ムニ
『つかの間の道』
2024年3月9日(土)〜17日(日)
アトリエ春風舎
作・演出:宮崎玲奈
舞台監督:水澤桃花(箱馬研究所)
照明:緒方稔記(黒猿)
舞台美術:本橋龍(ウンゲツィーファ)、村上太郎
劇団制作:上薗誠 宣伝美術:渡邉まな実
公演制作:中條玲
企画制作・主催:宮崎企画
出演:
南風盛もえ[青年団](マユミのめい・カノコ)
立蔵葉子[青年団/梨茄子](カノコのおば・マユミ)
ワタナベミノリ(カノコの友人・ナノカ)
木崎友紀子[青年団](近所に住んでいるマユミの友人・シノヅカ)
石渡愛[青年団](タナベの恋人・ミヤビ)
吉田山羊(ミヤビの恋人・タナベ)
藤家矢麻刀(池袋にいる男・ヒサダ/ミヤビ、タナベの旧友・クロダ)
STORY
いなくなった親友にそっくりのヒサダさんに出会うカップル。夫がいなくなり、姪と暮らしている女、近所に住むおばさん。日常がちょっと変に歪んでいく、ふたりの遠出。遠くに行きたいけど、行けない。今いる場所に、かつていた場所が重なっていく。これは都市生活者冒険譚である。【公式サイトより】
本年より黒澤優美さんとの作家2人体制となったムニの二本立て公演。宮崎玲奈さん作・演出のこちらは2020年、宮崎企画で初演された作品をリクリエーションしたもの。
舞台は素舞台。台詞はやや棒読みにして、動きはチェルフィッチュのようにして演じる(当日パンフレットに長文のステイトメントあり)。暗転はなく、場面が終わると役者は動きを止めてはけ、また次の場面の役者がスタスタと歩いて位置につくといった塩梅。
新体制になって新たなる試みといったところだが、演出の効果についてはちょっと微妙かな。こちらが「チェルフィッチュっぽい」と感じてしまっている時点で新鮮味はないし……。
物語自体は、カノコがナノカとともに行ったことのない場所に行ってみたり、ミヤビとタナベがヒサダに池袋を案内してもらったり、マユミとシノヅカが熱海に旅行に行く話をしたりと登場人物たちがそれぞれどこかに行こうとするのだが、最後に再び冒頭のやりとりが繰り返されるあたりは地味に心に沁みた。
ちなみに舞台監督と照明が昨日観た猿博打『まじめにきまじめ』と同じ。といってもこちらの作品は上述通り照明変化はほとんどないので、黒澤作品(よく考えたら2人とも日本映画界を代表する映画監督と同じ苗字だ)がメインだろうけど。
上演時間56分。