リーリーゴー!のブログ

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なんだか温かくなれそうなことを書いていきたいな、と思い始めたブログ。
今は女子野球の観戦記…それも、「速報性皆無の観戦記」 を書いています。

先ほどの投稿で今年観戦できた高校女子野球選手権大会の観戦記は全18試合分すべて終了です。時間がかかりましたが、観た試合すべてについて観戦記をあげることができました。

 

ただ、もう1つだけこの観戦記で書きたかったことがありました。

それは女子の高校野球の存在意義とは何かという点について。

 

存在意義①:夢中になれるものであること

笑顔があふれるグラウンド。試合を観ていると、選手の皆さんが本当に野球を楽しんでいるなぁと感じることができます。自分が球場に観戦に来るのはこのいきいきとした笑顔を見て、明るい雰囲気を感じたいからなのかも…という気がします。

ただ単に野球を楽しむだけではなく、皆さんが本当に一生懸命に、真摯に取り組んでいると感じます。その結果、あれだけ楽しく試合に臨まれていた選手の皆さんが、試合に敗れると号泣にくれられます。


 

存在意義②:成長の場であること

以前と比べて女子の高校野球のチーム数が増え、それに合わせて選手数も増え、野球のレベルが高まっている…女子高校野球そのものの成長、女子野球界そのものの成長を感じます。ただ、この大きな視野での成長だけでなく、個々の選手やチームにおいて、今年の大会だけ観ていてもトーナメントが進むにつれてレベルが試合ごとに高まっているという気がします。勝つことによる「勢い」というものがこれまでの実力以上の力を発揮させるという面があるのだと思いますが、そんな成長を促す大会という舞台はとても貴重だと感じています。そして、自分たちのようなファンにとっては成長を続ける選手、成長し強くなっていくチームの観戦は本当に面白いです。


 

存在意義③:前向きな気持ちになる機会であること

試合会場に行くと、応援に来られる親御さんがとても多いなぁと感じます。また、打席に入ったとき、マウンド上に立ったとき、守備でアウトを取るプレーをしたときに応援をする親御さんやチームメイトからかけられる声援やポジティブな声…これだけの応援を一身に受けられる機会というのはなかなかないのでは、とても貴重な場なのではないかと思います。


 

存在意義④:仲間を得られる場であること

高校時代はたったの3年間。野球をしている時期は実質2年半くらいでしょうか…。長い人生の中では非常に短い期間ですが、そんな時期に「野球に夢中になる」という目的をともにした仲間と出会い過ごすことができることはすばらしいことだと思います。試合中、守備位置やベンチ、そしてスタンドから大きな声で仲間を応援する姿、ネクストバッターズサークルで待つ打者のところに声をかけにいく選手の姿、これらは他の場ではなかなか得ることができないような強い仲間意識なのかなと感じます。


 

こんな存在意義について自分が考えるきっかけになったのが、淡路佐野で開催された大会の開会式でした。

今甲子園で行われている男子の高校野球のようにすべての高校が集まるわけではなく、佐野淡路の2会場で大会初日の第一試合〜第三試合を戦うチーム(つまり試合のためにその場にいるチーム)のみが参加するこじんまりとした開会式ではありますが、そこで聞いた選手宣誓がものすごく自分の中で印象に残りました。


 

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宣誓

わたしたちはこの大会を通じて女子野球の魅力を全国に伝えます。

わたしたちの考える女子野球の魅力とは常に笑顔。そして、誰もが主役ということです。

グラウンドでプレーする選手だけでなく、ベンチで支える仲間もスタンドで声を張り上げる仲間も同じです。

野球をやってきたからこそ出会えた一期一会の仲間とこの舞台に立ち、最高の笑顔で輝きます。

そして、わたしたちは野球を通して応援される人がどんな人かを学びました。

それは、誰にでもできることを誰にもできないくらいに取り組む人です。

その大切なわたしたちの女子野球という舞台で応援される人としてわたしたちが全力を尽くす姿をお見せすることで

これまで支えてきてくださった方々に恩返しするとともに、小学生、中学生に熱い想いを届けます。

全国の方々に全員が主役の女子野球をお見せできるよう笑顔と感動のあふれる大会にすることをここに誓います

(宣誓をされた高校のインスタグラムより書き取ったもののため聞き違いがあるかもしれません)
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この宣誓をされたキャプテンは、そんなみんなが主役のチームで、自身やチームメイト、チーム全体そして女子高校野球の存在意義というのをしっかり見つめ、考えて宣誓されたんだろうなぁと思いました。

 

そして、このチームは実際に「誰にでもできることをだれにもできないくらいに取り組ん」でいらっしゃいました。

試合前、スタンドで観客席で落ちているゴミを拾い、客席を拭く方々、試合前や試合途中のグラウンド整備の時間に真っ先にグラウンドにトンボを持って飛び出し率先して整備を行う方々…どれもこの高校の赤いシャツを着た選手の皆さん。

 

この行動…指導の先生がやらせていることなのか、選手自ら自発的に行っていることなのか…。

その答えはわかりませんが、自分が見ている限り、まったくやらされている感がなく前向きにされている印象で、まさに「誰にでもできることを誰にもできないくらいにやるんだ」という気持ちが感じられました。

 

…選手宣誓の通り、彼女たちは応援される人、応援されるチームだと思います。きっと、そんな応援を受けて自らのことをとっても存在価値のある人だと感じることができているのではないかと思いました。

 

応援する周りの方々と応援されるすばらしい選手の皆さま…このすばらしい関係が女子高校野球の存在意義なんだと感じました。

[野球] 女子高校野球 クラーク記念国際 VS  福知山成美

 

2025年7月24日第四試合

福知山成美    200 401 1 |8

クラーク記念国際 400 200 0 |6

 

自分自身、1周間の兵庫県滞在で観戦した女子の夏の選手権大会の18試合、その最後となる準々決勝の第四試合。どの試合も熱戦になると想像して、実際にすばらしい熱戦になっていましたが、この第四試合もすばらしい熱戦でした。

 

初回の福知山成美は、クラーク記念国際の菊田投手に対して、失策と2つの四球で2死満塁のチャンスを作ると、6番浮ケ谷選手は中堅手の頭上を越えるエンタイトルツーベースを放ち、福知山成美が幸先よく2点を先制しました。

 

いきなり2点を追う展開となったクラーク記念国際でしたが、福知山成美の先発木戸投手から先頭の熊谷選手が鋭く三遊間を破る安打を放って出塁すると打線に一気に火がつきました。2番笠森選手が中前安打、3番谷津選手のバントは内野安打となり無死満塁とすると4番角選手は左翼手前に落ちる安打で1点を返します。中飛、投ゴロで2死満塁となったものの、7番千葉選手は1ボール2ストライクと追い込まれながらも4球目を左中間に運び3人の走者一掃の適時三塁打で一挙に試合を4−2とひっくり返しました。

 

クラーク記念国際の先発菊田投手は、コントロールに苦しみ、投げる軸足となる左脚の外側を拳でたたく姿が何度も見られるなど、万全の状態ではなさそうなマウンド…福知山成美打線に毎回四球を与えながらも味方の好守備もあって2、3回を無失点で切り抜けました。

 

しかし4回表、3つの四球などで1死満塁となったところでクラーク記念国際は大栁投手にスイッチしました。その投手の代わり端、福知山成美は2番三浦選手が走者一掃の左翼線への三塁打を放つと5−4と逆転。しかも2死後、新谷選手にも左前適時安打が飛び出し福知山成美が6−4と試合をひっくり返しました。

 

逆転されたクラーク記念国際は、先制した初回のあとチャンスらしいチャンスを作れずにいたものの、逆転された直後の4回裏、この回先頭の7番千葉選手が左前安打で出塁すると、犠打、犠飛で2死三塁として上位打線、1番熊谷選手に回します。その熊谷選手は2球目を中堅前に弾き返し三塁走者の千葉選手を生還させると、続く2番笠森選手は右線に適時三塁打。試合は再び同点になりました。2死三塁で打順3番というこの場面で福知山成美は木戸投手から真田投手にスイッチ(このとき交代を告げられた木戸投手のベンチまでの全力疾走が降板の悔しさを表しているようでした)。この真田投手が後続を中飛に打ち取り同点で試合が続くこととなりました。

 

 

両チームともリリーフ投手がマウンドに上った後、5回の攻防は両チーム走者は出すものの無得点。そして6回表の福知山成美の攻撃からクラーク記念国際は3番手今野投手がマウンドにあがりました。その今野投手が対戦した最初の打者、福知山成美の1番下田選手はニゴロ…しかし、最後のバウンドがはねる形となって処理できず出塁を許すことになりました。続く三浦選手の送りバントなどで2死二塁で4番新谷選手は右前に適時打を放ち、福知山成美が1点を勝ち越しました。

 

残り攻撃回が2つとなる6回裏、追いつきたいクラーク記念国際は1死後に前の打席で代打出場の伊藤選手がきれいに三遊間を破り、前の打席で適時打を放っている1番熊谷選手につなぎました。熊谷選手が1ストライクから振り抜いた打球は中堅手へ、鋭い打球だったものの正面で中直。続くここまで3打数3安打の笠森選手も投ゴロに打ち取られこの回追いつくことはできませんでした。

 

クラーク記念国際は7回表にも1点を失い2点を追いかける展開となり迎えた最終7回裏の攻撃。

3番からの好打順だったものの、福知山成美の2番手真田投手が、二飛、三振、中飛と三者凡退に打ち取り福知山成美が激戦を勝利しました。

 

福知山成美の2番手真田投手は、スライダーが思い通りコントロールできている…という印象のすばらしいピッチングで、猛打のクラーク記念国際を相手に見事な火消し役を演じた、そんな活躍でした。

 

自分自身にとっての今大会の観戦の最後の試合もすばらしい熱戦で、今年も大満足の淡路・丹波観戦ツアーとなりました。

[野球] 女子高校野球 履正社 VS 横浜隼人   

 

2025年7月25日第三試合

横浜隼人 010 010 0|2

履正社  110 020 0|4

 

履正社は初戦の甲斐清和戦を2−0で勝ち上がると、その後は9−3、10−3で完勝しての横浜隼人戦。一方の横浜隼人は、工大福井、神村学園、蒼開と、過去の実績が豊富な強豪校を相手に接戦をものにして勝ち上がって来て、さらに春の大会準優勝の履正社…厳しい戦いが続きます。

 

履正社は背番号3で、これまでの試合では打者としての印象が強かった原田投手、横浜隼人はこれまですべての試合で2番手として登板していた蛭田投手が先発しました。

 

履正社の原田投手は初回、2番橋本選手に安打されるものの無失点で立ち上がりました。

一方、横浜隼人の蛭田投手は、1番福井選手に中前安打で出塁を許すと、続く釈迦堂選手の送りバントの処理で三塁手とぶつかりかける中一塁への送球がそれて無死一二塁、3番原田選手の送りバントで1死二三塁となります。

ここで次の打者への初球がワイルドピッチ…履正社が1点を先制し、なおも1死三塁…横浜隼人はもう1点を覚悟しなければいけない場面でしたが、続く打者をインコースズバッと決まるストレートで見逃し三振、さらに次の打者をニゴロに打ち取り、いきなり背負った大きなピンチは最少失点で切り抜けました。

 

 

すると直後の2回表、横浜隼人はこの試合スタメン出場の小沼選手が右前安打、続く横田選手も左前安打、続く高木選手が送りバントで1死二三塁のチャンスを作りました。ここで続く8番田中選手はしっかりと三塁走者を返す打撃…二塁方向にゴロを打ちます。この打球のバックホームを焦ったのか二塁手がボールを弾き、横浜隼人が1−1の同点に追いつき、さらにこの田中投手の盗塁で1死二三塁のチャンスとなります。

ここで横浜隼人はスクイズを選択…しかし、バッテリーにはずされ走者は三本間に挟まれタッチアウト。この打者も三振に打ち取られ同点止まりとなりました。

 

追いつかれた履正社は続く2回裏、ここも先頭の6番打者松口選手が、ダイビングキャッチを試みる遊撃手の右を抜ける中前安打で出塁すると、続く藤原選手がきっちり初球でバントを決めて1死二塁。8番高倉選手が遊撃手右の強い打球を放ち1死一三塁とすると、盗塁で1死二三塁。9番中島選手の右ゴロの間に松口選手が生還し、再度1点リードしました。

 

1点差のまま迎えた5回表の横浜隼人の攻撃は8番田中選手から。その田中選手の打球が相手失策を誘い無死一塁とすると、9番小林選手はきっちり送って1死二塁。ここで、ここまで2三振に打ち取られていた1番尾崎選手が初球をたたくと左中間を大きく破る三塁打に。これで同点とすると、続く打者は前進守備の遊撃手へのゴロ…。遊撃手の捕球、送球、捕手の捕球、タッチ…どれが乱れても横浜隼人の勝ち越しというこのシーン、すべてのプレーを完璧にこなした履正社の松口遊撃手と釈迦堂捕手が本塁生還を狙う尾崎選手を本塁寸前でアウトにし、横浜隼人の攻撃を同点止まりで食い止めました。

 

同点になった直後の5回裏…「ベンチ、この回頼んだよ」という声かけをもって守備に散った横浜隼人ナインは、投ゴロ、右飛であっさり2死を奪います。ところが、2番釈迦堂選手、3番原田選手とバッテリーの2人の連打で2死一二塁とすると、続く打者は三塁手へのゴロ。うまく処理し一塁への送球…これが高く浮き一塁手のジャンプ上を越える送球に。これで釈迦堂選手が生還し履正社が1点を勝ち越し。さらに続く5番田村選手にも中前安打が飛び出し履正社が4−2とリードを2点に広げました。

 

6回から履正社は、直前の回に適時打を放った田村選手がマウンドに上がりました。横浜隼人打線を6回は三者凡退に打ち取ります。

 

6回裏の履正社の攻撃は先頭打者を出塁させ1死二塁とされたものの、三塁手高本選手のへのライナーをジャンプしての好捕もあってなんとか無失点で切り抜け、最後の攻撃へと望みをつなぎました。2点を追う7回、打席にはキャプテン松田選手を代打で打席に送ったものの中飛。8番田中選手が中前に落ちそうな打球を放ちますが履正社の高倉選手がすばらしいダッシュ、ギリギリのところで捕球し2アウト。そして最後は履正社の田村投手が横浜隼人の代打畠田選手を三振に打ち取り最後のアウトを奪い、履正社が勝利しました。

 

どちらもすばらしいチーム。序盤、履正社が先手を取っても横浜隼人が追いつくというものすごく見ごたえのある展開のすばらしい試合でした。

 

この試合においても、この大会で厳しい試合を勝ち上がってきたこれまでの試合においても、2死で得点圏に走者を置いての守りが非常に多かった横浜隼人。ミスがあると失点という場面ですばらしい守りを続けてきた内野守備陣(とりわけ、二塁手の橋本選手のところに飛ぶ打球が多く、それも難しいバウンドが多かった印象です)。この内野の粘り強い守りが粘り強い試合展開につながり、トーナメントのめぐり合わせで厳しい相手との試合が続く中でもベスト8までの勝利につなげてきた…そんなすばらしいチームでした。

[野球] 女子高校野球 岐阜第一 VS東海大翔洋   

 

2025年7月25日第二試合

東海大翔洋 012 000 1 |4

岐阜第一  000 230 x |5

 

これまで自分自身が、トーナメント序盤を淡路市で、ベスト16の対戦である4回戦を丹波市ブルーベリースタジアム春日で観戦していたため、観ることができていなかった両チームの試合。

岐阜第一が松井投手、東海大翔洋が石野投手の先発で始まりました。

 

先手を取ったのは東海大翔洋でした。2回表、4番永瀬選手が左前安打で出塁すると、続く大角選手は四球。6番高山選手がきっちり送りバントで1死二三塁のチャンスを作ると、7番石川選手が右前安打を放ち1点を先制しました。

 

さらに東海大翔洋は3回表、この回からマウンドに上った松原選手から2死後、2番富樫選手が四球を選ぶと、3番砂川選手が左翼へ二塁打で2死二三塁とチャンスを広げ、4番永瀬選手は左翼フェンスをワンバウンドで越えるエンタイトルツーベース。これで2者が生還しリードを3点に広げました。

 

一方の岐阜第一の反撃は4回。この回先頭の4番毛利選手、5番田口選手の連続二塁打で1点を返し1−3とすると、6番呉屋選手はバント…処理した三塁手から一塁への送球が逸れた間に田口選手が生還し2−3と1点差に詰め寄りました。

 

さらに5回裏、岐阜第一は1死後に2番仲地選手が中前安打で出塁すると、3番松岡選手が送りバントで1死二塁。ここで、東海大翔洋は4番毛利選手を申告敬遠で歩かせて1死一二塁として前の打席で適時二塁打を放っている5番田口選手との勝負。初球を叩いた打球は左翼手への強い打球。一瞬前へ出かかった左翼手の頭上を越えた打球は2点適時二塁打となり岐阜第一が4−3と逆転しました。この場面、東海大翔洋はタイムを取ることなく続く打者と対戦。打席の呉屋選手は3球目を右翼手越えのエンタイトルツーベースを放ち5−3とリードを2点にしました。

 

2点を追う東海大翔洋は最終7回は1番からの攻撃。前の打席でヒットを打っている1番平野選手は鋭いライナーの右前安打で出塁すると、2番富樫選手はフルカウントから四球を選び、東海大翔洋が無死で同点の走者を出塁させます。3番砂川選手はきっちり送りバントを決めて1死二三塁とすると、4番永瀬選手は遊ゴロで1点を返し4−5と1点差、なおも2死三塁。続く打者は2球で追い込まれながらもファウルで粘り8球目…ニゴロに打ち取られ同点とはならず、岐阜第一が厳しい試合を逃げ切り勝利しました。

 

 

2回、3回で3点をリードした東海大翔洋でしたが、4回は2死二塁、5回は1死二三塁という好機を作るものの、岐阜第一の守りがなんとか4点目を防ぐ必死の守りで追加点を与えませんでした。これが結果的に4回、5回の岐阜第一の反撃、逆転劇につながりました。見ごたえのあるすばらしい攻め合い、守り合いの試合でした。

 

[野球] 女子高校野球 神戸弘陵 VS 花巻東

 

2025年7月25日第一試合

神戸弘陵 000 110 0|2

花巻東  000 000 0|0

 

準々決勝は4試合…これまでの複数会場同時進行での試合開催がなくなり、ようやく1会場での開催になってすべての試合が観戦できるようになりました。

 

花巻東は右のサイドスロー石塚投手、神戸弘陵は左腕阿部投手が先発でした。

 

神戸弘陵は初回、2番福田選手が追い込まれながらも四球を選び出塁したものの、次の打者の打球がほぼベース上の一直、戻ることができず併殺となり無得点でした。

 

一方の花巻東の初回は、先頭の盛田選手が中前安打で出塁し、2番小松選手が送りバント、2死後に4番三浦選手が右前安打、5番斉藤選手が四球を選び2死満塁のチャンスを作りました。続く打者は、追い込まれながら、変化球にうまく対応したものの打球は三塁手の正面…三直で走者を生還させることはできませんでした。

 

神戸弘陵は2回、3回と三塁まで走者を進めて得点のチャンスは作るものの、花巻東の守備陣がギリギリのところ…3回2死二三塁から三遊間のゴロをダイビングで抑え一塁送球でアウトに取った中村選手のスーパープレーも飛び出し守りきり、0−0のまま試合が進行しました。

 

試合が動いたのは4回表の神戸弘陵の攻撃。

この回からマウンドに上った鯨井投手から、1死後に5番野津選手が右方向へ大きな打球のエンタイトルツーベースを放ち出塁すると、直後の投球を捕手が三塁方向に弾いたのを見て判断よく三塁に進塁しました。ここで打席の浅水選手は左中間への飛球。難しい体勢での捕球になったところを野津選手がタッチアップし生還。神戸弘陵が1点を先制しました。

 

神戸弘陵は続く5回表にも8番松元選手の安打から、出口選手が送りバント、続く1番矢島選手のセーフティバントは一塁ベース上ヘッドスライディングで際どいタイミングだったもののアウトで2死三塁。花巻東ベンチから「さぁ、ここ、踏ん張れ」という声が出る中、花巻東バッテリーは1ボール2ストライクと打席の福田選手を追い込んだものの、5球目を福田選手が弾き返し中前への適時打。ここぞというところできっちり結果を出す神戸弘陵打線が2−0とリードを広げました。

 

5、6、7回と花巻東は安打による走者は出したものの得点につなげることはできず神戸弘陵が2−0で勝利し、ベスト4進出一番乗りしました。

 

安打数では花巻東が6本に対して、神戸弘陵が5本。走者は許しても初回以外は大きなピンチにさせなかった神戸弘陵の守り。一方、犠打を効果的に使用しながら走者を進めて、ここぞというところで一本が出る神戸弘陵打線。チームとしての地力の強さを感じた試合でした。

[野球] 女子高校野球 松本国際 VS 福知山成美   

 

2025年7月24日第四試合

福知山成美 020 100 4|7

松本国際  000 000 0|0

 

松本国際は藤森投手、福知山成美は真田投手という両先発で始まった試合。

松本国際の藤森投手は初回、先頭の下田選手に四球を与え、送りバントで1死二塁というピンチを招いたものの、後続を連続見逃し三振に打ち取り、無失点…上々の立ち上がりを見せました。

 

一方の福知山成美の真田投手は三ゴロ、左飛、左飛とこちらも危なげなく三者凡退で立ち上がりました。

 

2回表の福知山成美は、先頭が内野ゴロで1死となったものの、ここから浮ケ谷選手、青山選手、横山選手と3連続三遊間を破る左前安打で満塁とすると、9番大島選手は右前への適時打で福知山成美が1点を先制します。なおも2死後2番三浦選手にも中前安打が飛び出しこの回2点を挙げました。

 

直後の2回裏の松本国際の攻撃は、1死後5番伊藤選手、6番成澤選手の連打で1死一二塁としたものの、後続が中飛、遊ゴロに打ち取られて得点を奪うことができませんでした。

 

また、松本国際は3回裏、この回先頭の山崎選手が左翼線を破る二塁打で出塁したものの、続く打者が三遊間を襲う打球を放つものの三塁手がスライディングしながらの好捕があるなど得点を奪うことができませんでした。

 

福知山成美は4回に1番下田選手の右前安打、2番三浦選手の三遊間への内野安打で作った1死一三塁のチャンスに、3番松本選手の弱い三ゴロの間に下田選手が生還し1点を追加し、3−0としました。

 

3点を追う松本国際は、5回は先頭の網野選手の安打から1死二塁、6回は堀口選手の三塁打で1死三塁と得点機は作るものの、福知山成美の好守に阻まれ得点が奪えませんでした。

 

福知山成美は7回に2死一二塁のチャンスから、8番横山選手、9番大嶋選手、1番下田選手の三連打で4点を挙げて7−0。松本国際を破り準々決勝進出を決めました。

 

安打は打たれても四球を与えずピンチを拡大させない(この試合、完投した真田投手は無四球)、安打の走者は許しても好守で守り切る…野球で勝つための鉄則だとは思うのですが、それが見事に実現できている福知山成美の強さを感じました。

[野球] 女子高校野球 クラーク記念国際 VS 佐伯

 

2025年7月24日第三試合

クラーク記念国際 217 03 |13

佐伯       000 00 |0

 

この大会2勝を挙げ、高校史上初めてベスト16進出となった佐伯高校が、4回戦の舞台で強豪校クラーク記念国際と対戦しました。

佐伯高校としては相手に先制を許さず、先にリードを奪い、相手の焦りを誘い拙攻を続けさせて逃げ切れる展開に持っていければ…と思いながら観戦していましたが、クラーク記念国際はそれを許してくれませんでした。

 

先攻めのクラーク記念国際は、2つの四球と暴投で無死二三塁のチャンスを作ると、3番谷津選手の遊ゴロの間に1点、2死後5番角選手に中堅手越えの適時打が出て2点を先制しました。

 

一方の佐伯高校の初回の攻撃は、1番高橋選手が四球を選び出塁するも、左腕投手菊田投手の牽制に刺され1アウト。2番長友選手が左翼線に二塁打、4番森下選手が右中間に鋭い打球の安打を放ち2死一三塁のチャンスは作ったものの、後続がカウント1ボール2ストライクから高めのストレートを振らされ三振…得点を返すことができませんでした。

 

クラーク記念国際は2回には四球で出塁した8番山中選手を1番熊谷選手が左中間への三塁打で生還させ1点を追加。

3回には打者一巡の猛攻、3番谷津選手の1イニング2安打など5安打3四死球で7点を奪い10−0。

5回にも2つの死球で出塁させた走者を、相手失策と6番片井選手の適時二塁打で生還させ13−0。

と、次々と得点を重ね、リードを広げていきました。

 

一方の佐伯は、2回は菊田投手の前に三者三振、3回以降は佐藤投手、北村投手、大柳投手と、1イニングずつ継投したクラーク記念国際の投手陣に安打1本に抑えられ5回コールドでの決着となりました。

以前は選手を揃えることすらたいへんだった県立高校が気づいたらベンチ外の選手が出てくるまで大きなチームになり、自分が観戦した試合ではなかなか勝てないことが多かったもののこの夏はベスト16。チームとしての成長が続き、いつか「強豪」と呼ばれるようなチームになって、優勝争いをするようになることを願っています。

[野球] 女子高校野球 横浜隼人 VS 蒼開  

 

2025年7月24日第二試合

横浜隼人 200 000 1|3

蒼開   000 000 0|0

 

大会も4回戦…ほとんどのチームが3試合目となり、勝てば翌日に準々決勝の試合があるということで投手のやりくりが難しくなってくる頃の試合。蒼開はエースナンバーではない方城投手、横浜隼人はこれまで2試合同様背番号1の佐藤投手が先発しました。

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この投手起用について、「背番号は10だけど実力的にはエースと同じくらいなんです」とか「今日はプロ野球でいうところのブルペンデー…エースは温存します」とか、それぞれのチーム事情を知っていると観戦の仕方は違うんだろうなぁ…と思う一方、その状況を想像しながら観戦するのも、所見のチームの試合を観戦する面白さかもしれませんね。

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蒼開の先発、背番号10の方城投手は初回、横浜隼人の先頭打者尾崎選手にいきなり中前安打を打たれてしまいます。

この走者は盗塁で刺したものの、2番橋本選手に四球を与えると2死後、4番加藤選手の三遊間への強いゴロを三塁手が弾き2死一三塁となります。ここで、この試合指名打者で出場となった小沼選手が遊撃手へのゴロ…この送球が悪送球となり橋本選手が生還。さらに、6番横田選手は遊撃手の後ろに落ちるポテンヒットで加藤選手が生還し、初回に2点を挙げました。

 

横浜隼人の先発佐藤投手は、1回、2回、3回とあっさりと2死を取ったあとに四球を与えるなど三者凡退とはならないものの無失点で序盤3イニングを切り抜けました。

 

続く4回、この回は佐藤投手が蒼開の5番前田選手に四球を与えると、立石選手の送りバントのあと7番保田選手に8球粘られ四球を与え1死一二塁となったところで、横浜隼人は2番手蛭田投手にスイッチしました。この蛭田投手が次の打者を4−6−3の併殺に打ち取りピンチを脱しました。

 

蒼開の先発方城投手は、初回の2点以降、走者は許すものの得点を許さないピッチング。6回からは背番号1の西村投手がマウンドにあがり、こちらも1四球は与えたものの無失点。味方の反撃を待ちます。

 

しかし、横浜隼人の2番手蛭田投手は5回、6回の蒼開の攻撃をパーフェクトで抑え反撃を許しません。

結局、最終7回に1点を追加した横浜隼人が7回裏の蒼開の攻撃も無失点で抑え完封勝ち…横浜隼人の佐藤投手、蛭田投手は2人でノーヒットノーランを達成することになりました。

 

これまで2試合、延長タイブレークを制してきた横浜隼人が、先制点を守りきる投手リレー。すばらしいピッチングに野手陣もすばらしい守りで応えた…蒼開にチャンスらしいチャンスを与えることなく7イニングを戦い抜くという、会心の試合運びとなりました。

 

[野球] 女子高校野球 履正社 VS 埼玉栄   

 

2025年7月24日第一試合

埼玉栄 000 210 |3

履正社 013 114x|10x

 

履正社は植林投手、埼玉栄は隅中投手とエース番号同士の投げ合いで始まったこの試合。

初回は両投手が危なげなく無失点で切り抜けました。続く2回表の埼玉栄の攻撃は、山口選手の安打と2つの四球で1死満塁のチャンスを作るものの、エンドランのサインが出ていたのか、打者が空振り、走者が三本間に挟まれアウトを取られ無得点。先制点のチャンスを得点につなげることはできませんでした。

 

すると、履正社打線が埼玉栄の先発隅中投手に襲いかかります。

2回は失策で出塁した走者を6番松口選手がバントで送り7番田村選手が左中間を破る適時二塁打で1点を先制。

3回は9番高倉選手の安打、盗塁と2番釈迦堂選手の送りバントで2死三塁としてから3番原田選手の左翼への二塁打で1点。なおも4番佐藤選手の左前安打で原田選手が本塁、ギリギリのタイミングで生還し1点追加。さらに5番片出選手が右翼越えの三塁打を放ちこの回3点目。履正社打線が連打で4−0とリードを広げます。

 

この4−0となった4回表から履正社はマウンドに松村投手を送りました。

すると、埼玉栄打線がこの松村投手に襲いかかります。この回の先頭、4番比留間選手が左前安打で出塁すると5番尾澤選手は右中間への適時三塁打、6番山口選手が中前安打で2点を返しました。

 

2点差に迫られた履正社は、直後の4回裏、7番田村選手が右前安打で出塁。続く藤原選手の一塁手前への送りバントでベースカバー隅中投手と打者走者が一塁へ競走となったもののセーフ、内野安打で無死一二塁となります。続く高倉選手の犠打で1死二三塁となったところで打席には1番福井選手。

絶対に0点で抑えるんだという埼玉栄バッテリーは、初球ワンバウンドの投球、「あっ」と思ったものの捕手が止めて事なきを得ました。そしてカウント1−1から福井選手が放った強い打球は隅中投手を襲います。グラブを弾かれた投手は素手で打球を拾いすぐにバックホーム。「刺した」と思ったプレーでしたが判定はセーフで、履正社が1点を追加し3点差、なおも盗塁で1死二三塁とします。

ここから隅中投手は続く打者のスクイズをスリーバント失敗に打ち取ると、続く打者も三振に打ち取る気迫のピッチングで追加点を許しませんでした。

 

3点差にリードを広げられた埼玉栄は5回に2番西田選手の安打、3番北原選手の三塁打で1点を返し再び2点差に詰め寄ります。

 

ここで、埼玉栄は隅中投手から継投策に入ったものの、5回に1点、6回に4点を追加されコールドが成立。最後は履正社が打力のすごさを見せてコールド勝ちしました。

 

埼玉栄は3回の守りでの中堅手からのバックホーム、4回の隅中選手のバックホームと本塁上で際どいプレーがあったもののあと一歩…これがアウトになっていればゲーム展開は変わっていたかな〜という気がして、現場で観ていて点差よりも全然際どい勝負の試合だったのかなと感じていました。