バックパッカー、いや元バックパッカーです。

バックパッカー、いや元バックパッカーです。

113か国旅して、それから・・・

Amebaでブログを始めよう!

 私はこの人のファンで、すべての本を読んでいる・・・はず。その中でも一番面白かったのがこの本だ。おそらく最も評価が高いのは「謎の独立国家ソマリランド」だろうが、お気楽に楽しめるのはこの本。

 

 ミャンマー北部の少数民族の村に潜入して、ケシを栽培して自らアヘン中毒になってしまう。人がやらないようなことをやって本にする。気合は入っているんだろうけど、グダグダ感が何とも言えず面白い。

 

 私もかつてラオスのバンビエンで、アヘン入りの紅茶を試飲したことがある。非常に苦く宿に帰ってそのまま寝てしまったので、アヘンの効果はよくわからなかった。寝てしまったからリラックス効果はあったのだろう。川辺にあった若い白人男がバーテンをやっている店でその手のもの、大麻、アヘン、マジックマッシュルームなどが安く買えた。ずいぶん前の話なので今はどうなっているか。

 

 著者はここのところ、「謎のアジア納豆」「辺境メシ」と、興味深いが体は張っていない本を連発しているので、そろそろまた何か人がやらないことをやって本を書いていただきたいものだ。

 世界各国の屠畜現場を取材して、イラストと文章で著すというアイデア賞ものの本。私は旅行記や海外の生活に密着したやルポなどが好きでよく読んでいて、モンゴル人の羊の解体や、イヌイット、もちろん日本の猪や鹿の解体について書いたのなども読んだことがあるが、自分でわざわざその現場を見に行こうとも思わないし、自分で解体しようとも思わない。

 

 しかし、東ティモールを旅していた時、地方の小さな町の宿で偶然牛の解体を目撃したことがある。その宿では、庭で牛一頭、豚一頭、山羊一頭、鶏数羽、犬数頭飼っていてひじょうにのどかな場所だったのだが、ある日、牛の背中がざっくり切られていて、しかも肉が切り取られているのを見つけた。背中の一部が切り取られていながら、その牛はまだ生きていた。主人に尋ねると、夜中に泥棒が肉を切り取っていったというのだ。

 

 翌朝、目覚めるとすでに庭で牛の解体が始まっていた。近所の犬もやってきておこぼれをもらおうと辺りをうろうろ。解体後はその場で一部の肉を焼き、私もおこぼれをいただいた。どの部分かわからなかったが、硬い肉だったのは覚えている。

 

 最近、田舎で自然とともに暮らしてみたいと思うようになって、古民家に住み、野菜を育て、鶏などの家畜を飼い、魚を釣ったり、猪を捕ったりといった半自給自足生活をやってみたいと思っている。著者の「漂うままに島に着き」に近い生活だ。彼女の場合は小豆島だが、私は沖縄の離島がいいかなと思っているのだが、ただ準備金、もしくはある程度の現金収入が必要だし、田舎の人は必ずしも移住者を受け入れてくれるとは限らないので一歩踏み出せないでいる。都市部の便利な暮らしも捨てきれない。

 

 それはともかく内澤さんの本は何冊も読んだが、なかなか面白い。廃屋を借りて豚を3頭買った話「飼い喰い」もよかった。次にどんなテーマで本を書かれるのか、楽しみだ。

 

 

 

 

 かつてタイで発行されていた情報誌の編集者が書いた本。「エロからテロまで」のキャッチコピーの通り、雑多な記事を収録した雑誌で、私もタイに沈没していた時代はよく読んでいた。残念ながら今は廃刊でサイトのみがあるが、エロ情報のみのようで、雑誌時代の精神性は失われてしまったようだ。

 

 この本はただ雑誌の編集の話だけではなく、著者の青春記にもなっており、これがとても面白い。Gダイアリーの読者でなくても楽しめる内容だ。

 

 Gダイアリーには面白いコラムも多くて、下川裕治のような著名人や、アジアに沈没して大麻ばかり吸ってる人とか、風俗嬢の人生に迫る人など個性ある人が書いていた。そういえば犬巻カオルも下品でよかったなあ、と思ってネットで検索してみたがヒットしない。タイ人の男と結婚しバンコクで旅行会社をやってたはずだがやめてしまったか。このままGダイアリーが忘れ去られてしまうのも残念なので、質の高い記事や人気のあったコラムをまとめて文庫本として出版してほしい。

 

 思い出した。大麻は谷口狂至だ。コラムはよく読んでいたが文庫本は今一つだった。本にするとなると書けないこともあるのか、中途半端な内容になってしまっていたので、セーシェルに行ったときにゲストハウスの客室の引き出しに置いて帰った。犬巻カオルも誰かコンタクトをとって、下品さ全開のコラムとその後の彼女の人生を書きなぐった本を出版してもらえないかな。

 最近は旅への興味も薄れ、よってあまり旅行記を読むこともなくなった。でもたまには、と思って久々に図書館に行ってみる手見つけたのがこの本。前半部分を読んで思い出した。アフリカを旅していた時二人乗りの自転車で旅しているカップルに出会ったこと。安宿の同じ部屋に泊まり、ビクトリアの滝を観に行って別れ、ケープタウンの街角でバッタリ再会して少し立ち話をしたことなど。

 

 もう顔も名前も覚えていないので、写真を見てもどうもよくわからない。もしかしたらこの人たちだったのかなと思って、後半部分を買ってみた。するとやはりビクトリアの滝に行く場面で、「同室の日本人旅行者といっしょに見に行く」との記述があり、時期も一致する。おお、懐かしい。

 

 この夫婦なんと10年も一緒に世界を走り続けたそうで、出会ったときは流石にそこまでやる人たちだとは思っていなかった。いくら好きでやっているとはいえここまでやる人達はなかなかいない。凄い。

 

 ネットで調べてみると、最近はしまなみの自転車ガイド等をされていて、得意分野を生かした活動に精を出されているようだ。お元気そうで何よりである。しまなみ方面に行ったらぜひ一度、いやでも自転車には興味はないので再会の機会はないかな。

 ここ1,2年の間に立て続けに好きなミュージシャンがなくなっている。2015年の12月にはモーターヘッドのレミー、昨年の3月にはキース・エマーソン、12月にはグレッグ・レイク、そして今日、ジョンウェットンがこの世を去った。

 レミーが体調を崩していていたのは皆が知ってた。死因は前立腺癌、不整脈、心不全と発表されている。死の直前までボロボロの体でツアーを続け、死の翌年にもツアーの日程が入っていたところを見ると、ステージで死ぬつもりだったのかと思ってしまう。死後発売された2015年11月のライヴ「クリーン・ユア・クロック」を観ると顔も体もやせこけ、声にも勢いがなく、ベースを弾く指もしっかり動いていないように見える。それでも、ファンにとっては特別な作品だ。

 エマーソン・レイク・アンド・パーマー等で活躍したキースの死はショックだった。彼の自伝を買ったわずか3か月後に拳銃自殺である。うつ病を患っていたそうだが、拳銃が簡単に手に入るアメリカでは多い自己解決手段だ。日本公演も決まっていたのに、長年酷使したせいですっかり動かなくなってしまった指がうつの原因なのかどうだか。自伝を読むと、幼少期から大成功した70年代がメインで、下ネタ満載の、また成功を思う存分楽しんだロックスターの姿が描かれていて、手術の記述はあるが鬱のうの字もない内容だったのに。

 グレッグの死も突然なことで驚いた。彼も癌だったのだが公表していなかったのか、私が知らなかっただけなのか。キング・クリムゾン、エマーソン・レイク・アン・ドパーマー等での美声は永遠だ。死を悟ってから自伝を書き始め、死の直前に完成させたらしい。ぜひ日本語訳も発売してほしいものだ。

 ジョンはこまめにツイッターに書き込む人だったので、近年は癌と闘っているのはファンなら周知の事実だった。
中年になってずいぶん太っていたのに、がんを公表してからはみるみる痩せていき、ああこれは長くないなと思うようになってから間もなくの死である。キング・クリムゾン、エイジア等で卓越した作曲能力と、見事な歌唱、べースプレーを聴かせてくれた。

 今、UKのボックスセットを聴きながら彼の死を悼んでいる。