前回と、さらにその前の記事では後T/B作成から本支店共通の決算整理、主に総合損益勘定について触れた。総合損益は本支店の損益をまとめたものだが、本支店会計を行っている場合、ここから内部利益調整を加味して税引後の純利益を計算する。

内部利益とは、『企業内部における独立した会計単位相互間の内部取引から生じる未実現の利益』と定義されている。

それでこの論点だが、正直あまり理解できないので思いつくままに書いてみようと思う。

まず内部利益の処理だが、先に書いたようにこれは総合損益勘定を調整するものである。この時点であまりしっくりこない気がする。

本店が仕入れた商品100に20の利益を付加して支店に送付したとする。この20が全社的な当期の利益にならないことは分かる。例えばこれを仕訳にすると
(借)仕入 100 (貸)買掛金 100
(借)支店 120 (貸)支店売上 120
(借)本店仕入 120 (貸)本店 120
となる。この本店仕入は期末に残存しているとしよう。
これに基づいて(内部利益の調整をなしにして)PLを作成すると
支店売上120
仕入100
本店仕入120
合計で100の純損失となるように思う。そしてこれで特に問題がないように思えるが違うのだろうか。本店売上や支店売上をどれだけ計上しようが、照合勘定である以上は同額の費用も計上されているので、最終的な利益が実態と相違するようには思えない。ただ、この本店仕入れの商品原価を120として計上することはできないはずである。そう考えるとBSの調整と見れば腑に落ちるのだが。

ちなみにこの場合の正しい処理は、本来存在しない20の利益を控除するもの。本店において
(借)繰延内部利益控除 20 (貸)損益 20
となる。

このとき、支店において原価100の商品が120で評価されてしまうのはまずいわけであって、ここからの控除を意味するならばすんなり腑に落ちる。

ええと、よく分からなくなったので次エントリでもう一度考え直してみる。
前回の続き。本支店ともに後T/Bの作成を終えてから、本支店の損益を総合損益勘定に集計していく。また、この段階で内部利益の調整も行う(詳しくはこちら)

?本支店での損益振替
(借)収益 ××× (貸)損益
(借)損益 ××× (貸)費用

これにより、本支店での全ての収益費用の差額が損益勘定に振り替えられる。


?本店純損益の振替
(借)損益 ××× (貸)総合損益 ×××

ここは本支店会計での独特の処理。まず最初に本店の損益を『総合損益勘定』に振り替える。

?支店純損益の振替
・支店の処理
(借)損益 ××× (貸)本店 ×××
黒字を仮定して、貸方にあった損益をすべて消滅させ、本店に受け渡す。

・本店の処理
(借)支店 ××× (貸)総合損益 ×××

支 店の借方と本店の貸方を見ると、「支店の損益が本店の総合損益に移動」していることが分かる。ただ、支店側の損益が黒字の場合、それを本店に渡してなぜ本 店勘定の貸方が増加するのか、また利益を受け取った本店で、なぜ支店勘定の借方を増加させるのかはまだ理解できていないので今後の課題としたい。

?内部利益の調整
これについては別項目で見ていきたい。ここでは差し当たり仕訳の形のみ。
(借)繰延内部利益 ××× (貸)繰延内部利益戻入 ×××
(借)繰延内部利益控除 ××× (貸)繰延内部利益 ×××
(借)繰延内部利益戻入 ××× (貸)総合損益 ×××
(借)総合損益 ××× (貸)繰延内部利益控除

?法人税等の計上
本支店会計における法人税の計上は、これを行うタイミングが重要となる。すなわち内部利益を調整後の会社全体としての税引前当期純利益を基準として法人税を計上する、ということ。
(借)法人税等 ××× (貸)未払法人税等 ×××
(借)総合損益 ××× (貸)法人税等 ×××

?資本振替
(借)総合損益 ××× (貸)繰越利益剰余金 ×××

さて、これら本支店合併決算整理(固有の未達処理などではないという意味)で最も重要なのが総合損益勘定の把握である。
本支店共に黒字を仮定すると、総合損益勘定の貸方を構成する(他の収益費用から振り替えられるもと)は、?(本店の)損益、?支店、?繰延内部利益戻入である。借方は?繰延内部利益控除、?法人税等、?繰越利益剰余金である。


総合損益

繰延内部利益控除 ×××
損益 ×××
法人税等 ×××
支店 ×××
繰越利益剰余金 ×××
繰延内部利益戻入 ×××

この総合損益勘定における損益+支店+繰越内部利益戻入-繰越内部利益控除が税引前当期純利益。これをベースに法人税等を計上し、差し引いた残額が税引後の純利益なので資本振替を行う。
前回は商品勘定についての決算整理を行った。今回はここから本支店の損益を統合して法人税額を決定するところまでを見ていく。

まず前回使用した前T/Bはこれ。
1.前T/B

本店 支店


本店 支店
現金預金 45900 24000

買掛金 14500 8800
売掛金 28000 15000

本店 0 11000
繰越商品 14000 9500

繰越内部利益 1400 0
支店 18500 0

貸倒引当金 300 200
備品 32000 14000

備品減価償却累計額 8000 7000
仕入 68000 43200

資本金 50000 0
本店仕入 0 20900

繰越利益剰余金 6000 0
支店仕入 16100 0

売上 149000 96500
営業費 32000 17600

本店売上 0 20700





支店売上 25300 0

254500 144200


254500 144200








これに対する決算整理は以下。
・本店
(借)仕入 14000 (貸)繰越商品 14000
(借)繰越商品 22400 (貸)仕入 22400

・支店
(借)仕入 9500 (貸)繰越商品 9500
(借)繰越商品 12900 (貸)仕入 12900
これらを加味すると後T/Bの仕入および繰越商品が次のよう変化する。


1.後T/B







本店 支店

本店 支店
現金預金 45900 24000
買掛金 14500 8800
売掛金 25000 15000
未払費用 0 3200
繰越商品 22400 12900
本店 0 13600
前払費用 1400 0
繰越内部利益 1400 0
支店 13600 0
貸倒引当金 500 300
備品 32000 14000
備品減価償却累計額 16000 10500
仕入 59600 39800
資本金 50000 0
本店仕入 0 22000
繰越利益剰余金 6000 0
支店仕入 20700 0
売上 149000 96500
営業費 30600 22300
本店売上 0 20700
減価償却費 8000 3500
支店売上 22000 0
貸倒引当金繰入額 200 100













259400 153600

259400 153600









また各照合勘定(下線部分)が一致していることにも注目したい。これは前々回見た処理だが、未達取引をすべて記帳した結果である。

また、下記の整理事項
(2)本店および支店は、備品について耐用年数4年、残存価額をゼロとする定額法による減価償却を行っている。
(3)本店および支店は売掛金について期末残高の2%の貸倒引当金を差額補充法により設定している。
(4)本店において営業費1400を繰り延べる。支店において営業費3200を見越し計上する。

を処理した結果、前T/Bと後T/Bには、DEP、貸引、営業費および経過勘定において数字が変わっている。貸引は未達の売掛金回収分を減少させてから計算する。

次エントリで後T/B作成を終えてからの処理を見ていく(数字は集計しないが)。