新宿梁山泊『少女仮面』 | 新・法水堂

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新宿梁山泊 李麗仙追悼特別公演

『少女仮面』

 

 
2021年12月24日(金)〜27日(月)
芝居砦・満天星
 
作:唐十郎 演出:金守珍
劇中歌作曲:小室等、大貫誉 舞台美術:大塚聡+百八竜
照明:泉次雄+ライズ 音響:大貫誉 衣装:Project Nyx
振付:大川妙子 殺陣:佐藤正行
舞台監督:竹原孝文 イラストレーション:宇野亞喜良 宣伝デザイン:福田真一
制作協力:野口和美
 
出演:
水嶋カンナ(春日野八千代)
紅日毬子[虚飾集団廻天百眼](少女・貝)
のぐち和美[青蛾館](老婆)
大久保鷹(水道飲みの男)
近童弐吉(腹話術師)
藤田佳昭(ボーイ主任)
柴野航輝[創造Street](ボーイ1/人形/看護婦)
二條正士(ボーイ2/甘粕大尉)
清水美帆子(防空頭巾の女1)
本間美彩(防空頭巾の女2)
矢内有紗(防空頭巾の女3)
 
STORY
宝塚のスターを夢見る少女・貝は老婆と一緒に、往年の宝塚のスター、春日野八千代を訪ねてとある地下の喫茶店にやってくる。そこは防空壕のように閉鎖された空間、ひたすらタップを踊る謎のボーイたち、それを支配するボーイ主任、いつも喉を乾かせて水を呑みにくる中年男、主の春日野は今も濃い化粧で男装し、時間が止まったような日々を過ごしていた。春日野に見初められた貝は演技指導を受け、夢心地になるが、外からやってきた男に蹂躙された春日野は戦争時の記憶が蘇り、様々な悪夢となって春日野を狂気の渕に追い込んで行く。貝に助けを求める春日野にそれすらも演技の指導としか見ない貝は春日野を冷たく扱う。春日野は絶望し一生外す事の無い、仮面をかぶっていく……。【「こりっち」(2015年版)より】

今年6月22日に亡くなった李麗仙さんを追悼しての公演。
『泥人魚』に続いて今月2本目の唐十郎×金守珍の組合せ。
 
新宿梁山泊では2015年、李麗仙さん主演で上演。ご本人は来年、80歳になる年に再び上演することに意欲を示していたとか。
私が本作を観るのは昨年のトライストーン・パブリッシングmétroに続いて3度目。
3つの中ではやはり今回がいちばんアクが強く、次に何が飛び出すか分からないような不穏さに満ちていた。
 
ただ、李麗仙さんが演じてきた春日野八千代に関しては、最初に観たトライストーン・パブリッシング版での若村麻由美さんがあまりにもカッコよく、正直なところ、月船さららさんも今回の水嶋カンナさんもそれに比べると見劣りしてしまったのも事実。
一方、少女・貝役の紅日毬子さんはこれぞザ・少女といった趣でハマッていた。のぐち和美さん扮する老婆との相性もよかった。
 
上演時間1時間29分。
 
劇場隣の喫茶室では写真展も。