『Yuichiro&Friends-Singing!Talking!Not Dancing!-』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『Yuichiro & Friends -Singing! Talking! Not Dancing!-』



【東京公演】
2024年1月6日(土)〜26日(金)
シアタークリエ

構成・演出:山田和也
音楽監督:鎮守めぐみ
アレンジ・ピアノコンダクター:松田眞樹
歌唱指導:山口正義
美術:松井るみ 照明:倉本泰史
音響:山本浩一 衣裳:渡邊奈央
ヘアメイク:川端恵理子(スタジオAD)
演出助手:鈴木ひがし 舞台監督:佐藤博
音楽コーディネート:東宝ミュージック
バンドコーディネート:ダット・ミュージック
稽古ピアノ:松田眞樹、中條純子
制作:中曽根さやか
プロデューサー:服部優希、村田晴子

出演(1/8):
山口祐一郎
石川禅
大塚千弘
中川晃教
保坂知寿

演奏:
松田眞樹(ピアノ)
大月文太(ギター)
土井孝幸(ベース)
徳永友美(ヴァイオリン)
近藤淳(サックス)
鎌田裕美子(キーボード)
東佳樹(ドラム)

帝王・山口祐一郎さんがミュージカル界で活躍する豪華ゲストを迎えて送るトーク&コンサート。10人のゲストのうち、4人ずつ出演。

舞台は中央に階段。下手にレンガ模様の壁があり、出演者のパネル(後にサインを入れて来場者プレゼントに)や舞台写真。上手にはバンドが陣取り、上方にはシャンデリア。前方スペースには一人掛けの高級そうな椅子が5つ並び、背景にはニューヨークらしき街並みのシルエット。

冒頭、タキシード姿で登場の帝王。聞いたことがない歌だけど、多分ミュージカルのナンバーなんだろうな……と思ったら、最後に「四谷第三小学校」と出てきてびっくり。帝王の母校、今はなき四谷第三小学校の校歌だそうで。
続いて大塚千弘さんは『リトル・マーメイド』の楽曲、石川禅さんが「雪の華」、保坂知寿さんが「ハッピーエンドの作り方」、中川晃教さんが「私の好きなもの」をそれぞれ披露してトークへ。
トークは下手から石川、保坂、山口、大塚、中川の順で着席。それぞれソロで歌った曲は自分が歌いたいものだったそうで、海の近くで育ち、祖父が漁師だったという大塚さんは昔から海に潜ることが好きで、『リトル・マーメイド』を観て自分の前世が人魚だったのではと思ったとか。そこから各自が前世話をひとくさりする流れに(全員前世を見てもらったことがあるようだけど、そんなに一般的なの?笑)。ちょいちょい山口さんが話の腰を折って脱線気味のため、中川さんが曲を選んだ理由は割愛。笑

再び歌のコーナーとなり、今度は2人ずつ。まずは中川さん&大塚さんで2人が共演し、山口さんも出ていたミュージカル『モーツァルト!』から「愛していれば分かり合える」。私がこの作品を観たのは井上芳雄版(2005年)だったので19年越しにこのペアを見られたことに。ちなみにこの2人は同じ年の劇団☆新感線『SHIROH』でも共演していて、その時の大塚さんの役名がリオ。ひょっとして妹さんの芸名はこれが由来?
その後、山口さんが英語で「Days of Wine and Roses」を歌い上げてトークその2へ。
先程の前世話の続きで、山口さんが中学生になった頃、とある作家に出逢い、剣道の上段の構えをするように言われたというエピソードを披露。その作家は翌年、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げたそうな……。このエピソードには他の出演者もびっくり(ちなみに脇腹にホクロが3つあるかどうかを確かめようとしていたというのは、『豊穣の海』の話ですな)。
2人での歌パートは禅さん&保坂さんで「夜のボート」、最後は山口さんによる『ダンス・オブ・ヴァンパイア』ACT-1フィナーレで第一幕おしまい。

第二幕は衣裳チェンジした男性陣から。「最後のダンス」ということもあってか(?)サブタイトルに反して「Choo Choo Train」ダンスも披露。山口さんは薄いグリーンのコート姿。
トークでは「今だから話せること」をテーマに出演舞台のエピソードを披露。禅さんは保坂さん主演の『パイレート・クィーン』公開稽古での出来事、大塚さんは『レベッカ』のオーディションでのハプニング(さすがにこれは書かないでおく。笑)など。

トーク後、今度は山口さん+女性陣で「元気を出して」。続いて中川さん、禅さん、山口さんのソロ。山口さんは「Lover, Come Back to Me」を歌いながら、ピアニストをしていた2番目の父親を思い出したそう(全部で父親が5人いるとか)。トークは先程の続きで、保坂さんが劇団四季時代、『キャッツ』での山口さんの話。それに関連して禅さんが『レ・ミゼラブル』での山口さんの作詞能力の話。
ソロパートでは保坂さんが吹き替えを担当したアニメ映画『ノートルダムの鐘』の一曲。続いて大塚さん、山口さんのソロ。ここでも社交ダンスっぽい振り付けあり。
最後は5人揃って「翼をください」。いやもうさっきまでゆるいトークで笑っていたのに、その数秒後によく切り替えられますねと感心するばかり。

いったん幕が下り、再び幕が上がると山口さん一人が残り、しっとりと歌い出し。ん、でもこの歌詞どこかで聞いたことがあるような…と思っていると、「はじめてのチュウ」!! 元々名曲ではあるけど、山口さんが歌うとまた違った味わい。
予定時間をオーバーして楽しませてもらいました。
とりあえずこれで山口さん、大塚さん、保坂さん出演、山田和也さん演出『家族モドキ』の悪いイメージは払拭されたかな。笑

セットリストは以下の通り。
【第一幕】
1. 四谷第三小学校校歌/山口
2. パート・オブ・ユア・ワールド(『リトル・マーメイド』)/大塚
3. 雪の華(中島美嘉)/石川
4. ハッピーエンドの作り方(『モダン・ミリー』)/保坂
5. 私の好きなもの(『サウンド・オブ・ミュージック』)/中川
〜トーク〜
6. 愛していれば分かり合える(『モーツァルト!』)/中川・大塚
7. Days of Wine and Roses(『酒とバラの日々』)/山口
〜トーク〜
8. 夜のボート(『エリザベート』)/石川・保坂
9. ACT-1 フィナーレ(『ダンス・オブ・ヴァンパイア』)/山口
【第二幕】
10. 最後のダンス(『エリザベート』)/山口・石川・中川
〜トーク〜
11. 元気を出して(竹内まりや)/山口・保坂・大塚
12. Night and Day[夜も昼も](コール・ポーター)/中川
13. スターズ(『レ・ミゼラブル』)/石川
14. Lover, Come Back to Me[恋人よ我に帰れ](『ニュー・ムーン』)/山口
〜トーク〜
15. ゴッド・ヘルプ(『ノートルダム・ド・パリ』)/保坂
16. 明日への手紙(手嶌葵)/大塚
17. Fly Me to the Moon(バート・ハワード)/山口
〜トーク〜
18. 翼をください(赤い鳥)/山口・石川・大塚・中川・保坂
【アンコール】
19. はじめてのチュウ(あんしんパパ『キテレツ大百科』)/山口

上演時間3時間2分(一幕1時間11分、休憩25分、二幕1時間26分)。