桜田門外ノ変 (2010) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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 2011/1/19観 於小倉昭和館 (※『十三人の刺客』と二本立て)
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 『桜田門外ノ変』
  2010年 日本映画 137分
 監督/佐藤純彌               【出演】
 脚本/江良至×佐藤純彌
 原作/吉村昭
 製作/三上靖彦
      川崎隆
      鈴木義久
 撮影/川上皓市
 編集/川島章正
 音楽/長岡成貢
 美術/松宮敏之
 殺陣/久世浩
 【出演】
 大沢たかお
 柄本明
 生瀬勝久
 渡辺裕之
 伊武雅刀
 北大路欣也
 長谷川京子
 加藤清史郎
 本田博太郎
 他
 
 
 安政七年三月三日 幕府大老井伊直弼が水戸藩士(一人薩摩藩士)等によって暗殺。
 安政の大獄に続く水戸藩の怒りが爆発した大事件であった。
 

 
 「桜田門外ノ変」が起こったのは西暦に修正すると、1860年3月24日です。
 なので、24日にこの記事をUPしたかったのですが、なんせ「ゆるゆると」綴っているものですから
 本日になりました。orz
 
 さて感想。
 吉村昭氏は史実にこだわる作家という事で(作品はあまり読んだことないですが)、少々期待。
 だいたい期待をしょって観ると「あちゃあ~」な結果が多いのですよね(^^A
 小説はドキュメンタリー・タッチでも面白く読めるのですが、映画は脚色の上手さを求められるもの、
 エンターテイナーですから難しい。さりとて感情表現おおらか過ぎる過剰演出も却って興ざめするし。
 クライマックスの持って行き方が拙かったかな、と思います。淡々と計画を練っていくシーンと、観客の
 気持ちの盛り上がりを同時進行すれば、あのシーンが効果的だったのでは?
 なんせ観てる方は「ええ!もうやるかいっ!」という感じで、気持ちを作れません。
 原作がそうなのかも知れませんが(未読なので)、そこは脚本の腕の見せ所でしたのにねえ。
 
 それはさておき、事件そのものには大変興味があるので(勉強不足ですが)考えさせられるポイントが
 散りばめられておりました。リーダー不在の現代日本も、幕末のカオス状態に喩えられます。
 どっちの目線かは別として、井伊大老の様な力強いリーダーはさぞかし頼もしかったことでしょう。
 やり過ぎ感は否めませんが。武士と現代政治屋の違いは、命かけてないって事に尽きるかも。
 「死ね」とは決して言いませんけれど、国を動かす以上「死ぬ気」で頑張って欲しいものです。
 失敗したら「辞任」ゆうのが甘い!(こら!)暗殺の心配が無いせいか緊張感無い政治屋ばかり。
 
 水戸と彦根、どちらの味方という感覚で捉えていないので、今はただ井伊大老も、関鉄之助を
 始めとする暗殺に関わって処断された全ての人々、井伊大老のSPの皆さん(討ち死にしなかった
 者は主の首を取られた責任で切腹と斬首)全ての冥福を祈りまする。(─人─)
 ちなみに、水戸と彦根が「仲直り」したのは、事件から110年後の1970年なのだそうです。