キルハトッテ『そろそろダンス。』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

キルハトッテvol.4

『そろそろダンス。』



2024年3月14日(木)〜17日(日)
王子小劇場

作・演出:山本真生
ドラマターグ:大池容子(うさぎストライプ)
舞台美術:伊東あおい 舞台監督:髙﨑悠珂​ 
照明:石野真也 照明オペレーター:鷲津悠
音響:平井寛人(studio hiari)
音響オペレーター:木村友哉(ザジ・ズー)
制作:渡邉結衣(みちばたカナブン/にもじ)
制作補佐:観月杏樹 演出助手:佐藤琢磨
衣裳:岡花暖
宣伝美術:酒井まりあ(演劇ユニット タイダン)

出演:
井澤佳奈(あたたかハルヒ)
中嶋千歩(ナノカ)
奥山樹生(マサニ)
吉沢菜央[キルハトッテ](アヤ)
大塚遊馬(カオル)
川合凜(「アヤヤ」)

STORY
「あたたかハルヒ」は、今日、アイドルを卒業する。彼女はステージで今までの人生を語り始めるのだった。だって、卒業コンサートに感動のスピーチはつきものでしょう? これは「あたたかハルヒ」の人生をウソや可能性を交えながら、切り取って、コラージュして描かれる一代記!【公式サイトより】

佐藤佐吉演劇祭2024参加作品。

舞台下手奥にドア。その手前にテーブルと椅子2脚。中央の床に円形のカーペット、奥にソファ。上手に鏡台。天井からはビーズ紐が8本垂れている。

冒頭、松浦亜弥さんに憧れてアイドルになったあたたかハルヒが卒業コンサートでスピーチをするところから始まる本作、その空間は楽屋のようにもハルヒの部屋のようにもなり、小学生時代の友人アヤがランドセルを背負って当時の姿で登場したり、大学時代の友人で結婚を控えるカップルだと思っていたナノカ(ムニ『つかの間の道』と連続してナノカが出てくる奇跡)とマサニがハルヒの母親と父親になったり、「アヤヤ」というアイドルが自分のことを母親だと言い出したり、時間と場所だけではなく関係性も揺れ動きながら展開していく。
最初からつきまとっているのが死のイメージで、ハルヒのスピーチにも出てくるし、マサニもアヤもカオルもハルヒに白い菊を1本ずつ渡していく。とすれば、
これはハルヒが人生の卒業=死を迎えるに際して見た白日夢の類だったのであろうか。

吉澤菜央さんの小学生っぷりがハマっていた。

上演時間1時間9分。