映画/ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち(2010) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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2021(167)/2021/12/19観:GYAO!配信

『Black Death ─ 黒死病(ペスト)』  2010年  イギリス×ドイツ合作  102分

監督/クリストファー・スミス

脚本/ダリオ・ポローニ

製作/ロバート・バーンスタイン 他

音楽/クリスチャン・ヘンソン

撮影/セバスチャン・エドシュミット

編集/スチュアート・ガザード

プロダクションデザイン/ジョン・フランキッシュ

【キャスト】

ウルリク(騎士)/ショーン・ビーン

オズマンド(修道士)/エディ・レッドメイン

ウルフスタン(騎士)/ジョン・リンチ

スワイア(騎士)/イーモン・エリオット

モルド(騎士)/ジョン・ハリス

ダリワグ(騎士)/アンディ・ナイマン

アヴェリル(オズマンドの恋人)/キンバリー・ニクソン

魔女と言われる女/カリス・ファン・ハウテン

ホブ(村のリーダー)/ティム・マッキナニー

修道院長/デヴィッド・ワーナー

あらすじ】西暦1348年、黒死病が蔓延するヨーロッパ。とある修道院にウルリク率いる騎士団が現われ、大司教の命により黒死病の患者が一人も出ていないという村の調査に赴くと言う。修道士オズマンドが案内役を志願し、騎士団に随行することになった。オズマンドは秘密の恋人アヴェリルを村から非難させ、彼女はデントウィッチの森で彼を待つと言い置いていた為、密かに向かおうと考えていた。騎士団の真の目的は、死者を生き返らせる黒魔術師(ネクロマンサー)の村が存在し、そこが黒死病の発生源で殲滅することだった。

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歴史物であることとショーン・ビーンとエディ・レッドメインに飛びつきました。

本作もしばしば思う邦題が残念な作品です。

まるでなんちゃらクエストいいますか、魔物退治に行く指輪の人達みたいになってる!

本作はもっとリアルな歴史観を盛り込んでいる恐いお話、ホラーではありません。

世の中で生きてる人間が病気よりも恐ろしい歴史物語でした。

 

冒頭から「西暦」を表現するのに「我らの主の年」という言い方、

もう中世暗黒ヨーロッパの雰囲気たっぷりでした。

西暦って言うのは日本だけ(?)と思うので欧米では普通の言い方?

ともかく1348年の物語って特定しているので、まさか実話!と思ったら

ペストの第二次パンデミックで、中央アジアから欧州に入ってきたのが1347年だそうで

その頃じゃ!という時代設定にしたフィクションのようです。

感染の様子など今現在見ると状況がリアルに感じられました。

 

そんな中で若いエディ・レッドメイン修道士ったら恋人います。

相思相愛なのに今更の様に「神を裏切れないから」と

彼女だけ修道院のある地域から逃がす、たった一人で・・・。

森の中に女子一人で旅をしたらどうなるか気づけんアホです。

騎士団と一緒でも危険が伴う旅路なのにね。

彼女を探して単独行動とって野盗に出くわして大声で騒ぐので

騎士達の場所も分かっちゃうし、闘ってる間に馬は盗られるし、

ストーリー中ほとんどマヌケなエディ修道士にイラっとしました。

 

問題のネクロマンサーが居る村は、一見穏やかな雰囲気が如何にも怪しい。

なのにショーン・ビーン騎士も出される酒飲んだりしてアホ丸出し。

薬が盛られてて全員捕縛されてしまうマヌケっぷりです。

こんな書き方をしてコメディかと誤解されそうですがシリアス物です!

 

ネクロマンサー=魔女の正体は普通の女だけど超美女。

『ブラックブック』で大活躍したカリス・ファン・ハウテンでした。そら綺麗だよ♪

キリスト教を憎悪してるからケルト人なのかな?薬草使うし。

弾圧された恨みからか騎士や修道士にも棄教を迫る江戸幕府みたいな事をします。

こういう宗教絡む抗争はどっちもどっちなので双方とも共感できませんでした。

 

でも魔女の恐いとこは、エディ修道士の恋人(実は怪我しただけだった)を

薬草で仮死状態にしておいて一旦土中に埋め、蘇らせたかのように見せ

若い修道士を自分側に引き入れる手段に使うこと。残酷ですよね。

然もヤク漬けにされてるから顔がきれいなゾンビっぽい動きで

もうエディ修道士は蘇った死人としか思えず彼女を楽にしようと自らの手で・・・。

 

騎士たちも酷い殺され方をする中で、縄を切って立ち向かったのが

ショーン・ビーンじゃなくて地味なおっさん顔のジョン・リンチでした(こら!)。

ショーン・ビーンったら、実はペストに罹患しており

魔女の村を滅ぼす為に自爆テロ的にやって来たと今際に言い放つけど

イタい!あまりにもイタ過ぎる!カッコイイ騎士かと思って観てたらガッカリだよ!

村はペストにやられ、生き残ったおっさん騎士と修道士は無事に帰還という

ちょっと理屈に合わない気もしますが、まあ感染しなかったんだね。

 

だがしかし、魔女と言われた女はすたこらさっさと逃げてしまい行方は知れず。

そうしたら、甘ちゃんでマヌケだったけど純真ではあったエディ修道士は

復讐の鬼と化し教会の騎士(テンプル騎士団?)となって

魔女狩りにせっせと精出すようになりましたとさ・・・というブラックな終わり方でした。

ちっとも笑えないリアルな暗黒中世のお話。大好物だけど後味悪いです(;^_^A

エディ・レッドメインの演技がやっぱり上手いです。

ショーン・ビーンもカッコイイので目の保養(笑)。

指輪の話の時から騎士が様になってましたよね・・・と思うのでしたラブ