温泉ドラゴン『続・五稜郭残党伝〜北辰群盗録』 | 新・法水堂

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温泉ドラゴン第16回公演

『続・五稜郭残党伝〜北辰群盗録』
 
 
2021年12月17日(金)~27日(月)
すみだパークシアター倉
 
原作​​:佐々木譲 『北辰群盗録』(徳間文庫)
脚本・演出:シライケイタ
美術:松村あや 照明:奥田賢太(colore)​ 音響​​:佐久間修一(POCO)
音楽:加藤史崇(POCO) 衣裳​​:竹内陽子 殺陣:渥美博
演出助手:森菜摘 舞台監督:青木規雄(箱馬研究所)
照明オペレーター:南方悠里 衣裳製作:笹木明日香
演出部:鈴木千晴、佐野信輔 方言指導(鹿児島弁):眞砂佳奈子
大道具製作: C-COM舞台装置、美術工房拓人
宣伝美術 :村井夕(windage.) 宣伝写真 :宿谷誠
制作​​:古川真央、植松侑子(syuz'gen) 制作インターン:平野みなの
 
出演​​:
【共和国騎兵隊】
阪本篤[温泉ドラゴン](兵頭俊作)
坂本岳大(大門弥平次)
佐藤銀平[サスペンデッズ](中川与助)
伊原農[ハイリンド](田沢惣六)
林明寛(生田三郎/ゴロツキ5)
浅倉洋介(棟方甚八)
山﨑将平(水野兵太郎/正五郎/ゴロツキ1)
筑波竜一[温泉ドラゴン](トキノチ)
土井ケイト(マルーシャ)
【新政府討伐隊】
いわいのふ健[温泉ドラゴン](矢島従太郎)
五十嵐明[青年座](畑山六蔵)
内田健介(山上勘吉)
山口祥平[PRAY▷](野本新平/ゴロツキ2)
近藤修大(田原午之助/ゴロツキ3)
遊佐明史[演劇塾 SCARACROWS・LEG](及川晋作/ゴロツキ4)
香川耕二[グループK](トキノチの父・アエトモ/多吉/店主/人質1)
秋谷翔音[青年劇場](トキノチの弟・カリサン/三次/人質2)
シライケイタ[温泉ドラゴン](隅倉兵馬)
成田浬(榎本武揚/岩村通俊)
 
STORY
五稜郭開場から五年。開拓が進む北海道各地で、共和国騎兵隊を名乗る盗賊団が跋扈していた。明治政府に対し「戦争は続いている」と主張する頭目は、五稜郭で旧幕府軍として戦った兵頭俊作。討伐隊として送り込まれた元幕臣、矢島従太郎は、かつて兵頭と共に理想の国・共和国を夢見て闘った同志であった。それぞれの理想は彼らを、人々をどこへ導くのか……。【当日パンフレットより】

2年前に上演された『五稜郭残党伝』の続篇(原作自体は別物とのことで、共通する登場人物は隅倉兵馬ぐらい)。
 
開演時間になると、温泉ドラゴンの4人のメンバーが登場。シライケイタさんが昨年4月に10周年記念公演『SCRAP』がゲネプロまでやりながら上演中止に至った経緯やその後、DVDを製作したりクラウドファンディングをしたりして支援してもらったことへの感謝を述べて4人とも深々と頭を下げる。いやもうこんなんされたら、本番前から泣いてまうわ。
 
前作同様、出演者はほとんど男ばかり。その中で共和国設立という理想に燃える兵頭率いる共和国騎兵隊と、それを阻止するべく派遣された矢島率いる討伐隊との攻防を描く。短いシーンを積み重ねてテンポよく進行していくのも同じで、最後の雪降る中での兵頭と矢島の対決は美しくも熱い。特にいわいのふ健さんは汗だくになりながらの熱演。
演出面で言うと今回も焚き火があったが、演者はもう少し炎の熱さを意識した方がいいのでは。普通にすぐ側を通っている人もいたし。
 
紅一点の土井ケイトさんはロシア人とアイヌとの混血という設定。「生きる場所を与えてくれた」と兵頭たちと行動をともにするというあたりはよかったけど、終盤になるにつれ印象が薄くなってしまったのが惜しまれる。
 
上演時間2時間3分。