映画/ブラックブック(2006) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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2021(159)/2021/12/7観:TNCテレビ西日本放送

(初観:2007/4/17:T・ジョイリバーウォーク北九州)

『Zwartboek ─ 黒い本』  2006年  オランダ映画  144分

監督・脚本/ポール・バーホーベン

原案・脚本/ジェラルド・ソエトマン

製作/サン・フ・マルタ 他

音楽/アン・ダドリー

撮影/カール・ウォルター・リンデンローブ

編集/ヨブ・テル・ブルク

美術/ウォルバート・ファン・ドープ

衣装/ヤン・タックス

【キャスト】

ラヘル(エリス)/カリス・ファン・ハウテン

ムンツェ大尉(ドイツ将校)/セバスチャン・コッホ

ハンス(医師、レジスタンス)/トム・ホフマン

ロニー(ラヘルの友人)/ハリナ・ライン

フランケン(ドイツ将校)/ヴァルデマー・コブス

スマール(公証人、レジスタンスの支援者)/ドルフ・デ・ヴリーズ

ヘルペン(レジスタンスのリーダー)/デレク・デ・リント

ロブ(ヘルペンの息子)/ミキール・ハースマン

ファン・ハイン(ユダヤ人の亡命を支援)/ピーター・ブロック

【あらすじ】スエズ動乱直前のイスラエルで教師をしているラヘルは、オランダから観光に来た女性ロニーに声をかけられる。第二次大戦終結間際のオランダでの友人だった。再会を切っ掛けに戦時中の辛い思い出を振り返る。ナチス・ドイツに占領中のオランダで、ユダヤ人であるラヘルは隠れ家で暮らしていたが、ランダ警察と名乗るファン・ハインの手引きで、家族、他多くのユダヤ人達と共にまだドイツに占領されていない南部へ船で逃げようとする。だがそれは罠であり、ラヘル以外全員ドイツ軍に皆殺しされてしまう。復讐を誓うラヘルは助けてくれたレジスタンス、ヘルペンの要請で、髪を金髪に染め名前もエリスと変え、スパイとしてドイツ諜報部に接近。無線機器を列車で運んでいた際に諜報部のトップ、ムンツェ大尉と出会う・・・。

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14年前にシアター鑑賞1度したっきりの映画でした。

地上波の深夜放送で懐かしく再観したら、殆ど初観賞状態でした。

公開当時、セバスチャン・コッホしか知ってる俳優が出てなかった事と

ジェットコースター・ムービーみたいだと思った記憶しか・・・(;^_^A

 

全体的に昔の第二次大戦モノみたいな雰囲気の作風で

冒頭の過去を思い出す展開などクラシカルな手法を感じました。

ユダヤ人女性がスパイとして潜入しナチス・ドイツと闘う設定だけど

悲劇物というよりアクション・エンタメ作品のかほりが強かった。

登場人物全員が怪しい、まるでアガサ・クリスティーの小説みたいで

裏切り行為の連続なのですが、ヒロインと恋人(ドイツ将校)はワルモノじゃない

という点も昔ながらの映画風でしたので、大変シンプルでした。

 

とにかくヒロインが強い、めげない、復讐の驀進する。

メソメソするよりもずっと共感できる点は良かったけれど、

スピーディー過ぎる展開の所為で泣ける話にならないのかも・・・。

ターゲットにするドイツ将校(善玉)とのラブロマンスもガッツリ描かれ

敵同士で恋に落ちるという点もレトロな外国映画を思い起こします。

さすがバイオレットとエロスの鬼才(?)バーホーベン監督(褒めてます!)。
 

タイトルの「ブラックブック」は、清張の「黒革の手帳」もどきで

裏切り者が関わっていた証拠が記された物でした。

何でそんなモノを張本人がメモってんだよ!というツッコミは忘れ

息つく間もない物語の流れを楽しめたエンタメ映画です。

が、ヒロインが移住した母国イスラエルも、また戦乱に巻き込まれてゆくという

ビターテイストなラストで社会派の要素も組み込まれていました。