こまつ座『夢の泪』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

こまつ座 第149回公演

東京裁判三部作 第二部

『夢の泪』



【東京公演】
2024年4月6日(土)〜29日(月)
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

作:井上ひさし 演出:栗山民也
音楽:クルト・ヴァイル、リチャード・ロジャース、ハリー・パー=デイヴィス、宇野誠一郎
音楽監督・編曲:久米大作 美術:長田佳代子
照明:服部基 音響:井上正弘

衣裳:前田文子 ヘアメイク:佐藤裕子

振付:井手茂太 歌唱指導:やまぐちあきこ
宣伝美術:ささめやゆき 演出助手:戸塚萌
舞台監督:村田旬作 制作統括:井上麻矢

出演:
ラサール石井(弁護士・伊藤菊治(46)) 
秋山菜津子(同、菊治の妻・伊藤秋子(38)) 
瀬戸さおり(秋子の娘・伊藤永子(19)) 
久保酎吉(弁護士・竹上玲吉(69)) 
粕谷吉洋(法律事務所事務員、夜学生・田中正(28))
藤谷理子(将校クラブ専属歌手・ナンシー岡本(29))
板垣桃子(同・チェリー富士山(29))
前田旺志郎(新橋片岡組組長代理で学生・ 片岡健(19)) 
土屋佑壱(米陸軍、法務大尉・ビル小笠原(35))
朴勝哲(ピアノ演奏)

STORY
昭和24年、新橋駅近く。弁護士・伊藤菊治は、継父を慕う秋子の娘・永子、事務所に住み込みで働く田中正と暮らしている。亡父の残した法律事務所で働く菊治のもとへは、永子の幼なじみ・片岡健やクラブ歌手のナンシー岡本とチェリー富士山から数々の騒動が持ち込まれる。そんな折、妻・秋子が東京裁判においてA級戦犯・松岡洋右の補佐弁護人になるよう依頼される。事務所の宣伝のため、とりわけ秋子との関係修復のため、菊治も勇んで松岡の補佐弁護人になるが、難問が山積み。ついにはGHQの米陸軍法務大尉で日系二世のビル小笠原から呼び出しが菊治にかかる...【公演チラシより】

2003年初演。井上ひさしさんが足掛け6年をかけて書き上げた東京裁判三部作の第二部。

最初は素舞台。下手にピアノの朴勝哲さん。
冒頭9人揃っての歌があり、途中で左右から島舞台が出てきて合体。中央に出入口。長机と椅子。壁際に普通の机と椅子。壁の上方には穴が空いていて月?が見える。

今月放送が始まった『虎に翼』ではヒロインが女性初の弁護士を目指して奮闘中だが、本作では女性弁護士が東京裁判で松岡洋右の補佐弁護人を務めるというのだから、わずか13年で時代も変わったものよのうと思ってしまう(史実として女性がいたのかは確認ができなかったけど)。

井上ひさしさんのライフワークとも言える本作、東京裁判における天皇をめぐっての扱いや日本人が日本人を裁く必要性があったことなど、随所に井上ひさしさんらしい視点が入り込むものの、全体的にはやや物足りなさを感じた。
特に主演の方がなぁ…嫌いではないけど、主演を張れるだけの演技力があるとは到底思えず、率直に言ってキツかった。

上演時間2時間48分(一幕1時間23分、休憩15分、二幕1時間10分)。