企業法の企業結合で学習するのは、合併、会社分割、株式交換、株式移転など会社組織の再編制度について。

まずは基本的な用語の説明から。


組織変更
・株式会社がその組織を変更することにより合名会社、合資会社または合同会社となること
・合名会社、合資会社または合同会社がその組織を変更することにより、株式会社となること
(※つまり『組織変更』とは株式会社から持分会社への変更、または持分会社から株式会社への変更を言う)

吸収合併
会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後に存続する会社に承継させるもの

新設合併
二つ以上の会社が刷る合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させること

吸収分割
株式会社または合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を分割後、他の会社に承継させること

新設分割
一または二以上の株式会社または合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を分割により設立する会社に承継させること

株式交換
株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社または合同会社に取得させること

株式移転
一または二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させること

事業譲渡等
?事業の全部の譲渡
?事業の重要な一部の譲渡
?他の会社(外国会社その他の法人を含む)の事業の全部の譲受け
?事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人との事業場の損益の全部を共通にする契約、その他これらに準ずる契約の締結、変更または解約

吸収合併等
吸収合併、吸収分割、または株式交換

新設合併等
新設合併、新設分割または株式移転

存続会社等
吸収合併存続会社、吸収分割承継会社または株式交換完全親会社

消滅会社等
・吸収合併消滅会社、吸収分割会社または株式交換完全子会社
・新設合併消滅会社、新設分割会社または株式移転完全子会社

設立会社
新設合併設立会社、新設分割設立会社、または株式移転設立完全親会社
[設例]
下記の資料に基づき、当期の損益計算書(売上総利益まで)を完成させる。

[資料1]
決算整理前残高試算表(一部)

借方項目
・繰越商品:82400
・未着品:19800
・仕入:1,145,000

貸方項目
・一般売上:1,522,000
・未着品販売益:91,000

[資料2]
決算整理事項および参照事項
1.未着品販売に関する事項は次の通り
(1)未着品の期首商品棚卸高は25400
(2)当期中に貨物引換証と引換えに商品68200を引き取っている。
(3)当期の未着品販売は原価率72%で行っている。

2.手許商品の期末棚卸高は85900である。

[解答]
特商全般に言えるが、この問題は何度も紙に書いて練習したい。
未着品ボックスと仕入ボックスのふたつを作成して数字を把握して解いていく。

まずは未着品から見ていこう。未着品に関するデータは以下。

・前T/B未着品:19800
・前T/B未着品販売益:91,000
・未着品の期首商品棚卸高は25400
・当期中に貨物引換証と引換えに商品68200を引き取っている
・当期の未着品販売は原価率72%で行っている

まず期首の25400が借方に。それから現品引取68200は貸方から仕入勘定に出ていっているもの。
次に前T/Bの未着品19800について。未着品は仕入のように商品(というか貨物代表証券)を表すので、当然これは資産である。この前T/Bの残高が19800ということは、当然借方の項目。今回は分記法であるので、前T/Bの未着品残高は期末未着品の有高を表す。

もう一度、未着品勘定を構成する要素を考えてみると、借方は期首の未着品、当期に取得した未着品からなる。貸方は、現品引取した金額、未着品販売に対応する売上原価である。
貨物引換証が期首に25400存在し、当期に取得し、この一部は現品引取として消費し(68200)、また一部は他者に転売することで消費したわけである。そして結果としての残高が19800、ということである(ボックスを描けばすぐ分かると思うが)。

すべきは『当期の未着品の取得高』と『未着品販売を行った分に対応する売上原価』ということになる。当期の未着品取得高は逆算により求めるので、先に計算するのは売上原価から。ここで次の資料。

・前T/B未着品販売益:91,000
(3)当期の未着品販売は原価率72%で行っている。

原価率が0.72ということは利益率は0.28。売価を1とすると販売益91,000は0.28である。ということで91,000÷0.28=325,000が未着品販売の売価。ただしここで求めたいのは売上原価部分なので、売価-利益によって原価を求める。325,000-91000=234,000。これが当期に貨物代表証券を外部に転売した金額である。

この時点で貸借差額により貨物代表証券当期取得だか296,600を算定することができる。

次に仕入ボックス。仕入れに関する資料は以下。

・前T/B仕入:1,145,000

ここで肝心なことは、この仕入の借方1,145,000のは未着品の現品引取高68,200を含んでいるということ。ただしこの1,145,000は未着品の売上原価234,000や(上で計算した)取得高296,600を含んでいないということにも注意。

そもそもここで扱っているのは分記法なので、仕入勘定自体を用いないとも思うのだが、恐らくは当期の売上原価を算定する上での便宜的な用法かと思う。それで上の未着品の現品引取は既に織り込んであるのに対して売上原価は織り込まれていないことについては、実際に手元商品となっているか否かの違いだろう。仕入勘定を手元商品勘定としてみれば、未着品販売原価が含まれないことは自明であるし、現品引取したものに関しては以降は一般商品売買として扱われるので、当期の一般売上高に対する売上原価を構成することになる。

ただしPL上の売上原価を構成する、『期首商品棚卸高』は通常の繰越商品に未着品の期首残高を加えた合計額を表示するし、また、同じく売上原価を構成する『当期商品仕入高』は通常の(現品引取分を除いた)当期仕入高に未着品の当期首得高を加えたものを記載する。
実際にPLの売上原価については下のようになる。

PL売上原価

期首商品棚卸高:107,800
当期商品仕入高:1,373,400

合計:1,481,200

期末商品棚卸高:105,700

商品売上原価:1,375,500



※期首=前T/B繰越商品82,400+期首未着品25,400
※期末=期末手許商品85,900+前T/B未着品19,800

※当期仕入=通常の当期仕入1,076,800+未着品取得高296,600
(通常の当期仕入=前T/B仕入1,145,000-現品引取高68,200)

ここでのポイントは、当期商品仕入高の算定上、現品引取高は控除するところ。何故こうした処理をするかについて説明する。
そもそも未着品勘定と仕入勘定を分けているのは手許商品か否かである。現品引取高は実際に商品を引き取っているわけだから、これは当然仕入勘定に算入される。ただしこの処理は、当期の仕入高の増加を認識する為ではない。未着品が手許商品になったことを表しているのだ。現品引取によって未着品から仕入に振り替えられた商品はもちろん一般販売
される。しかしこの原価の把握は一つ前の段階、すなわち未着品勘定において把握されるものである。

当期の未着品勘定の借方は期首25400と当期取得296,600である。これに対して未着品勘定の貸方は、『借方で取得した、あるいは期首から保有している資産が、どのように引き取られ、販売され、もしくは期末に残存しているか』を表したものである。

商品だろうが貨物代表証券だろうが、当期の費用は期首+当期-期末である。現品引取高とは、期首から保有の、あるいは当期に取得した貨物代表証券が形を変えたものであり、いずれにしても現品引取をする為に生じたコストは未着品勘定の借方で把握されるべきものである。つまりこれを仕入勘定に振り替えるからといって、振り替えた先の仕入勘定において更に当期の費用とするのはダブルカウントである。

なお資料より一般売上が1,522,000、未着品売上が上の計算から325,000、商品売上高(これらの合計)は1,847,000であり、商品売上原価を差し引くと、471,500の売上総利益が算出される。
監査人は以下の事項について、経営者から書面をもって確認しなければならない。
・適正な財務諸表の作成責任が経営者にあること
・財務諸表の作成に関する基本的な事項
・経営者が採用した会計方針
・経営者が監査の実施に必要な資料を全て提示したこと
・その他監査人が必要と判断した事項

(1)定義
経営者による確認書とは、監査人が監査意見の表明に当たって、財務諸表の作成責任が経営者にあること、監査の実施に必要な全ての資料が監査人に提供されたこと等を確認するために入手する書面を言う。つまり経営者による確認書とは『監査人が経営者から書面にて入手』すべきものである。

経営者による確認書が必要な理由としては以下のような例がある。
『財務諸表の監査制度において、経営者と監査人の協力関係を示し、もって監査制度に対する社会的信頼性をより一層高めていくために経営者確認書の入手が必要である』


(2)入手目的
『経営者による確認書』とは何を確認するのか。主なものは以下の7項目。

?財務諸表の作成責任が経営者にあることの確認
おそらくはこれがメイン。
一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し、企業の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況を適性に表示する責任は経営者にあることについて、経営者自身が認識していることを確認する。
また、財務諸表の作成責任に関連して、財務諸表およびその作成の基礎となる会計記録に適切に記録していない重要な取引がない、並びに財務諸表に重要な影響を与える不正および違法行為がないと経営者が認識していることを確認する。

?内部統制を構築・維持する責任が経営者にあることの確認
不正を防止・発見し、適正な財務諸表を作成する為に、内部統制を構築し、維持する責任は経営者にあることについて、経営者自身が認識していることを確認する。

?監査の実施に必要なしべての資料が監査人に提供されたことの確認
監査人が必要としてすべての資料がいかなる制約もなく経営者から監査人に提供されたことを確認する。

?重要な偶発事象、後発事象等に関する確認
重要な偶発事象、後発事象、財務諸表に重要な影響を及ぼす事項について、その最新の情報を確実に知り得る立場にある経営者から、その有無、内容等を確認する。

※偶発事象:利益または損失の発生する可能性が不確実な状況が貸借対照表日の時点ですでに存在しており、その不確実性が将来事象の発生すること、あるいは発生しないことによって最終的に解消されるもの。たとえば会社が訴訟を起こされて損害賠償請求されている場合。これに敗訴すれば多額の費用が生ずる。こういったものを偶発事象と呼ぶが、この有無や内容については確認書に記載されていなければならない。

※後発事象:決算日の翌日から監査報告書日までの間に発生した会社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす会計事象。具体例としては、災害による多額の出費、主要取引先の倒産、会社の合併や分割、多額の増資および減資など。偶発事象がBS日に認識しているのに対し、後発事象はBS日翌日~監査報告書提出日に生じたもの。


?監査実施時の確認事項についての文書による再確認および追加確認
財務諸表に重要な影響を及ぼす事項に関し、監査の実施過程で行った口頭による質問の回答について、経営者と監査人との間の解釈の曖昧さや誤解を避けるために文書で再確認し、またその後監査報告書作成日までの間にその内容に変化がなかったことを追加確認する。

?経営者の意思や判断に依存している事項についての確認
財務諸表に重要な影響を及ぼす事項で、経営者の意思や判断のような主観的要素に負うところの大きいものについて、その内容および根拠を確認する。

?監査人が発見した未訂正の財務諸表の虚偽の表示による影響が、個別に集計しても、財務諸表全体にとって重要でないことの確認
財務諸表の作成責任に関連して、監査人が発見した未訂正の財務諸表の虚偽の表示による影響が、個別に集計しても、財務諸表全体にとって重要でないと経営者が判断していることを確認する。