COCOON PRODUCTION 2021『泥人魚』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

COCOON PRODUCTION 2021

『泥人魚』

DORO NINGYO

 

 
2021年12月6日(月)〜29日(水)
Bunkamuraシアターコクーン
 
作:唐十郎 演出:金守珍
音楽:大貫誉 美術:大塚聡 照明:泉次雄 音響:友部秋一
衣装:伊藤佐智子 ヘアメイク:新井健生 映像:大鹿奈穂、石原澄礼
振付:広崎うらん 殺陣:佐藤正行
美術助手:岩本三玲 演出助手:加藤由紀子 舞台監督:幸光順平
歌唱指導:安倉さやか 方言指導:浦野興治
宣伝美術:榎本太郎 宣伝写真:江森康之 宣伝衣装:伊藤佐智子
宣伝ヘアメイク:稲垣亮弐 宣伝広報:ディップス・プラネット
エグゼクティブ・プロデューサー:加藤真規
チーフ・プロデューサー:森田智子
プロデューサー:金子紘子 制作助手:藤崎晃雅
 
出演:
磯村勇斗(浦上蛍一)
宮沢りえ(やすみ)
風間杜夫(詩人・伊藤静雄)
愛希れいか(とある会社の秘書室長・月影小夜子)
岡田義徳(静雄の元弟子・しらない二郎)
大鶴美仁音(ヘルパー・腰田)
金守珍(立ち喰いそば屋の主人)
渡会久美子(そば屋の店員・待田)
六平直政(調査専門ブローカー・踏屋(夜))
八代定治(踏屋の部下・ガニ)
広島光(蛍一の友・夕ちゃん)
島本和人(天ちゃん)
宮原奨伍(草ちゃん)
石井愃一(闇夜船の船長・魚主)
板倉武志(ガニの部下一)
奈良原大泰(ガニの部下ニ)
キンタカオ(ガニの部下三)
趙博(義眼の漁師・ガンさん)
 
STORY
港の町を去って、今は都会の片隅にあるブリキ店で暮らす蛍一。店主の静雄は、まだら呆けの詩人だ。陽が落ちると急にダンディな夜の詩人と化す。ある時店に現れたのは、詩人を「先生」と呼ぶ男、しらない二郎。二郎は詩人静雄の元門下生であり、蛍一とは、長崎・諫早の「しゃっぱ(シャコ)漁港」で共に働いた仲だった。干拓事業の賛否に揺れる漁港では、湾を分断する「ギロチン堤防」が内側の調整池の水を腐らせ不漁が続き、池の埋め立てに反対だった仲間の漁師が、次々と土建屋に鞍替えしていく。そんな現実に絶望した蛍一は、港の町を去ったのだ。一方の二郎は、実は港に派遣された「さぐり屋」だった。依頼主は、月の裏側を熟知しているとのたまう女、月影小夜子。二郎の裏切りを蛍一がなじっていると、蛍一を探して、やすみという女が現れる。少女時代、漁師のガンさんに海で助けられ、養女となった娘だ。蛍一が「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ぶやすみは、ある約束を果たしに来たと言う。「人の海の貯水池で、言ったとおりの人魚になれ」と。蛍一の前で見せた片方の足には、一条のきらめくものがはりついていて──。【配役表より】

2003年、唐組によって初演された作品を金守珍さんが演出。金さんが唐作品をコクーンで演出するのは、『ビニールの城』、『唐版 風の又三郎』に続いて3度目。
 
初演は豊田市の挙母神社で観ている本作、藤井由紀さんが務めたヒロインは、当初から宮沢りえさんをイメージして書かれたものだったとか。
元々唐作品にしては短めだが、『唐版 風の〜』同様、体感時間としてもかなり短く感じた。ただ、前作ほどの引き込まれなかったのも事実。本作については、元唐組で初演出演者の丸山厚人さんがかなり厳しいツイートをされていたけど、全体的にパワー不足かな…。
 
キャストでは磯村勇斗さんの奮闘ぶりも悪くなかったが、やはり宮沢りえさんの存在感。今まで何度となく出演舞台を観ているけど、一番若く見えるって本当に人魚なのか、はたまた人魚の肉でも食べているのか。笑
愛希れいか(まなき、と読むことをさっき知った)さんは人間離れした脚の長さと細さにびっくり。昨日の真飛聖さんもだけど、やはり元宝塚は違いますなぁ。
風間先輩も楽しそうで何より。
大鶴美仁音さんは初演では新宿梁山泊の近藤結宥花さんが演じた役どころだったけど、おじゃる丸姿が可愛らしかった。
 
上演時間2時間10分(一幕50分、休憩10分、二幕1時間10分)。