こんにちは
韓国在住 日韓夫婦の日本人妻のHyeriです
今日は、私も最近理解して、
おぉ～っとなった韓国文化…いや、文化とは少し違う気が…
概念…とでもいいましょうか…
とにかく、
その名も・・・
本貫 ほんかん
（韓国語読みだと、ボングァン）
突然ですが、「愛の不時着」ご覧になりましたでしょうか？？
三話の船の上のシーン、主人公二人のこの会話…
ユン・セリ（以下Ｓ）：私の名前は、ユン・セリよ。
リ・ジョンヒョク（以下Ｊ）：私は、リ・ジョンヒョクだ。
（何かを思い出したかのように…）
Ｓ：あ、そうだ、私は、ヘジュ ユン氏なの。ヘジュは北朝鮮よね！！
Ｊ：僕は、チョンジュ リ氏だ。
Ｓ：なんだか皮肉ねぇ…
…とのこと…（笑）
正直、日本人には、
え？？なにが
って感じでしょう…
この会話に出てくる、
ヘジュ（海州）ユン（尹）氏
チョンジュ（全州）リ（李）氏
この、ヘジュとチョンジュが本貫にあたります。
セリの言うように、ヘジュは現在の北朝鮮の都市…そして、
そういう意味で、「皮肉ね…」と言った訳ですね
さてこの本貫、要は、
無理やり日本で例えてみますが、
佐藤さんって苗字多いですよね
その佐藤さんの中にも、「関東の佐藤」「九州の佐藤」「
その血筋のことを「本貫」と呼んでるわけですね
この本貫、
なんなら日常会話ででてくるそうです。
特に同じ姓の人とあったとき、
「あぁ～同じ金氏ですね、本貫はどちらですか？？」
と初対面で聞く人もいるとか。
私も、韓国人のお友達6人で会ったとき、
「みんな金氏だけど、本貫はみんなバラバラだからね～ 다행히…※←タヘンイ…と読み、意味は、幸いに…的な感じ」
なんで幸いに…なのかは後半で説明するとして…
ほらほら、すでにゾクゾクしません？？
良くも悪くも・・・（え？
日常からすでに、
そもそも日本とは苗字の数が比較にならないほど少ない韓国、※
日本では漢字で姓を名乗れば、ある程度どこらへん…
韓国の諺に「血は水よりも濃い」というのがあるそうで、
この氏（姓）も本貫も同じことを、
同姓同本 どうせいどうほん
（동성동본 ドンソンドンボン）
といいます。
そして、この同姓同本であった場合、結婚できないいう法律があったのです
そもそも高麗の時代から同姓禁婚の決まりがあり、日本統治時代も朝鮮の慣習法として認められていたそうです。
第二次世界大戦後は1958年に制定された民法で、同姓同本である血族の間では結婚できない（祖先を同じくする者は血族である）と規定されました。
しかし、一番多い「金海金氏」は400万人もいます
たまたま出会って結婚したいと思った相手が同姓同本というケースは多かったそう。
なかには、子どもが生まれたものの婚外子として育てなければならないという人たちもいて、これが社会問題化しました。
そこで、韓国政府は80年代から段階的にこの法を変え、現在は
「８親等以内の親族との婚姻を禁ずる」
というところまで、ゆるくなったようです。
しかし、日本の法律では、
従兄弟（4親等）から結婚できることを考えてもかなり厳しめですね
さて、ブログ題にもなっている、同姓だと結婚できない…についてですが、
結論は上記の通り（8親等以内でなければ）同姓同本でも結婚できます
法的には・・・
そう、「法的には」です。
考えてみてください。
私たち日本人も現在法律的に「従兄弟同士は結婚できる」と知ってはいますが、実際はあまり聞かないですよね…？
（戦前戦後はいとこ婚多かったそうです。私の祖父母も血縁関係はないものの戸籍上いとこ同士での結婚だそう。）
ここから先は、私がヒアリングした夫であるイチ韓国人の主観の話が多いので、あらかじめご了承してくださればうれしいです。
韓ドラをご覧になる方ならここまで読んで、思い浮かぶ夫婦（元．．．
）がいるはず…
そう、「太陽の末裔」
で主人公＆ヒロインを演じた、
ソンソンカップル こと
ソン・ジュンギさん
と
ソン・ヘギョさん
ドラマがきっかけで、交際に発展し、結婚
二人とも大スターということもあり当時かなり話題になりました
（昨年、離婚してしまいましたが・・・）
結婚の事実もさることながら、二人が同じ姓なので、ちょっとしたイシューになったとか。
以下、韓国語ニュースサイトを簡単に訳したものです
5日、俳優のソン・ジュンギとソン・ヘギョの結婚のニュースが飛び込み、人々の反応は熱い。
しかし、二人は同姓同本だから、結婚できないのでは？？という論争が起こっている。
実際二人は、ヨサン・ソン氏とウンジン・ソン氏であり、同姓同本ではないが、始祖は同じ人物だ。
もちろん法的に同姓同本禁婚規定はすでに廃止されている。
しかし、二人は同本ではないが、始祖は同じソン氏であるため、論争になった事は、論争は法律以上の伝統的、歴史的理由に根拠を置いているということをうかがえる・・・
…こんな感じです
夫曰く、そもそも、同姓同士で結婚しない…というのが暗黙の了解であったため、
※注※キム・パク・イ・チョン・チェなどの多い苗字は例外。
同姓同本禁婚の規定が廃止されたことすら知らない人もいる…とか。
私がこの本貫に興味を抱くきっかけにもなった
ドラマ「応答せよ１９８８～恋のスケッチ～」でも ※あ、以下ネタバレあり。
主人公の姉と幼馴染が恋仲になって結婚したいんだけど、同姓同本のソン氏のため両親から反対される
→
姉が司法修習生の設定で「今、国会で法律を変えるよう動いている、
来年には改正されるはずだ。」
と両親を説得するシーンがあります。
二人は結局、結婚するんですが、時代背景と当時の社会問題が反映されてますね。
で、結局、現代2020年はどうなんだ…というところなんですが、あくまで夫の話をまとめるとこうです
同姓同本の結婚は実際の知り合いにいないし、
聞いたことない。したとしても、隠すはずだ。
とのこと
理由①そもそも同姓を避ける傾向あり。
うちの夫は大学生の時に深く考えずに、同姓同本の女性と付き合い、それを知ったお父さんが烈火のごとく怒ったそうです。
その時は結婚など意識しない年齢だったけど、以降年齢を重ねるにつれ、気を付けるようになった…とのこと。
（夫は多い苗字ではないので、特に）
理由②同姓同本の結婚はやっぱり、ちょっとね…という社会の雰囲気がある。
特に結婚世代の親にあたる、現在50～60代より上の世代の方。
若い世代は気にしないので、将来的には変わるだろうとのこと。
※例外※
キム・パク・イ・チョン・チェなど多い氏は仮に同本で結婚したとしても、数が多いので、血縁的にかなり遠いし、他人からみると、「姓が同じだけで本貫が違うんだろう」と思われやすいため、ハードルは低しい、許容される雰囲気がある
前半に出てきたのキムさん3人の本貫がバラバラでよかったね。
という会話は、韓国で今も昔も人数圧倒的ナンバーワン苗字である、キム氏は本貫が違えば、もはや他人…仮にこの中で恋愛関係になっても気をもむこともないわ…というジョークだったですね
前述のソン・ジュンギさんとソン・ヘギョさんの氏「ソン」は確かに多いわけではないけど、そこそこいる苗字なんです。
（なので、本貫もたくさんあり、本貫が違う可能性も高い。）
その「ソン氏」ですら上記のようなイシューになるくらくらいなので、いかに、韓国（朝鮮半島）において、同姓不婚が根付いていたかが垣間見れますね
韓国の人々の家族への熱い思い、縁故関係の強さ…現代にも通じる要因のような気がして、この概念をしったとき、ちょっと
はっ
となった私です
次回は、この本貫が起因で
「日韓夫婦が子供に自由に名前を付けられない可能性」
について、書いてみたいと思います。
それでは、このへんで
アンニョ～～ン
Ｈｙｅｒｉ