桜田門外ノ変(2010)・リベンジ | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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桜田門外ノ変(さくらだもんがいのへん)

2010年  日本映画  137分
監督・脚本/佐藤純彌(『人間の証明(1977年)』『野生の証明(1978年)』)
脚本/江良至
プロデューサー/三上靖彦×川崎隆×鈴木義久
撮影/川上皓市
美術/松宮敏之
編集/川島章正
助監督/山内健嗣
音楽/長岡成貢
音楽プロデューサー/池畑伸人
ナレーション - 小林研二
殺陣/久世浩
メイクアップ/江川悦子×神田文裕×佐々木誠人
【キャスト】
<井伊直弼暗殺に関与した人物>
関鉄之介(水戸藩士、襲撃の現場指揮者)/大沢たかお
金子孫二郎(水戸藩南郡奉行)/柄本明
高橋多一郎(水戸藩奥右筆頭取)/生瀬勝久
野村常之介(水戸藩北郡奉行)/西村雅彦
岡部三十郎(水戸藩小普請)/渡辺裕之
佐藤鉄三郎(水戸藩士、金子の供をする)/渡部豪太
高橋荘左衛門(多一郎の息子)/須賀健太
稲田重蔵(水戸藩士、井伊直弼襲撃に参加)/田中要次
有村次左衛門(薩摩藩士、井伊の首級を取る)/坂東巳之助
西郷吉之助(薩摩藩士、援軍を出す約束)/永澤俊矢
<その他>
徳川斉昭(水戸藩第9代前藩主)/北大路欣也
武田耕雲斎(斉昭の側近)/榎木孝明
松平春嶽(福井藩第16代藩主)/池内博之
井伊直弼(幕府大老、 彦根藩第15代藩主)/伊武雅刀
ふさ(鉄之介の内妻)/長谷川京子
関誠一郎(鉄之介の息子)/加藤清史郎
いの(鉄之介の妾、元遊女)/中村ゆり
桜岡源次衛門(常陸国袋田村の大庄屋、鉄之介を匿う)/本田博太郎
与一(源次衛門の使用人)/温水洋一
稲葉和則(鳥取藩剣術指南)/ユキリョウイチ
安藤龍介(水戸藩士、鉄之介を逮捕)/北村有起哉

 

安政7年3月3日(1860年3月24日)、江戸城桜田門外(現在の東京都千代田区霞が関)で、水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が彦根藩の行列を襲撃、大老井伊直弼を暗殺した事件を、水戸藩士・関鉄之助の視線で描いた歴史映画。

 

 

何故リベンジなのか・・・、実はシアター鑑賞時 途中寝てしまったからです。(;^_^A
吉村昭は取材力で知られた作家で、本作の原作は未読ながら面白いであろうと期待していたのに・・・という恨み節は前回も書きましたので以下自粛。余談ながら、吉村作品のお薦めは『敵討(かたきうち)』です(おらが県が舞台の史実ゆえ少々身びいき)♪

 

一番の盛り上がりである暗殺バトルから物語が始まり、後は計画段階など回想シーンで挿入し、桜田烈士の逃亡とその後で終わるという流れなので、どうしても盛り下がるのは必定。しかしながら改めて観て、井伊大老暗殺シーンは本当に良くできています(相も変らぬ上から目線!)。

 

実際の暗殺実行時間は十数分だったと(現代では)言われいます。映画では、直訴状を差し出し行列を止めてから、井伊の首級を取るまで僅か5~6分のシーン。その前から緊迫した雰囲気を徐々に高める演出で、雪の中を暗殺実行班が待ち続け、漸く門が開いて登城の行列が出立しいよいよ・・・という流れで緊張持続、リアルな迫力です。それ故に、その後が尚更ダラダラしてなりません。惜しい!

 

もう一点は、主人公・関鉄之助がとても中途半端。妻子(妻は農民なので内縁)との触れ合いシーンも、愛人との濡れ場もキャラも全て。暗殺実行後、追われる身となった烈士たち、その探索が国元の家族や関係者に及ぶくらい現代人でも予想できます(水戸藩までから追われるとは想定外だったかもで気の毒だけど)。妻子が家宅から追われたとか、妾が捕縛され拷問され獄死した報せに本気で驚く関には呆れます。先に安全圏まで逃がせよ!って話です。

 

いろんな気の毒な関係者が登場しますが、改めて観ても一番同情したのは、主を守れなかった罪で切腹させられた彦根藩士、井伊大老の行列のお供をした皆さんです。既にテロ情報をキャッチしてたのに「構うな!」とかカッコ良く決めた直弼さんはええですよ?覚悟してたっしょ?でも、お供のことも考えてやれよ?(こらこら!爆!)

 

リベンジの再鑑賞でしたが、本当のリベンジは、原作を読んでみなければならないと思い知りました。