奇抜な設定と個性的なキャラたちは十数年の時を経ても充分に楽しむことができることが証明された(映画版を見直す気にはなれないけど。笑)。

キャストも総じてよかったが、これが初舞台となる八木莉可子さんはそのクールな見た目と妙な動きとのギャップが楽しく、生で見るのは初めての清宮レイさんは安倍への思いを伝えるシーンにグッと来た。
あとは何と言っても、双子の三好兄弟。だんだん本当の双子に見えてきたほどハマッていた。
中川晴樹さんはギターを持って弾き語り。安倍が好きなさだまさしさんの「北の国から」「関白宣言」風の歌の他、なぜかまさしから派生して山崎まさよしさんの「セロリ」風の歌も披露。

上演時間2時間。

おまけトークは上田、土佐、石田、酒井、中川のヨーロッパ企画メンバーに『たぶんこれ銀河鉄道の夜』などに出演の戸塚純貴さんを迎えて。戸塚さん、『虎に翼』に第4週から轟太一役として登場されるのね。